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2023.03.27

法人保険が節税で販売停止に!?なぜ販売停止になったのか質問に回答します。

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著者情報 森 逸行 FP歴15年 経験した事を伝え解決に導く『金融パーソナルトレーナー』

法人保険 節税-販売
法人で生命保険を活用することで、以前は保険料を損金(経費)に算入しながら、資金を積み立てることができましたので、法人税の支払いを将来に繰り延べることができ、結果として節税になることもありました。

ただし、このような資産性がある保険を損金算入する商品が増えて、法人保険による節税が加熱したことで、2019年に大きな税制改正が行われ、販売停止となった法人保険も多くありました。

本日はそのような法人保険に関する質問にお答えしていきます。 

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目次

質問|法人保険に入ることで節税になったのでしょうか?

以前は、法人保険が節税になると聞きました。そんなに法人保険に入ることで節税になったのでしょうか?最近販売されている法人保険は、節税にはならないのでしょうか?

当時と今の法人保険の違いを簡単でもよいので教えてください。 

回答:以前は法人保険でかなりの節税ができました。

以前は法人保険でかなりの節税ができました。例を3つほど挙げます。

1.保険料を全額損金計上できるのに、解約すると支払った保険料… 

保険料を全額損金計上できるのに、解約すると支払った保険料の80%以上のお金が戻ってくる 

2.保険料の半分を損金計上できるのに、解約すると支払った保険料…

保険料の半分を損金計上できるのに、解約すると支払った保険料の100%以上のお金が戻ってくる 

3.有期払込で一生涯保障の医療保険・がん保険・介護保険の保険料…

有期払込で一生涯保障の医療保険・がん保険・介護保険の保険料を全額損金計上して、保険料の全額を法人で払い込み終えたら、法人から個人へ現物支給して、個人では保険料を支払うことなく一生涯保障を確保する 

1と2は単純にたくさんお金が貯められるのに、その保険料が半額~全額を損金に算入できたため、保険料を支払っている間は法人税を軽減させることができていました。

多くの場合は、会社が赤字になったときや、大きな設備投資があるとき、あるいは退職金の支払時に、損金算入してきた保険を解約して、その解約返戻金を利用していました。

そうすることで、解約時に発生する利益を相殺することができますので、結果的に節税になるように活用していました。

これ以外にもかなり多くの節税につながるスキームがありましたが、現在は規制がかかり、メリットは少なくなりました。  

回答:現在の法人生命保険料の税務取り扱いの規制

現在の法人で加入した時の税務の取り扱いは以下の通りです。

1.全額損金に計上できる保険は、解約したときにお金が50%も戻らない契約。

全額損金に計上できる保険は、解約したときにお金が50%も戻らない契約。

(保険期間の当初4割須相当の期間)

ただし、年間30万円未満の保険料であれば、特例で解約したときに70%を超えない定期保険であれば全損にできる。 

2.解約したときに戻ってくるお金が支払った保険料の70~85%の場合は、

解約したときに戻ってくるお金が支払った保険料の70~85%の場合は、支払う保険料の40%を損金計上とする。(保険期間の当初4割須相当の期間) 

3.終身医療保険などを有期払込する場合は年間30万円までは全損にできるが、

終身医療保険などを有期払込する場合は年間30万円までは全損にできるが、それ以上のプランは全額損金計上はできない。 

1と2のように、資産性がある場合は損金計上が認められなくなりましたので、利益を将来に繰り延べることがしにくくなりました。

また、3の掛け捨ての一生涯保障(第三分野の終身医療保険など)を510年などの有期で払い込み、全額を損金として計上していた商品も、現在では年間30万円以下という金額の規制がかかったことで、メリットが少なくなりました。 

上記のような規制があり、以前よりも節税の効果は少なくなりましたが、そのような節税につながる効果はゼロになったわけではありません。

このような法人保険を活用する場合は、専門性が高いため、法人保険の取扱いに慣れている保険代理店へ相談してください。 

質問|法人保険が節税になる事がきっかけで販売停止になった…

法人保険が節税になる事がきっかけで販売停止になったのでしょうか?

会社経営をしていると少しでも節税をして会社にお金を残したいと思いますが、どこの保険会社も販売停止になったのでしょうか?法人保険以外で会社にお金を残す方法はほかにもありますでしょうか?もし、会社にお金を残す方法があればやってみたいと思います。 

回答:法人保険は以前よりも決算対策や節税対策だけで利用…

法人保険は以前よりも決算対策や節税対策だけで利用するのは厳しくなりました。

ただし、まだすべてが禁止になったわけではありません。特に中期~長期で積み立てを行うような長期の定期保険などの商品では魅力的なものもありますし、保障が充実している法人保険も多く販売されています。

また、事業承継などの株価対策や相続対策のための保険はまだまだ販売されていますので、そのような保険の活用も検討してみてください。

第一歩として活用を検討していただきたいのは、倒産防止共済(経営セーフティ共済)です。全額損金計上可能で、800万円まで積み立てできます。 

倒産防止共済・保険以外の商品で損金計上できるものは、日本型オペレーティングリースという商品があります。

この商品は23年で出資したお金が全額損金となり、510年後に少しだけお金が増えて戻ってきます。航空機や船舶、海上輸送用のコンテナなどを対象物件としたリース事業に出資する商品ですので、為替リスクや信用リスクなどがあるため、その点は十分注意して案件を選ぶ必要があります。 

質問|いま入っている法人保険で何か変わる事はあるのでしょうか?

法人保険に加入しております。いま入っている保険で何か変わる事はあるのでしょうか?経理処理が変更されたと税理士から説明がありましたが、本当の所はどうなんでしょうか?

また、税理士から節税の提案など全くありません。税理士とはどの様に付き合えばよいのでしょうか? 

回答:税制改正より前に加入した法人保険であれば…

税制改正(令和元年78日)より前に加入した法人保険であれば、今までの経理処理を行うことが可能です。

したがって、税制が変更となったからといって何かする必要はありません。

追加で加入した契約に関しては、現在の税法に則った経理処理を行ってください。 

質問|法人保険の様に節税になる手法やスキームはあるのでしょうか?

法人保険の様に節税になる手法やスキームはあるのでしょうか?脱税やグレーな節税以外あれば、わかる範囲で教えてください。

また、手法やスキームは常に変わりますが、どの様に今後情報収取をすると良いのでしょうか?最終的に脱税やグレーの節税の見極め方はあるのでしょうか。 

回答:法人保険に変わる節税につながるスキームは以下の3点です。

法人保険に変わる節税につながるスキームは以下の3点です。

1.倒産防止共済(経営セーフティ共済)

倒産防止共済(経営セーフティ共済)

2.日本型オペレーティングリース

日本型オペレーティングリース

3.海外不動産

海外不動産

日本型オペレーティングリースは、航空機などのリース事業に出資(投資)することで、その物件の減価償却費や金融機関からの借入金の金利などによる損金を取り込むことができる金融商品ですが、為替リスクや信用リスクがありますので、注意して検討してください。

資金も10年近く固定化しますし、投資に失敗した場合は追加出資といって、出資したお金に加えて、あとから追加でお金を支払うリスクも伴う取引です。

多くのリース会社が5000万円以上などの大きな金額で出資を募っています。

ヘリコプターやトラックやキャンピングカーのファンド、少し前では足場リースやドローンや荷物を置くコンテナへの投資での節税もありましたが、投資としてのリスクが高い、あるいは税務リスクが高いため、慎重に商品を選んでください。

海外不動産も法人ではまだ決算対策として活用ができますが、現地の相場観がわからないことをいいことに、4~5割ほど価格を上乗せして販売している業者も多く、安易におすすめはできません。

ただし、取扱業者と物件がよければ、建物部分の償却を4年で行える物件などもありますので、慎重に選定をすれば、節税としても投資としても面白いかもしれません。

回答:一番おすすめは節税としては、次の新規事業へ資金を使うこと…

一番おすすめは節税としては、次の新規事業へ資金を使うことや、自分の会社の従業員への決算賞与や、効果が実証できている広告を出して本業の利益に貢献できる投資を行えることですので、上記のような商品に頼るのは最後の手段として考えておきましょう。

まだまだ使える!日々の商品研究から、法人保険を使って節税する方法を公開!

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