インボイス制度フェイクニュースに気をつけろ!Sポイント経済圏!
税理士の伏見圭が実務を通して経験した事例及び最新情報、並びに営業トークに使えそうな雑談について述べていくコラム。 第七回目コラム
目次
インボイス制度『フェイクニュースに気をつけろ!Sポイント経済圏!』
支持率の低下により、ここに来て大幅な妥協点が出てきそうな消費税のインボイス制度。
いつものお決まりの話になりますが、 世の中には、ホームページ、メールマガジン、Youtube、SNS、セミナーなど情報があふれています。
誰でも、気軽に、無料で情報を得られる良い時代になりました。
しかしその反面、間違った情報も多いですし、『正しい情報だが、必ずしもその人にマッチしない情報』も多くあります。
特に消費税のインボイス制度では感情論、煽動事態を目的としている団体などにより、多くの人が冷静さを失っています。
今回のコラムでは、多くの人が盲点となっている事について述べたいと思います。
消費税の納税額だけで損得を考えていませんか?
消費税の仕組み、簡易課税制度などの説明はいろんな方のYouTubeで説明されていますので、ここでは省略させて頂きます。
※分かりやすく現金の減少をイメージして説明していますので、所得税・住民税への影響を省いて消費税に絞って説明させて頂きます。
登録した場合の現金減少額についての勘違い
消費税は売上の消費税から、経費の消費税を控除した金額を納める訳ですから、全く経費が無い人は、売上の10%を納税する必要があります。
この人達は手持ちの現金が10%減少する事になります。
しかし、経費が0円の人達ってなかなかいませんよね?
個人事業主の方は、せっせと領収書などを集めて毎年確定申告をされているかと思います。
私の肌勘ですが、多くの零細個人事業主は赤字、黒字でも売上に占める利益の割合は2.3割がほとんどかと思います。
どう考えても、売上の消費税の2・3割を納めれば済みそうですよね。
それであれば『実質2・3%の手持ち現金の減少』です。
いやいや、全く経費がかからないサービス業をしているんだ!
と言う方もいるかと思いますが、簡易課税制度を使えば、サービス業であれば売上の消費税の半分を納めればOKになります。
それであれば『実質5%の手持ち現金の減少』です。
消費税のインボイス制度により、手持ち現金が10%減少する!のではなく、インボイス登録をすれば最悪5%手持ち現金が減少するだけで済むが正しいのです。
免税事業者への優遇が廃止されるのであれば、ダメージをどこまで少なくするか?の思考にチェンジした方がいいですよね。
登録しなかった場合の売上減少について:Sポイント経済圏(超重要)
飲食店、小売りなどは相手が一般消費者なので、インボイス登録をしても、していなくても価格が据え置きできるから、消費税を納めなくて済む未登録が正解!今まで通りが優勝!!
これって本当ですかね?
消費税を納める必要が無いのはその通りです。
ですが、ふと思い出して下さい。
お会計しているときに
「領収書下さい」
と言われるのが10人中何人いるでしょうか?
3人いた場合は、その3人は事業経費にしたい目的で領収書をもらっている可能性が高いです。自分の顧客の30%は「ビジネス客」という事になります。
消費税のインボイス制度が始まったらビジネス客は、消費税のインボイスが発行されるお店と発行しないお店のどちらに行くと思いますか?
もちろん発行できるお店です。
なぜなら、経費の消費税は売り上げの消費税にぶつけられるからです。
日本人はポイント大好き民族です。Tポイント、PayPayポイント、Dポイント、楽天ポイント、ポイント圏に取り込まれて生活しています。
消費税=Sポイントになる!?
消費税もある意味ポイント、すなわち『Sポイント』です。
せっかくならSポイント集めたいですよね。
という事は、インボイスが発行されなかったお店は2度と行かない可能性が高いです。
Sポイント経済圏が誕生します。
それであれば『実質30%の売上減少』です。
登録したら最悪現金5%減少のダメージ。登録しなかったら売上30%減少のダメージ。
あれ?なんか今まで思っていた事とイメージが変わってきていませんか?
感情論・フェイクニュースに騙されるな!
自分の顧客層の事、経費の内容、簡易課税制度、いろんなことを考えると、登録することが最善策と考えなおす人も出てくるかと思います。
納得いかない、怒り、不満、やり場のない気持ちがいろいろあるのは分かります。
動画の切り抜き、ニュースの切り抜き記事、世の中は断片的な情報で溢れていて、何かしらの意図をもって扇動をしている人達が多くいます。
扇動・フェイクニュースに惑わされない為の冷静さがますます重要になってきます。
今回も皆様が何か考えるきっかけになれたのであればhappyです。
それではまた次回のコラムでお会いしましょう。