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2023.02.22

個人年金保険とiDeCo加入するならどっち?それぞれの違いと特徴をプロが解説

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著者情報 森 逸行 FP歴15年 経験した事を伝え解決に導く『金融パーソナルトレーナー』

個人年金保険とiDeCo

高齢社会となっている現在の日本では、老後の生活に不安を抱く人がいる事でしょう。

自身の健康状態はもちろんのことですが、現役時代よりも収入が減る方が多くいるはずです。

その中で生活費の柱になる年金について不足するという話を聞いた事があると思います。

その年金・生活費が不足するという事態に対して有効になるのが、各保険会社が販売している個人年金保険と日本政府が税金面での優遇が魅力な私的年金制度iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)です。

しかしどちらも商品内容や制度が複雑で少々加入するにあたって敷居を高く感じるかもしれません。

そこで本記事では、個人年金保険とiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の違いやそれぞれの特徴、メリットやデメリットを紹介します。

この記事を読むことで以下のことがわかります

・個人年金保険とiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の違い

・個人年金保険の特徴、メリットやデメリット

・iDeCoの特徴、メリットやデメリット

・自分の生活状況に合わせた自分年金づくりができる

・掛け金に余裕がるなら両者を併用も

個人年金保険とiDeCoについて興味をお持ちの方や、どちらに加入すればわからない方、両者に加入することを検討している方は、非常に参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

個人年金保険とiDeCo(イデコ)の違いについて

 個人年金保険とiDeCoは、自分自身で老後生活に向けた私的年金を形成するという意味では共通していますが、それぞれ運営元や商品の特徴が異なります。

具体的には、個人年金保険は民間の生命保険会社が運営しており、各会社ごとに年金の受け取り期間や、年金額などの商品内容や保険料に違いがあります。

iDeCoは証券会社の口座を開くことで、自分自身で運用内容を設定する投資商品になります。

また税金面での優遇が大きい事が特徴になります。

このように、両者にはそれぞれ違いがあり、しっかり特徴を抑えて加入する必要があります。

個人年金保険とは?

個人年金保険とは、保険料を一定期間払い込み、受け取り開始年齢・時期になると、一定期間または終身にわたり年金を受け取ることができる保険商品です。

保険料の支払い方法や年金の受け取り方法、年金の受取金額などをある程度、加入者が設計でき自由度が高いのが特徴です。

これらのような商品内容が各保険会社ごとに異なるので加入の際は、自分でも商品内容をよく確認し、必要時専門家や家族に相談してから加入するようにしましょう。

個人年金保険の保障について

保険料を60歳や65歳まで払い込むことで、年金形式もしくは一時金として受け取ることができます。

主には3種類あり以下のような商品があります。

・確定年金

 年金受取期間は10や15年など一定期間で遺族も受け取れる

・有期年金

 年金受取期間は10や15年など一定期間で遺族はうけとれない

(保証期間が設定されていれば、一部期間受け取れる場合もあり)

・終身年金

 生存中は受け取れる、遺族はうけとれない

(保証期間が設定されていれば、一部期間受け取れる場合もあり)

個人年金保険のメリット

個人年金保険のメリットを見ていきましょう。

①商品内容がシンプルで安定したつみたてが可能

商品内容がシンプルで、iDeCoと比較するとなおのことです。

先ほど紹介したように3種類に分類され、受取金額や受け取り形式を選べ、安定したつみたてができますので、計画的に老後資金を築けるメリットがあります。

②途中解約が可能

個人年金保険は途中解約が可能です。(iDeCoは条件が厳しい)生活状況が急変し保険料の支払いが難しくなった場合など、柔軟に対応できるメリットがあります。

③所得税・住民税が軽減される

個人年金保険料控除を受けられ、払い込んだ保険料に対して、要件を満たしていれば年間最大4万円の所得控除を受けられるメリットがあります。

個人年金保険のデメリット

 つづいて個人年金保険のデメリットを紹介します。

・インフレに弱い

個人年金保険は契約時に受け取れる金額が決まるため、物価が継続して上昇するインフレには弱い傾向にあります。受取開始時期に物価が上昇しており、契約当初よりも余裕の生活にならない可能生があります。

・早期解約・早期死亡による元本割れ

早期解約してしまった場合は、解約控除などの費用が発生することが多く、解約返戻金が既払込保険料を下回る可能性があります。死亡してしまった場合も支払った保険料が受取額を下回る可能性があるのでこの点は注意が必要です。

・節税効果はiDeCoよりも小さい

iDeCoと比較した場合、節税効果が小さいです。所得が大きいのであれば個人年金保険の節税効果は恩恵が少ないです。

個人年金保険の加入方法

加入方法は大きく二つあります。複数社を取り扱っている、乗合代理店の窓口で加入する方法、各保険会社の外交員を通して加入する方法です。

乗合代理店では複数商品を比較・検討できるので、自分に合った商品を選択しやすいかもしれません。

外交員は自社商品しか取り扱っていないものの、商品知識は深く親身に相談に乗ってくれることが期待できるので、それぞれ有効だと感じた方法で加入しましょう。

ただし、いずれの方法でも自分のニーズを明確に伝え、しっかり納得できる様にしてください。

決して安い商品ではなく、給付される金額も小さくない為です。 

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは

 iDeCo(確定拠出年金)とは確定拠出型年金法に基づいて実施されている、公的年金とは別に給付を受けられる制度です。

公的年金と異なり、自分で加入し、自分で掛け金を拠出し運用します。

そのため、投資の知識が必要になります。税制の優遇が大きく、老後の資産形成に向け非常に有効な制度です。

公的年金と組み合わせれば老後の収入の柱として大活躍してくれます。

数回制度が改正され、現在ではほぼすべての人が加入できるようになっています。

私的年金制度

 iDeCoは確定拠出年金制度に属する、私的年金制度になります。

私的年金制度とは、公的年金の上乗せ給付を保障する制度で他にも、確定給付型企業年金制度、厚生年金基金制度、国民年金基金制度などがあります。

iDeCoの掛け金はこれらの制度の利用の有無で若干金額が変わってきますので、自分の勤める会社に確認することも重要です。

個人事業主の方であれば、これらの制度と併用することもできますが、iDeCoの掛け金が小さくなることがあります。

iDeCo(イデコ)のメリット

メリットを紹介していきます。

・多大な節税効果

掛け金が全額所得控除され、その年の課税所得から差し引かれます。そのため、住民税や所得税が軽減され、年末調整や確定申告にて還付金が発生することがあります。

運用益もすべて非課税になり、通常運用で得た利益には20.315%税金がかかりますが、iDeCoはかかりません。

60歳以降に受け取るときにも大きな控除が受けられます。全額を一度に受け取った際には退職所得控除が、年金形式で受け取る際には公的年金控除が受けられます。

・インフレに強い

iDeCoは自分自身で運用商品を設定できますので、金融市場の投稿を見ながら運用できます。そのため、個人年金保険と比べてインフレに強いというメリットがあります。

iDeCo(イデコ)のデメリット

ここからはiDeCoのデメリットをみていきましょう。

・中途解約が難しい

iDeCoは中途解約の要件が複数あり、いずれも非常に厳しいです。そのため生活状況が変わり、急遽、掛け金の拠出が難しくなった場合や、まとまった大きなお金が必要になっても、自由に引き出すことが困難です。

・手数料がかかる

金融機関によって異なりますが、運用している間は毎月手数料が発生します。投資期間が長期になりますので、ランニングコストとしては見逃せない部分です。

・元本割れリスク

金融商品では常に価値が変動し、選んだ商品によっては支払った金額を下回る元本割れが発生する可能性があります。運用結果は自己責任になりますので、投資の知識が必要になります。

iDeCo(イデコ)の加入方法

iDeCoに加入するには、先ず利用したい金融機関・証券会社を選び、申し込みをします。

そのうえで必要書類を準備・記載し、利用先、勤務先などに提出します。

運営機関ごとに運用商品や手数料が異なるので、事前学習・下調べは非常に重要になってきます。

使用しているクレジットカードがあるなら、ポイントと紐づけできる会社がおすすめです。

口座が開設したら、商品を選択し、運用を開始しましょう。投資は自己責任になりますので、しっかり勉強し商品を選択しましょう。

商品には投資信託や株式、債券、生命保険など多岐にわたります。途中解約できないので、掛け金を慎重に決めてください。

一定の金額を、一定期間預けると、あらかじめ決められた金利で運用される預貯金も選択できます。

運用を開始したら、定期的に運用成績を確認しましょう。

特徴を抑えた選択を

 ここまで紹介してきたことを踏まえ、どの様な選択をすればよいか例を挙げていきましょう。

個人年金保険に向いている方は、商品の勉強に手間を掛けたくない人や、健康状態・生活状況によって解約も視野に入れたい人になります。

iDeCoと比較してシンプルな商品ですから、自由度を優先したいなら個人年金保険が優先的な選択になるでしょう。

iDeCoは税金面での恩恵を受けたい人がおすすめになります。

若年からiDeCoを利用していれば、積み重ねによる節税効果は年々大きくなります。長期間利用していれば元本割れリスクも小さくなります。

 理想的な選択・加入方法は両者とも加入する事です。

具体的にはiDeCoの掛け金を満額、個人年金保険も保険料に余裕がある限り掛けることです。

そうすることで、iDeCoによる先ほど紹介した各種控除、個人年金保険による生命保険料控除を併用し、多大な控除を受けつつ老後資金を大きく築くことができるからです。

 まとめ

 個人年金保険とiDeCoの違いとそれぞれの特徴、メリット・デメリットを紹介してきました。

そのうえで、自分の状況に合わせて、どちらに、どのように加入をすればよいのか、お分かりいただけたと思います。

どちらも老後の資産を豊かにする非常に優れたものです。理想はどちらも加入し最大限メリットを享受する事ですが、掛け金・保険料の支払いには限度がある方もいると思います。

今回紹介したことを参考にしつつ、ご自身の生活状況をしっかり踏まえたうえで、 個人年金保険とiDeCoへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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