国債の利回りの仕組みを紹介!日本国債と米国国債と比べてわかりやすく解説いたします。
リスクが比較的少ない投資として、「国債」の購入を検討している方も少なくはありません。しかしリスクが少ないといっても、実際に利回りや国債の仕組みについて理解せずに投資をしようとする人はとても多いです。
そこでこの記事では、国債が発行される仕組みや個人で国債を購入することのメリット・デメリットなどについて、これから投資を始める初心者でもわかりやすいようにまとめていこうと思います。
国債の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
国債は国が発行する債券
国債とは、国が発行する債券のことです。
もう少し具体的に解説すると、債券は資金を借入する際に発行される有価証券で、借用証書でもあることを覚えておくといいでしょう。
大きく分けると「普通国債」と「財政投融資特別会計国債(財投債)」に区分されます。とはいえ両者は一体として発行されており、金融商品としては全く同じものになります。
また、最近は発行される団体によって呼び方が異なる点が特徴です。
●地方公共団体が発行する債券:地方債
●企業が発行する債券:社債
国は社会保障の整備やインフラ整備などに税金を使っていますが、もしそれらの財政支出が低収入で賄えなくなると、国は国債を発行することでお金を募ります。
つまり「国債=国の借金」というイメージが浸透しているとおり、国は国債を発行することで投資家からお金を借りていることになるのです。
投資家も、国債を購入することで得られるリターンに同意した上で購入をします。
国債を購入した投資家は満期まで国債を保有することで、初期に投資をした「元本」と「利子」を受け取ることができるという仕組みです。
国債が発行される仕組みについて
より細かく、国債が発行される仕組みについて解説していきます。
国は財政支出の不足分を国債からの収入で賄っており、先述したとおり国債を通じて投資家からお金を借り入れています。
投資家はその間、一定の利子を受け取ることができます。また満期になったら、借入金と利子を受け取ることが可能です。
満期は国債の種類によって異なりますが、基本的に個人向けの債権であれば、「3年債」「5年債」「10年債」に分かれています。
2003年から始まった「振替決済制度」によってペーパーレス化が進み、今では電子取引を行うことで簡単に国債を取引できるようになりました。
それまで国債は用紙に券面を印刷して発行されていたため、効率的に取引できるようになったと言ってもいいでしょう。
国債の利回りをチェックしよう
それでは、国債の利回りについて解説していきます。利回りとは投資金額に対する利益の割合のことで、投資家は利回りのいい金融商品を購入することで、利益を生み出します。
「利率」という似たような言葉もありますが、これは額面の金額に対して毎年受け取れる利子の割合を指しています。
利回りは「収益の合計+運用年数÷投資金額×100」という式で計算することができるため、覚えておくといいでしょう。
国債は国が発行しているため、安定した利回りで運用できるのがポイントです。国家が破綻でもしない限り、満期日には必ずリターンが受けられる金融商品です。その反面で、利回り自体は低く設定されているため、 大きなリターンを期待する人には向いていないでしょう。
日本国債10年(20222年10月現在)
メジャーである日本国債10年の利回りをチェックしていきます。
利回りは、0.250%前後となっています。
定額預金でお金を預けるよりも大きなメリットがあると言えるでしょう。定額金利の場合、メガバンクでは0.01%ほどの金利しかありません。そのため、国債を購入した方が高い金利で資産運用できることが魅力です。
米国国債10年(20222年10月現在)
続いて、米国国債10年の利回りについてご紹介します。
2022年10月時点での利回りは、およそ4.220%です。日本国債の利回りと比較しても、非常に高いことが分かります。
現在アメリカの政策金利は上昇しており、3%を超えています。これは2008年以来のことで、今後も上がり続けると予想されています。
国債を購入するメリット
●安全性が高い
●少額投資ができる
●譲渡や相続が可能
国債を購入するメリットは上記のとおりです。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。
安全性が高い
国債は国が発行しているため、他の金融商品よりも圧倒的に安全性が高いことが特徴です。安全性とは、元本割れが起こるリスクのことを指しています。
元本割れが起きてしまうと、金融商品の価格が変動した際に投資金額(元手)よりも価格が下がる恐れがあります。そのため投資した金額よりも受け取れるリターンが下がってしまう可能性があるため、結果としてマイナスとなるリスクがあります。
しかし国債は財政破綻しない限り、元本割れのリスクは限りなく少ないと言えます。とはいえ、途中売却すると元本割れする可能性があることには、注意が必要でしょう。
少額投資ができる
個人向け国債は、購入最低額面金額が1万円です。 1万円単位で購入することができて、購入金額に上限はありません。
サラリーマンでも十分に手が出せる範囲なので、投資のハードルが低いことがメリットとなります。
安定しており少額から投資できる国債は、投資初心者でもおすすめと言えるでしょう。
譲渡や相続が可能
個人向け国債は、有価証券として譲渡や相続をすることができます。さらに、購入金額と同様1万円から可能で、もしも保有者が死亡した場合は相続人の口座に移管できるという特徴があります。
とはいえ個人向け国債であるため、個人間での譲渡や相続に限られることを抑えておきましょう。
国債を購入するデメリット
●すぐに換金できない
●大きな利益はあまり見込めない
国債を購入するとき、上記のようなデメリットがあります。
あまり大きなデメリットではないかもしれないですが、それぞれ詳しく解説していきます。
すぐに換金できない
個人向け国債はすぐに換金することができず、発行から1年経過しないと売却することができない点に注意が必要です。 1年経過すれば、原則としていつでも、口座を開設している取扱機関で一部又は全部を中途換金することができます。
また、満期まで保有していた場合は額面で元本が償還されますが、途中換金する場合は元本割れするリスクがあることも覚えておかなければいけません。
基本的に長期保有を目的とする金融商品のため、換金時期についてあらかじめ決めておくことが大切です。
大きな利益はあまり見込めない
株式投資などとは違い、国債は元本割れのリスクが少ない反面、金利が低くて大きなリターンは期待できません。
そのため少ない資金で投資をしても、将来的な利益は少ないのです。例えば100万円分の国債を購入したとしても、先述したとおり0.250%の利率だと、1年間の利息は250円(税引き前)です。
投資をしてリターンを期待するとなると、この収益性は高いとは言えません。
国債を購入する方法
国債を購入したい場合、ほとんどの金融機関で取り扱っているため購入はしやすいでしょう。
金融機関の店頭やWeb上で申し込むことも可能なので、利用する金融機関や証券講座などをチェックしておくのがおすすめです。また、どの証券会社を利用するにかによって、手数料や受けられるキャンペーンなども変わります。
キャンペーンを定期的に行っているところを選ぶと、お得に投資をすることができるでしょう。
国債を購入できるところを下記にまとめてみましたので、チェックしてみてください。
●郵便局
●都市銀行
●地方銀行
●証券会社
●信用金庫
●農業協同組合など
まとめ
2022年10月現在の日本国債の利回りは0.250%前後と、金融機関の定期預金などと比較すると高いものの、投資を行う上ではあまり大きなリターンは期待できません。
しかし、個人向け国債は1万円からと安く購入ができ、元本割れのリスクが非常に低いことが特徴です。そのため安全に投資を行う上では、利用しておきたい金融商品となっています。
投資初心者で「リスクは極力少ない方がいい」という方には、非常におすすめできるでしょう。
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