自動車保険の年齢条件は?保険料の相場は?1日保険はある?等級とは?年末調整の対象?をプロが解説いたします。
自動車は、いまや日本国民にとって欠かせないインフラとなっています。
都心部であれば鉄道網が発達しており、自動車がなくても生活に困らないかもしれません。
しかし地方では、自動車がないと生活ができないという地域があるのも事実です。
自動車事故の面でも、昨今では事故の件数自体は減少傾向にあるものの、自動車を運転するうえで、事故は決して無視することはできない問題です。
今回の記事では、自動車を運転するうえで欠かせない自動車保険について考察します。
今回は特に等級や年齢条件など、自動車保険特有のわかりにくい分野にスポットライトを当ててみたいと思います。
目次
質問:レンタカーで自動車保険で1日保険はありますか?どれぐらいの保険料が相場ですか?
レジャー目的でレンタカーを借りる予定です。
もちろん安全運転を心がけますが、いざという時の為に自動車保険に加入をしておかねばならないなと思っています。レンタカーを頻繁に借りないので知識も乏しく慣れていません。
友達も一緒に乗せるので嫌な思い出は作りたくありません。
自動車保険で1日保険はありますか?どれぐらいの保険料が相場ですか?
回答①:1日(24時間)単位で加入できる自動車保険はあります。
1日(24時間)単位で加入できる自動車保険はあります。どこの保険会社取り扱いの保険商品でも、補償内容はあらかじめ用意された2~3種類程度から選ぶ形式になっております。(1年更新型のように、細かく補償内容を設定することはできません)。
手続きもスマホで簡単にできるもので、レジャー目的で出かける前に手続きしておくというやり方もできます。保険料はベーシックな補償内容のもので1,000円未満から用意している保険会社もあります。
ただし、注意が必要な点もあります。契約者自身もしくはその配偶者が実態として所有している自動車は契約できないという点です。
なお契約ができない場合というのは、保険会社ごとに取り扱いが異なりますので、契約前に必ず確認をしておきましょう。
【参考】1DAY保険(ワンデイ保険)|個人のお客さま|三井住友海上 (ms-ins.com)
回答②:保険会社各社は1日自動車保険を発売しています。
ここ最近は気温も安定してきて、レジャーに出かける人も多くなってきました。
車で出かけるような場合、事故が心配になりますよね。
マイカー所有者であれば自動車保険はある程度当たり前に加入しているものの、レンタカーや友人・知人から車を借りるような場合、補償内容が心配になるのではないでしょうか。
このような場合を想定し、保険会社各社は1日自動車保険を発売しています。
例として、東京海上日動のちょいのり保険(1日自動車保険)の補償概要を説明します。
相手方に対する賠償補償(対人賠償責任保険・対物賠償責任保険)は補償されており、ご自身のケガの補償(搭乗者傷害特約)もカバーされています。さらに、任意選択になりますが、弁護士費用特約や借用自動車の復旧費用補償特約も付帯することができます。借用自動車の補償に関しては、友人・知人から借りた自動車で事故を起こしてしまったケース等、非常に重宝する特約になります。
【参考サイト:ちょいのり保険(1日自動車保険) 東京海上日動】
ちょいのり保険(1日自動車保険) スマホ・コンビニで簡単!800円から! | 東京海上日動火災保険 (tokiomarine-nichido.co.jp)
加入手続きも非常に手軽で、スマホがあれば簡単に契約手続きを完了することができます。
具体的には、以下のステップを経て契約成立します。
ステップ1:運転者本人の情報の事前登録
利用申し込みサイトに、名前、住所、連絡先、免許証情報等を入力します。
ステップ2:利用申し込み
借りる車のナンバー(登録番号または車両番号)が必要になります。
ステップ3:契約確定
【参考サイト:ちょいのり保険(1日自動車保険)ご利用方法 東京海上日動】
ご利用方法 | ちょいのり保険(1日自動車保険) | 東京海上日動火災保険 (tokiomarine-nichido.co.jp)
事故時、事故後のトラブルを回避すべく、レンタカーご利用の際はレンタカー会社に補償内容をよく確認し、1日自動車保険の加入をしっかり検討しましょう。
特に友人・知人から車を借りるような場合には、事故後の人間関係の悪化にもつながりかねません。このような場合には1日自動車保険にしっかり加入しておきましょう。
質問:自動車保険の見積もりの際に必要な情報は何ですか?
この度、マイカーを購入することとなりました。
昔から憧れていた車種を手に入れる事が出来て非常に嬉しい気持ちでいっぱいです。
この愛車を大切にしていこうと思います。もちろん、自動車保険にも加入する予定です。
自動車保険の見積もりの際に必要な情報は何ですか?
抜け漏れのないようあらかじめ準備をしておきたいので教えて下さい。
回答①:免許証と車検証にすべて記載されています。
任意の自動車保険の見積もりに必要な情報は、免許証と車検証にすべて記載されています。
ただマイカーを購入するような場合、車検証は納車と同時に渡すという取り扱いをする販売店もあるでしょう。
そこで、自動車保険の見積もりに必要な、車検証記載の情報を記載します。
・車台番号・・・すべての車両に対して国土交通省が付与する番号です。いわゆるマイナンバーのようなもので他の車両と重複することはありません。
・車両型式・・・国土交通省が構造・性能等が同一の車両に対して指定する分類上の指標です。
・自動車登録番号・・・ナンバープレートに記載される数字です。
上記の情報がわかれば、おおよその保険料は試算することができます。
あとは自動車の使用目的(通勤に使用するのか、レジャー目的のみの使用か等)と補償内容によって保険料は変わってきますので、よく検討を重ねてみましょう。
待ちに待った憧れの自動車の購入であること、自動車事故は事故イコール大怪我もしくは万が一の事態に直結する危険があること、この2点を充分に吟味して、充実した補償内容で検討することをお勧めします。
回答②:自動車保険の見積もりに必要な、車検証記載の情報を下記にご案内します。
ネット型自動車保険の見積計算をしたことがある方なら、だれでも入力項目の多さに驚くことでしょう。
実は、任意の自動車保険の見積もりに必要な情報は、すべて運転免許証と車検証に記載されているのです。
ただ自動車の販売店によっては、車検証を渡すのは納車日と同日というところもあるでしょう。
そこで、自動車保険の見積もりに必要な、車検証記載の情報を下記にご案内します。
車検証ができていない状態で自動車の見積もり計算をする際には、販売店に下記の情報を教えてもらうと良いです。
・車両型式・・・国土交通省が構造・性能等が同一の車両に対して指定する分類上の指標です。
・自動車登録番号・・・ナンバープレートに記載される数字です。
上記の情報がわかれば、おおよその保険料は試算することができます。
その他の要素として、自動車の使用目的(通勤に使用するのか、レジャー目的のみの使用か等)と補償内容によって保険料は変わります。
よく検討の上、しっかりした補償を付保するようにしましょう。
質問:自動車保険の年齢条件はどのようなものでしょうか?
自動車保険に加入する際、年齢条件はどのようなものでしょうか?年齢条件の影響範囲はどこまでですか?
大学生である息子が自動車免許を取得して、私自身、長年使っていた車を手放してファミリーカーを新調しました。息子は運転する気満々です。
この新車を私だけでなく息子にも運転させたいなと思っていますのでご教授願います。
回答:「全年齢補償」「21歳以上補償」「26歳以上補償」「35歳以上補償」の取り扱い
自動車保険には「運転者年齢条件特約」というものがあります。
保険会社ごとに設定する年齢に差はあるものの、おおむね「全年齢補償」、「21歳以上補償」、「26歳以上補償」、「35歳以上補償」の取り扱いが多いです。
保険料は「全年齢補償」が一番高く、35歳以上補償が一番安くなっております。
保険会社目線の話をすると、事故の多い10代、20代が運転者の場合は保険料を高く設定して、比較的運転に慣れてきた30代、40代が運転するなら保険料は安くしようという思惑があるのでしょう。
「運転者年齢条件特約」を設定した場合、その年齢条件を満たす人が運転中の事故に限り補償対象となります。
ただし、本人・配偶者・同居の親族以外が運転者の場合は、年齢条件の影響を受けません(設定した年齢条件にかかわらず、全年齢補償対象となります)。
運転する可能性のある一番若い人を基準に年齢条件を検討するのが良いでしょう。
回答:「全年齢補償」、「21歳以上補償」、「26歳以上補償」、「35歳以上補償」の年齢の範囲
自動車保険には「運転者年齢条件特約」というものがあります。
「全年齢補償」
「21歳以上補償」
「26歳以上補償」
「35歳以上補償」
「全年齢補償」、「21歳以上補償」、「26歳以上補償」、「35歳以上補償」のように、年齢の範囲ごとに分類されています。保険料は「全年齢補償」が一番高く、35歳以上補償が一番安くなります。
比較的事故率の高く、事故件数の多い10代、20代が運転者の場合は、高い保険料を設定し、逆に比較的事故率の低い30代、40代ドライバーの保険料は安く設定することで、支払う保険金と徴収する保険料のバランスを保っています。
「運転者年齢条件特約」を設定すると、その年齢条件を満たす人が運転中の事故に限り補償対象となります。
ただし、本人・配偶者・同居の親族以外が運転者の場合は、年齢条件の影響を受けません(設定した年齢条件にかかわらず、全年齢補償対象となります)。運転する可能性のある一番若い人を基準に年齢条件を検討するのが正しいリスクの考え方です。
質問:自動車保険の「等級」とはどのようなものですか?
自動車保険の加入を検討中です。
初めての自動車購入なので自動車保険がどのようなものかもよく分かっていません。
インターネットで調べたり、取り寄せた資料を読み進めていると「等級」というものが出てきました。
自動車保険の「等級」とはどのようなものですか?自分で選択出来るようなランクで保険料や保障内容に影響するものなのでしょうか?
回答:起こした事故に基づく保険金請求の内容や回数に応じて、等級を設定しています。
自動車保険では、運転者のこれまでの運転歴において起こした事故に基づく保険金請求の内容や回数に応じて、等級を設定しています。これを「ノンフリート等級別料率制度」といいます。
1等級から20等級までの設定があり、20等級に近づくほど保険料の割引率は高くなるという仕組みです。
なお、初めて自動車保険に加入する人は6等級からのスタートし、加入後1年間で1度も保険金請求が無ければ等級は1ずつ進みます。
※決して自分で選択できるという性質のものではありません。
一方で、事故に基づき保険金請求をすると、その内容に応じて次回の保険契約更新後は等級がダウンします(請求内容によってはしない場合もあります)。
事故の内容に応じた等級の取り扱いは主に次の3通りとなります。
「ノーカウント事故(この場合、等級は下がりません)」・・・人身傷害保険事故、弁護士費用特約、個人万象責任特約事故など。
「1等級ダウン事故」・・・契約自動車へのいたずらや盗難で、車両保険のみが支払われる事故など。
「3等級ダウン事故」・・・「ノーカウント事故」、「1等級ダウン事故」に該当しないもの。
ここで、保険金請求後の等級を考えるうえで注意すべき点を説明します。
事故有係数適用期間というものが適用され、その期間中は、本来のノンフリート等級に適用される割引率とは別の割引率が適用されるという点です。
たとえば同じ10等級の割引率でも無事故の場合は46%が適用されるが、事故有の場合は19%の割引にしかならないのです。(参考:損保ジャパン社:個人用自動車保険の割増引率による)
なお、事故有係数適用期間は「3等級ダウン事故」1回につき次年度3年間、「1等級ダウン事故」1回につき次年度1年間の適用となり、最長でも6年間の適用です。
自動車保険の請求にあたっては、このあたりの仕組みも考慮すべきであり、軽微な事故であれば、あえて保険金請求しないというのも重要な選択となります。ぜひ参考にしてください。
質問:自動車保険も年末調整で生命保険料控除のように控除を受けられますか?
マイカーを持っており、自動車保険に加入しています。
自動車を保有していると自動車保険だけでなく駐車場代、ガソリン代、メンテナンス代と様々な費用がかさみます。少しでもどこか削れる部分があると嬉しいです。
田舎在住なので、車を手放すという選択肢はありません。年末調整で自動車保険は生命保険料控除のように控除を受けられますか?
回答:自動車保険の保険料は基本的に年末調整の保険料控除の対象外です。
自動車保険の保険料は基本的に年末調整の保険料控除の対象外です。以前は保険料控除の対象とされていたようですが、2006年の税制改正によって自動車保険は保険料控除の対象外となってます。
ただし、個人事業主が自動車を事業として使用しているような場合は、保険料やガソリン代等は経費として計上することができます。
事業としてもプライベートとしても使用しているような場合は、事業分とプライベートとで分け(家事按分という)、事業分のみを経費として計上することになります。
所有する自動車がプライベートのみの使用の場合は、残念ながらその保険料を年末調整などで控除の対象とすることはできません。