円と米ドルの関係をわかりやすく簡単解説|円安はいつまで続くのか?
日本の通貨「円」とアメリカ通貨の「米ドル」は、とても身近なつながりがあります。
米ドルは世界の基軸通貨ともいわれ各国通貨の価値基準となる通貨のことを言い、通貨の異なる国際間での決済手段は主に米ドルが用いられております。
そして今、ドル円の為替レートが大きく変動していることで、今後の為替レートについて、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、現在の為替レートや過去の変動についてご紹介しつつ、為替レートが変動する要因についてわかりやすくまとめた記事になります。
目次
米ドル/円の現在の為替レートを把握
為替レートは2021年から緩やかに進んでおり、115円スタートだったのが2022年9月には140円台を更新しています。
今後も日米の金利差は開いていくことが予想されており、今後も為替レートの動きに注目が集まることでしょう。
これは、日本とアメリカの金融政策の違いが影響しているとされています。
日本銀行は政策金利を−0.10%に据え置く「超低金利政策」を維持したのに対して、アメリカでは、FRB(連邦準備制度理事会)によって急激に金利が引き上げられています。
これは、コロナ後の超低金利で経済が過熱してインフレが起こっていることが原因とされています。
米ドル/円が変動する要因とは?
●景気・貿易の動向
●経済指標の発表や要人の発言
●各国の政策金利
●地政学的なリスク
為替レートが変動する具体的な要因としては、上記の内容が関係していると考えられます。それぞれ詳しくみていきましょう。
景気・貿易の動向
当然ですが、景気や貿易の動向によって為替レートは常に変動しています。
一般的には、好景気の場合にその国の通貨は購入されやすく、かつ為替レートが高くなる傾向があります。とはいえ、例えば日本が好景気の場合でも、日本企業などが円をドルに換えることもあるため、その場合は一時的に円安になることもあるため覚えておくといいでしょう。
経済指標の発表や要人の発言
経済指標の発表や要人の発言によっても、為替レートは変動します。
特に経済指標の発表は、景気の動向を大きく左右しています。一般的に市場はある程度予想して動いていますが、予想と異なる経済指標が発表されることもあるでしょう。
そうした場合は、為替相場が大きく変動するでしょう。
発表される経済指標には、下記のような内容があります。
●米国雇用統計
●消費者物価指数(CPI)
●国内総生産(GDP)
●各国の政策金利(FOMCを含む)
各国の政策金利
各国の政策金利によっても、為替レートは変動します。
政策金利とは中央銀行(日本の場合「日本銀行」)が金融政策として定めている金利のことで、中央銀行から一般銀行への貸付に定められています。
一般的には好景気によるインフレの場合、政策金利を引き上げて経済の過熱を抑えています。
逆に不景気によるデフレの場合は、政策金利を引き下げて経済を刺激する役割を果たしているのです。
昨今の場合、日本とアメリカの政策金利の差は拡大しています。2022年9月では、日本の政策金利が−0.10%に対してアメリカの政策金利は3.0〜3.25%です。
出典:ニッセイ基礎研究所
これに伴い、日本円などの通貨を米ドルに変換する人が増えたため、急激なドル高円安の状況に陥ったと考えていいでしょう。
地政学的なリスク
地政学的なリスクによっても、為替レートは変動しています。
地政学的なリスクとは、特定地域が抱えている政治的な軍事的なトラブルによって、世界経済に大きな影響を与えるおそれがあるリスクのことです。
昨今、最もイメージしやすいのが2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻ではないでしょうか。
このことにより、小麦輸出国であるウクライナが侵攻されたことによって、小麦価格が上昇しています。
先述した「政策金利」や「景気」の動向などはある程度予測を立てることができますが、地政学的なリスクや要人の発言などについては、予測が困難となります。
どうなる?米ドル・円の今後の見通し
それでは、今後の米ドル・円の見通しについて予測をしていきましょう。
その前に、過去の為替レートがどのように変動してきたのかチェックをしていきます。過去10年間の変動をまとめていますので、参考にしてみてください。
米ドルの動向
米ドルの動向に最も影響を及ぼしているのは、「政策金利」の動向だと言えます。
アメリカの政策金利は、FRB(連邦制度理事会)によって決定されています。アメリカの政策金利は上昇しており、誘導目標は過去15年で最高水準の3%〜3.25%になっています。
政策金利が3%を超えるのは2008年初頭依頼で、今後も上がり続けると予想されています。
とはいえ、インフレが収まったあとによる金利上昇を緩めた場合に、ドル安円高に転じる可能性があることも捨てきれません。
円の動向
日本の場合、「アベノミクス」による経済対策での超低金利から、その後に日本銀行が導入したマイナス金利によって金利は低い状態が続いています。
2022年現在でも低金利の状態が続いており、日本銀行は金融緩和を続ける姿勢を示しているためこの先も状況が続くと考えられます。従って、アメリカに対して円安が続くことが基本となるでしょう。
日本でもアメリカやヨーロッパのようなインフレが発生した場合は、低金利の姿勢を転換させると考えられます。その場合は円高ドル安になる可能性がありますが、現時点でインフレが起こる可能性は低いと考えられるでしょう。
各地地政学の動向
先述したとおり、地政学的な要因によって世界経済に大きな影響を与えることがあります。しかし、これは予想しづらいことは先述した通りです。
連日報道されているロシアによるウクライナ侵攻や、中国政府による「ゼロコロナ政策」による物流の動きの停止などは、世界経済に大きな影響を与えていることは事実です。
そのため、これらのリスクに対処するためにも日頃から素早い情報収集は欠かせません。また、資産運用を行う際には低コストで運用できる運用先を探すことも必要不可欠と言えるでしょう。
まとめ
米ドル・円の為替レートは、今後注目しておきたいところです。
特にドル円の組み合わせは、世界で2番目に取引量が多い通貨ペアとなっています。
2022年10月には、148円台を突破した米ドルで、今後も円との差は拡大していくと予測することができるでしょう。
為替相場はさまざまな要因によって動向が変わっていくため、あらゆる面にアンテナを貼り、情報収集をしておくことが大切です。
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