法人向け損害保険を一覧紹介!いざという時の知識まとめ
企業はあらゆるリスクを抱えているため、必ず加入を検討しておきたいのが損害保険です。
しかし「損害保険」といっても種類はさまざまで、目的にあった保険に加入することが大切です。
自社が抱えているリスクをしっかりと把握しておき、適切な保険料や補償範囲などをもとに保険を選んで行けるといいでしょう。
この記事では、法人向け損害保険を一覧でご紹介していきたいと思います。
損害保険への加入を検討している企業は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
目次
法人向け損害保険の種類
●自賠責保険
●自動車保険
●個人情報漏洩保険
●業務災害保補償険
●サイバー保険(旧IT賠)
●業務災害保険
●事業活動保険
●役員賠償責任保険
●火災保険
●地震保険
●賠償責任保険
法人向け損害保険の種類は、上記のとおり主に11種類あります。
事業を行っていると、予想もしなかったリスクを背負うこともあるでしょう。あらゆるリスクに備えた保険について、それぞれご紹介していきます。
自賠責保険
自賠責保険は、法律に基づきすべての自動車に加入が義務付けられた強制保険です。
自動車の運行によって他人にケガを負わせてしまった場合や死亡させてしまった場合に、被保険者(自動車の保有者または運転者)が損害賠償責任を負う場合の損害について、保険金が支払われます。
自賠責保険で補償されるのは、あくまでも対人事故の場合のみです。したがって下記のような事故の場合は保険金が支払われないため、注意が必要です。
●運転者自身のケガ
●自動車の修理代
●物の損害
自動車保険
自賠責保険の保障内容は、自動車事故に遭った他人(被害者)の人身損害のみに限定されています。
また、補償額は死亡事故で最高3,000万円となっており、これを超える損害は補償されません。
そのため、他のリスクに備えるためには自動車保険への加入を検討してみましょう。
下記の中から、必要な保障内容を組み合わせて保険へ加入をします。
対人賠償保険
自動車事故により、他人を死亡させたり、ケガを負わせて法律上の損害賠償責任が生じたりした場合に、自賠責保険の補償額を超える部分に対し保険金が支払われる
対物賠償保険
自動車事故により、他人の自動車や建物などの財物に与えた損害に対して、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる
人身傷害補償保険
自動車事故により、死亡やケガをした時に、自分の過失部分を含めて、契約している損害保険会社から損害額の全額が支払われる
搭乗者傷害保険
運転者や同乗者など、自動車に搭乗中の人が事故によって死亡やケガを負った時に保険金が支払われる
自損事故保険
運転者自身の自損事故により、運転者などが死亡やケガをした時に保険金が支払われる
無保険車傷害保険
対人賠償保険を契約していないなど、賠償資力が十分でない他の自動車に衝突されて、運転者や同乗者が死亡または後遺障害になった時に保険金が支払われる
個人情報漏洩保険
個人情報漏洩保険とは、データ管理をインターネット上で行うようになった昨今において、必須の保険と言っても過言ではありません。
インターネットは膨大な顧客情報を管理できる利便性がある一方、情報漏洩のリスクは常に考えておかなければいけません。もし顧客情報の漏洩があった場合、顧客に損害が生じる恐れがあるだけでなく、会社全体のイメージダウンにもつながります。
ハッキングはいつされるか分からないため、不測の事態に備えておくことがとても重要なのです。
業務災害補償保険
業務災害補償保険とは、従業員や役員等の業務に起因するケガや病気によって、事業者が支出する費用などを補償する保険のことです。
例えば労働災害が発生した際に、労働環境の安全配慮義務違反で従業員や従業員の遺族から高額な損害賠償請求がなされる可能性があります。その際に、政府の労災保険制度の補償だけでは不足する可能性があります。
業務災害補償保険は、政府の労災保険制度の不足部分を補い、政府の労災保険制度では補償されない慰謝料や訴訟等にかかる事業主が負担する費用等を補償することができるのです。
この保険は、賠償リスクに備えることができるだけでなく、従業員が安心して働ける労働環境づくりにも寄与する保険と言えるでしょう。
サイバー保険(旧IT賠)
今では業務のあらゆる場面でITの利用が必然となっています。
その反面、サイバーリスクはIT会社だけでなく、あらゆる業種が抱えるリスクとなったことでしょう。その対策として、サイバー保険(IT賠償責任保険)があります。
サイバー攻撃による情報漏洩が発生するリスクは、常に発生します。その影響でサーバーダウンや顧客情報の流出などが発生する恐れもあるでしょう。
そうなると、取引先や顧客への損害賠償対応や事故原因の調査、顧客へのお詫び状の送付などを行う必要があり、それらに対応できる保険が必要となります。
役員賠償責任保険
役員賠償責任保険(D&O保険)とは、Directors(取締役)と Officers(執行役・監査役等)のための賠償責任保険です。
会社において、役員責任をめぐる環境は大きく変化しています。それによって企業経営を管理監督する仕組み(コーポレート・ガバナンス)の強化が求められており、株主代表訴訟等による賠償額の高額化を受けて、役員個人のリスクも高まっているのです。
大企業に限らず中小企業においても、役員が抱える訴訟リスクは少なくありません。
火災保険
火災保険は個人にとっても身近な保険ですが、法人向けの火災保険はより対象範囲が広いことが特徴です。
法人所有の建物、設備・什器備品、商品・製品等の財物損害を補償するだけでなく、建物などが被災した場合に生じる休業損害など、さまざまなリスクに備えることができます。
事業者の事業内容によって必要な補償が異なるため、最適な火災保険への加入が大切です。
賠償責任保険
事業活動を行う上で、他人の身体や財物に関わる事故を起こした場合、事業者は損害賠償責任を負う可能性があります。
損害賠償責任のリスクは多様化しており、賠償金が少額で済むこともあれば、億単位という高額となるケースもあることを留意しておく必要があるでしょう。
事業内容によって発生する賠償責任は様々なので、事業に関わる様々な賠償責任のリスクに対応できる補償を選ぶことが大切です。
事業活動総合保険
事業活動総合保険とは、事業を取り巻くあらゆるリスクを包括して補償できる保険となります。
店舗や事務所などで火災や事故が起きた場合に発生する損害の他、お客様や第三者に損害賠償責任を負った場合など、事業活動で起こりうるリスクを幅広くカバーすることができます。
このように、火災保険や賠償責任保険等で補償されるリスクを事業形態に応じて選択し、1つにまとめて補償することができる保険です。
法人はあらゆるリスクを考える必要がある
法人向けの損害保険についてご紹介しましたが、企業はあらゆるリスクを抱えています。事業活動を行う上で、あらゆるリスクに備えておく必要があるのです。
どのようなリスクを抱えているか、この機会に覚えておくと良いでしょう。
企業財産
自然災害による火災など、様々な偶然による事故によって被る損害が考えられます。
例えば、飲食店であれば厨房からの火災によって建物が炎上したり、台風による強風によって備え付けの看板が破損したりする可能性も起こり得ます。
様々な偶然によって起こる事故は、いつ起こるかわかりません。そのため、しっかりと企業財産を守れるような保険に加入しておくことが大切です。
経営者および役員
経営者および役員によるリスクで考えられるのは、会社役員として行った行為や解雇・ハラスメントなどにより、経営者や役員が損害賠償請求を受けた場合に生じる損害賠償金や争訟費用等を負担するリスクです。
例えば、職場のいじめが原因で退職した元社員による損害賠償請求や、従業員が長時間労働を原因として体調を崩す(最悪の場合死亡)ことによって、その家族など第三者が訴訟を起こすなどのケースが考えられます。
大切な従業員ですが、従業員からの損害賠償請求リスクがゼロであるとは言い切れません。
従業員
従業員のリスクには、従業員の労働災害(業務上の事故などによるケガ・病気・障害・死亡)について、企業が補償金や損害賠償金などを負担するリスクが考えられます。
業務内容によっては、ケガなどのリスクが高い企業もあるかもしれません。危険を伴う業務内容ではないにせよ、従業員が会社で作業中に転倒して足を骨折し、後遺障害が認定されるケースもあります。
このように、従業員の労働災害によるリスクも考慮する必要があるため、備えておく必要があるでしょう。
事業中断や利益減少
事業中断・利益減少のリスクは、火災などの様々な偶然による事故によって、休業したり取引先の倒産などによる貸倒れが発生したりすることで、企業の利益が減少してしまうリスクのことです。
事業中断の例で言えば、飲食店で食中毒が発生してしまった場合に保健所から営業停止の行政措置がなされ、しばらく営業停止による休業の影響で損害が生じてしまうことが考えられます。
利益の減少は、従業員の生活に直結する大きな問題です。
このような問題にも対応できるよう、あらかじめ備えておくことが大切です。
賠償責任
事業を遂行する中で、取引先や顧客などに対して、対人・対物事故(身体の障害・財物の損壊)や経済的損失を生じさせ、損害賠償請求を受けた場合に生じる損害賠償金や争訟費用等を負担するという損害責任が発生する場合があります。
特に近年では、サイバー攻撃による情報漏洩が発生するリスクも考えられ、その影響でサーバーダウンや顧客情報の流出などが発生するかもしれません。そうなると、取引先や顧客への損害賠償対応や事故原因の調査、顧客へのお詫び状の送付などを行う必要があるでしょう。
意図せずとも取引先や顧客などに対する損害責任が発生する可能性があることも、きちんと念頭に置く必要があります。
まとめ
個人だけでなく、法人にとっても保険は欠かせない存在です。
特に法人の場合、個人とは違いあらゆるリスクを背負うこともあります。リスクに備えておくためにも、損害保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。