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2026.03.08

「住宅ローン控除が2人分使えますよ」に要注意…ペアローンのメリットと見落とされがちな4つのリスク

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著者情報 ファイナンシャルプランナー森 逸行 FP2級・外務員二種・住宅ローンアドバイザー。住宅購入、投資、相続など自身の経験を活かし、実践的かつ現実的なアドバイスを提供。

「住宅ローン控除が2人分使えますよ」に要注意

マイホームを購入する際、不動産会社や金融機関から「ペアローン」という提案を受けるケースが増えています。

「夫婦それぞれ住宅ローン控除が受けられるのでお得ですよ」

そう説明され、ペアローンを選択する方も少なくありません。しかし、ファイナンシャルプランナーとして多くの住宅購入相談を受けていると、ペアローンには節税メリット以上に注意すべきリスクがあることを感じます。

本記事では、ペアローンの仕組みとメリット、そして見落とされがちなリスクについて解説します。

ペアローンとは?

ペアローンとは、夫婦それぞれが別々に住宅ローンを契約する方法です。

例えば、6,000万円の住宅を購入する場合

・夫:3,000万円の住宅ローン
・妻:3,000万円の住宅ローン

という形で、夫婦それぞれがローン契約者になります。

住宅の持分もそれぞれの借入額に応じて設定されるのが一般的です。

ペアローンのメリット

ペアローンの最大のメリットは、住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられることです。

例えば

夫:住宅ローン控除 40万円
妻:住宅ローン控除 40万円

の場合、世帯としては年間80万円の節税になります。

また、夫婦の収入を合算できるため、

・借入可能額が増える
・希望の物件を購入しやすくなる

といったメリットもあります。

このため、不動産会社や金融機関からペアローンを勧められるケースは少なくありません。

しかし、見落とされがちな4つのリスク

ペアローンは節税メリットがある一方で、長期的に見ると注意すべきリスクがあります。

①離婚時に大きな問題になる

ペアローンは

・夫のローン
・妻のローン

という完全に別の契約です。

そのため離婚した場合でも、ローン契約は簡単に解消できません。

さらに問題になるのが

・家を売りたくても相手の同意が必要
・どちらが住むかでトラブルになる

など、不動産とローンの整理が非常に難しくなることです。

実際、離婚時のトラブル相談でペアローンが原因となるケースは少なくありません。

②どちらかの収入が減るリスク

住宅ローンは通常30年〜35年の長期契約です。

その間には

・出産
・転職
・病気
・介護

など、収入が変わる可能性があります。

例えば、妻が出産後に退職した場合でも、妻名義のローンはそのまま残ります。

「共働き前提」の返済計画は、将来のライフイベントによって大きく変わる可能性があるのです。

③団体信用生命保険が別契約

ペアローンでは団体信用生命保険(団信)もそれぞれの契約になります。

例えば、夫に万が一のことがあった場合

・夫のローン → 完済
・妻のローン → そのまま残る

という状態になります。

単独ローンの場合はローンが全額完済されますが、ペアローンでは住宅ローンが残る可能性がある点に注意が必要です。

④売却が難しくなる場合がある

住宅を売却する際には、夫婦双方の同意が必要になります。

さらに

・住宅価格が下がっている
・ローン残高が多い

といった場合、売却してもローンが残る「オーバーローン」になるケースもあります。

その場合、売却自体が難しくなることもあります。

「住宅ローン控除」だけで判断してはいけない

ペアローンの提案では

「住宅ローン控除が2人分使える」

というメリットが強調されることが多いです。

しかし、住宅ローンは30〜35年の長期契約です。

節税メリットは数百万円程度でも、

・離婚リスク
・収入減少リスク
・売却リスク

など、人生の変化による影響はそれ以上に大きくなる可能性があります。

住宅購入では

「いくら借りられるか」ではなく
「将来も無理なく返せるか」

という視点が重要です。

まとめ

ペアローンは

・住宅ローン控除が2人分使える
・借入可能額が増える

というメリットがあります。

しかし一方で

・離婚時のトラブル
・収入減少リスク
・団信の問題
・売却の難しさ

など、長期的なリスクも存在します。

住宅ローンは人生最大の借入と言われます。

目先の節税メリットだけではなく、ライフプラン全体を踏まえて判断することが大切です。

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