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投稿日2025.11.19/更新日2026.04.07

【要注意】国際結婚×持ち家の落とし穴|妻名義ローンで夫が返済すると“贈与税”になる可能性も?

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著者情報 ファイナンシャルプランナー 森 逸行 AFP(日本FP協会認定)/2級FP技能士/証券外務員二種(IFA)/住宅ローンアドバイザー
住宅購入・資産運用・保険・相続まで幅広く対応。実務経験に基づいた、現実的で分かりやすいアドバイスを提供している。

国際結婚×持ち家の落とし穴|住宅ローンは妻名義、実際は夫婦で返済…

「家は妻名義。でも住宅ローンは夫婦で返済している――」

国際結婚のご家庭では、こうしたケースは珍しくありません。

しかしこの状態、実は放置すると

・贈与税が発生する可能性
・相続トラブル
・配偶者の権利が守られない

といったリスクにつながることがあります。

実際、外国籍の配偶者が関わる不動産は税務や相続のルールが複雑になりやすく、判断を誤ると後から課税やトラブルになるケースもあります。

この記事では、実際の相談事例をもとに

・なぜこの問題が起きるのか
・贈与税が発生するケース/しないケース
・名義変更・相続・遺言の正しい考え方

を、FPの視点で分かりやすく解説します。

この問題は「家庭ごとに正解が異なる」ため、
・税理士
・司法書士
・FP
を含めた総合的な判断が必要です。
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国際結婚×不動産の問題は、
早めの対策が“損を防ぐ最大のポイント”です。

よくあるケース:永住権がなく、妻名義でしか住宅ローンが組めなかった

ご相談いただいたのは、日本人の奥様とスペイン人のご主人、ご夫婦とお嬢様の3人家族。

・13年前に土地付き一戸建てを購入
・当時、ご主人には日本の永住権がなく、住宅ローンを組めなかった
・そのため、ローン契約も不動産の名義も「奥様お一人」
・実際の返済は、ご主人の口座から奥様の口座に資金を移して、一緒に返済してきた

現在、住宅ローンは残り約600万円。

あと数年で完済が見えてきたところで、奥様の永住権も取得済みです。

そこで出てきたのが、「本当は夫婦で買った家。でも名義が妻だけなのは、将来トラブルにならないのか?」

という不安でした。

「このまま妻名義で本当に大丈夫?」外国籍の夫が感じていた3つの不安

とくに不安を感じていたのは、ご主人です。

理由は大きく3つありました。

1.自分もローンを負担してきたのに、権利が書類に反映されていない

・感覚としては「夫婦で半分ずつ払ってきた家」
・しかし登記上は「妻が100%所有」となっている

2.娘の将来の配偶者との関係次第で、住まいが不安定になるかもしれない

・スペインでは、相続をきっかけに親族同士が揉める例を多く見てきた
・「娘がどんな相手と結婚するかわからない」という現実もあり、自分の住まいの権利を曖昧なままにしておくことに強い不安があった

3.自分が亡くなった後、海外の不動産や相続人の把握など、子どもに負担をかけたくない

・ご主人はスペインに不動産も持っており、日本とスペインにまたがる相続となる
・「書類を集めるだけでも大変な思いをさせてしまうのではないか」という懸念

一方、奥様はというと、

・自分の権利にはあまりこだわりはない
・最終的には「娘に渡れば良い」という感覚
・ただし、税金や手続きのコストは現実的に考えたい

というスタンスでした。

この問題は「家庭ごとに正解が異なる」ため、
・税理士
・司法書士
・FP
を含めた総合的な判断が必要です。
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国際結婚×不動産の問題は、
早めの対策が“損を防ぐ最大のポイント”です。

【結論】

妻名義の住宅ローンを夫が実質的に返済している場合、その支払いは「贈与」と判断される可能性があります。

特に、

・資金移動の記録がない
・負担割合が曖昧
・形式上は妻単独名義

このような場合、後から贈与税が課税されるケースもあるため、注意が必要です。

なぜ問題になるのか?

■ 名義:妻
■ 返済:夫婦(または夫が多く負担)

この場合、

「夫 → 妻へお金を渡している」

と見なされると、贈与税の対象になる可能性があります。

贈与税が発生する可能性があるケース

・夫が妻の口座へ返済資金を振り込んでいる
・負担割合の記録がない
・形式上は妻単独で購入している

贈与にならない可能性があるケース

・夫婦の共有財産として明確に管理している
・最初から共有名義にしている
・資金の流れが合理的に説明できる

※税務署は「形式」ではなく「実態」で判断します。

実際にあった相談ケース

・10年以上夫が返済していた
→ 税務上「贈与」と指摘

・名義変更せずに死亡
→ 配偶者が住めなくなるリスク

・何も対策せず相続
→ 親族トラブルに発展

こうしたケースは決して珍しくありません。

国際結婚の場合の注意点

・外国籍配偶者の在留資格によるローン制約
・相続時に「本国法」が適用される可能性
・贈与税の課税範囲が国籍・居住地で変わる

特に相続については、被相続人の本国法が適用されるケースもあり、日本人同士より複雑になります。 

ではどうすればいいのか?

主な対策は以下の3つです。

① 名義の整理(共有名義・持分調整)
② 委任関係の明確化(委任の終了)
③ 遺言書の作成

特に遺言を作成しておくことで、

・誰にどの割合で相続させるか
・配偶者の居住権を守る

といった対策が可能になります。

よくある失敗ケース

・「夫婦だから大丈夫」と思っていた
→ 贈与税が発生

・名義を変えないまま放置
→ 相続トラブル

・何も対策せずに死亡
→ 配偶者が住めなくなる

こうしたケースは実際に多く発生しています。

選択肢「委任の終了」で本来の持分に戻すという考え方

委任の終了とは何か

司法書士の先生がまず提案されたのが、「委任の終了」という考え方です。

住宅ローンを組んだ当時、ご主人は日本の金融機関から融資を受けられませんでした。

そこで、「本来は自分(夫)が借りるべきローンだったが、日本では借りられないため、妻に法的な手続きを委任した」という整理ができます。

そして、ローンを完済したタイミングで、「委任していた住宅ローンの返済という仕事が、無事に終了した」と考え、本来の資金負担の割合に応じて持分を戻す、という発想です。

例えば、

●実質的な資金負担が「夫婦で半々」であれば→ 妻:1/2、夫:1/2 の共有名義に変更する

という形がとれます。

実務上も、同じような事例で「委任の終了」を理由に持分移転が認められたケースがあり、今回のご夫婦もほぼ同タイプだったため、十分可能だろうという見立てでした。

関連記事
不動産の「委任の終了」とは?贈与税との関係をわかりやすく解説

かかる費用のイメージ(登録免許税・司法書士報酬)

名義変更にあたっては、

・法務局に支払う「登録免許税」
・司法書士への報酬

2種類の費用がかかります。

登録免許税は、

不動産の固定資産税評価額 × 2%(千分の20

が目安です。

たとえば、

・土地+建物の固定資産税評価額が合計6,000万円
・そのうち半分(3,000万円)を夫の持分として移転する

という場合、

3,000万円 × 2% = 約60万円

が登録免許税としてかかるイメージです。(実際には課税明細を確認の上で正確な額を算出します)。

これに加えて、司法書士の報酬が約10万円前後。

書類作成・登記申請・新しい権利証の回収・納品までを含んだ総額です。

税務署から見たときの注意点

ここで注意が必要なのが、税務署の見方です。

・法務局:出された書類に沿って形式的に処理する役所
・税務署:出された書類の「中身」や「実態」を疑う役所

です。

税務署からすると、

「本当は妻から夫への贈与なのに、税金を逃れるために委任の終了と称しているのでは?」

という疑いを持つ可能性があります。

その際に、

・実際に夫婦で資金負担していたことがわかる通帳
・住宅ローンや振込の記録

などを説明できると、税務署の納得も得やすくなります。

選択肢生前贈与で持分を移す場合のデメリット

もう一つのやり方は、シンプルに妻から夫へ持分を贈与する方法です。

この場合も、

・登録免許税(2%)
・司法書士報酬

は同じようにかかります。

さらに、

・夫が受け取る持分の価額から、年間110万円の基礎控除を超える部分に対して
・贈与税がかかります(高額の贈与ほど税率も高くなります)

不動産評価額が数千万円規模になることを考えると、贈与税の負担は相当なものになりやすく、現実的ではありません。

その意味で、「贈与で解決する」という選択肢は、税負担という面からは優先度が低いと言えます。

選択肢相続と遺言で整理するという発想

もう一つ、忘れてはいけないのが「相続+遺言」で整理する方法です。

遺言があると「誰に何が渡るか」が一気にクリアになる

奥様が遺言を作成し、

・自宅不動産のうち割を夫へ、割を娘へ
・預貯金は○○

といった形で指定しておけば、奥様が亡くなったとき、

・法律上の相続分よりも、実情・希望に沿った分け方
・ご主人の住まいや権利を守る配分

がしやすくなります。

遺言作成は、公証役場で作る「公正証書遺言」が基本で、

・司法書士報酬:約10万円
・公証人の手数料:10万円未満になることが多い

といったイメージです(財産規模によりますが、20万円以内に収まるケースが多いです)。

この問題は「家庭ごとに正解が異なる」ため、
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早めの対策が“損を防ぐ最大のポイント”です。

日本人配偶者と外国籍配偶者、それぞれの遺言のポイント

今回は、

・奥様(日本人):日本の公証役場で公正証書遺言を作ればOK
・ご主人(スペイン国籍):

・日本の公証役場で遺言を作れる場合もあれば

・スペインの公証役場や現地の弁護士と連携が必要な場合もある

という整理になりました。

特に、スペインの不動産は「現地の法律・実務」が強く影響するため、

・日本とスペインの協定関係
・スペインの相続ルール

を確認した上で、「どこでどういう形式の遺言を作るか」を決めていく必要があります。

ケースでわかった「やるべき順番」:名義変更より先に遺言を

今回のご夫婦のご相談を整理していく中で、見えてきた現実的な順番はこうです。

1.まずは奥様の遺言で「日本の財産の出口」を整える

・自宅・預貯金などを、夫・娘のどちらにどのような割合で渡すかを明文化
・ご主人の不安(自分の住まいの権利)を、ある程度遺言でカバーする

2.ご主人の遺言も、日本・スペイン両方の財産を含めて検討する

・日本側で作れるか、スペイン側で必要かを司法書士と現地専門家に確認

3.住宅ローン完済後、「委任の終了による持分移転」を再検討する

・固定資産税評価額を確認し、
・登録免許税(2%)
・司法書士報酬

を合計した“トータルコスト”を算出

・「数十万円のコストを払ってでも、夫に1/2の持分を明示しておきたいか」
を、ご夫婦で改めて話し合う

4.生前贈与で娘に持分を移す案は、税負担が重いため基本的には避ける

・娘さんへの承継は「相続+遺言」で考える方が、税金面では有利

保険・資産全体もセットで見直すのがおすすめ

今回の面談の最後に、奥様からこんな一言がありました。

「保険も安心感だけで入ったまま、ずっとほったらかしなんです」

実はこうしたご家庭、非常に多いです。

・昔、営業担当者に勧められるまま加入した
・今の家族構成や資産状況に合っているかはよくわからない
・最近「管理会社が変わりました」という案内が来て、不安になっている

せっかく相続・名義・遺言を整理するなら、

・生命保険
・積立系の保険
・海外資産とのバランス

も含めて「家族の資産全体」を一度棚卸しするのが理想です。

関連記事
不動産の「委任の終了」とは?贈与税との関係をわかりやすく解説

まとめ|国際結婚とマイホーム、「なんとなく放置」が一番リスク

外国籍の配偶者とマイホームを持っているご家庭では、

・住宅ローンは日本人配偶者名義
・実際の返済は夫婦で負担
・名義や相続のことは、「いつか考えないと」と思いながら先送り

というケースが本当に多く見られます。

今回の事例から言えることは、

・いきなり名義変更に走る必要はない
・まずは「遺言」で財産の出口を整える
・そのうえで、ローン完済後に「委任の終了」による持分移転を費用対効果を見ながら検討する
・生前贈与でまとめて動かすのは、税金面では不利になりやすい

ということです。

「今は問題なく暮らせているから」「うちは家族仲がいいから」と何も手を打たないことこそ、将来のリスクになりがちです。

・国際結婚
・外国籍の配偶者
・海外の不動産
・日本のマイホームと住宅ローン

こうしたキーワードのどれかが当てはまる方は、一度ご家族の状況を整理してみてください。

この問題は「家庭ごとに正解が異なる」ため、
・税理士
・司法書士
・FP
を含めた総合的な判断が必要です。
\ 無料相談受付中 /
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国際結婚×不動産の問題は、
早めの対策が“損を防ぐ最大のポイント”です。

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