節税漏れはしていないか?法人税申告書の簡単自己チェック術
税理士の伏見圭が実務を通して経験した事例及び最新情報、並びに営業トークに使えそうな雑談について述べていくコラム。 第五回コラム
節税漏れはしていないか?法人税申告書の簡単自己チェック術
今回のテーマは申告書のセルフチェックの仕方についてです。
法人決算及び申告があった際に税理士から納品される決算申告書綴りですが、ちゃんと中身を見たことはあるでしょうか? 多くの企業が、当期純損益の計算結果を税理士と共有し、税理士が税金計算の結果を報告するスタイルが多いかと思います。
「今期は○○円の利益が出ました、結果、○○円の納税が発生します」 という会話です。
一般的な税理士であれば、決算・申告に向けて日々の業務の中でクライアントと節税案を共有して実行していきますので問題ないのですが、税理士とコミュニケーションがとれていない方、担当が新人の場合でサポートに不安を感じている方はこう思うことも多いかと思います。
「ちゃんと税金が安くなる申告書になっているのか?」
そのような時に、自分でも出来る簡単な法人税申告書自己チェック術を今回お教えしたいと思います。
法人税申告書の細かい理解は困難です。よって、申告書のとある1ヵ所だけみる簡単なチェック方法を説明していきます。
簡単自己チェック術「別表1のここをみよう」
法人税の申告書綴りの大抵1枚目、電子申告の場合には電子申告の到達通知の次の2枚目にファイリングされていることが多い「別表1」を見てみましょう。
3番の「法人税額の特別控除額」欄に金額が記載されているでしょうか? 従業員の給料が前期比で増加している場合、一定額の機械装置等を購入した場合にこの欄に記載がない時は、税金が減額される「特別控除」という処理がされていない事になります。
特別控除の種類は多く、一般的なものから、業種を絞ったものなどありますので、その詳細を理解する必要はありません。
とりあえず、ここに数字が入っているかどうかだけ確認してみましょう。
そして、前期比で従業員給料が増加している場合、機械装置等の設備投資を行っていた場合には、特別控除が適用外だった理由を聞いてみると良いです。
特別控除は適用除外要件などがありますので、それが原因で対象とならなかった可能性もありますし、機械装置等の設備投資では「特別控除」を選択せず「特別償却」を選択し、割増しで減価償却費を計上している可能性があります。
今回、適用から外れてしまった理由が分かれば、今度は適用できるように対策もとれます。 少しの差で除外になっていたのであれば非常に勿体ない話です。
少し気になる方は簡単自己チェック術試してみてはいかがでしょうか? 今回も皆様が何か考えるきっかけになれたのであればhappyです。
それではまた次回のコラムでお会いしましょう。
コラム筆者:伏見圭税理士(伏見圭税理士事務所)
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