がん治療費はいくら?国民保険は使える?自己負担額はいくらか?身近でがんと闘った経験を持つFPが解説
定期健康診断で異常を指摘されると、がんが見つかったらどうしよう、と多くの方が心配するのではないでしょうか。
がんは我々にとって身近で、かつ怖い病気でもあります。
今回の記事では、がん治療と公的医療保険の関係について、自己負担額の点を中心に説明していきます。
加入検討する前に、まずは事前に専門家の意見を聞いてみたい、すでに加入している保険との比較をしたいなど、個別に相談したいこともあるのではないでしょうか。
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目次
質問:がんの治療では健康保険が使えるのか?またガンの治療費の自己負担額は?
家族が年一回行っている健康診断を受け、異常が見つかり再検査を行ないその結果癌(がん)と診断されました。
お医者さんから癌と診断された後に治療内容等説明いただきましたがどのような治療が適切なのかわかりません。
がんの治療では健康保険が使えるのか?
回答|がんの治療で健康保険を使うことはできます。
結論を先に言うと、がんの治療で健康保険を使うことはできます。
日本は国民皆保険制度のもと、会社員なら健康保険、自営業者なら国民健康保険に加入しています。
それら公的医療保険を使って、抗がん剤治療や外科手術といった治療費について、3割負担で受給することができます。
また、自己負担額の面で、公的医療保険には高額療養費制度という、充実した仕組みがあります。
高額療養費制度とは、一か月の自己負担額が一定の上限金額を超えた場合に払い戻しを受けることができる制度です。
【参考サイト 協会けんぽ 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)】
↓↓
高額な医療費を支払ったとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
たとえば、③区分ウに該当する収入の現役世代の方が、1か月の総医療費100万円の医療を受診しても、自己負担の上限は 80,100+(1,000,000-267,000)×1%=87,430 となり、これ以上の費用負担は発生しません。
ただし、注意が必要な点もあります。
保険適用外の医療費については、高額療養費の対象とはならないということです。
このような費用は全額自己負担となります。
また、保険適用外となる医療費について下記に具体例を記載します。
●差額ベッド代
●先進医療にかかる技術料
●食事療養費の負担分
●保険適用前の承認医療機器の使用料
医療技術は日々進歩していて、高度な治療方法が発見されてきているものの、医療保険制度が追いついておらず、費用負担の面で課題があります。
がんは日本の死因第一位の怖い病気です。
費用負担がネックとなり、高度な医療を受けることができないということがないように、がん保険でしっかり備えておくことを強くおすすめします。
質問:がん治療費の自己負担額とはどのような仕組みになりますか。
がん治療費の自己負担額とはどのような仕組みになりますか。
国民健康保険や社会保険でカバーされない部分に関してはすべて自己負担になるのでしょうか?
がん治療の際の自己負担額の事を解りやすく教えてください。
回答|公的医療保険の適用対象となる費用は、医療費の自己負担額は原則3割
がんの治療には診察代、入院費、手術代等、様々な費用がかかります。
さらにがんの治療は一般的に長期間にわたるものであり、費用負担がどのくらいのものになるか、不安に思う方は多いでしょう。
一方で、日本は世界最高水準の公的医療保険制度が整っていて、上記のような医療費の費用負担を一部軽減できる仕組みが整っています。
具体的に、下記のような公的医療保険の適用対象となる費用は、医療費の自己負担額は原則3割となります。
・診察代
・検査費
・入院費
・手術代
さらに公的医療保険には、高額療養費制度という、自己負担額を抑える仕組みもあります。
これは、公的医療保険の適用対象となる治療費に関し、1か月に支払った治療費総額が所得区分に応じた上限額を超えると、超えた分の払い戻しを受けられる、というものです。
ただし、制度の利用には申請が必要で、受給までに2~3か月の期間を要することがあります。
自己負担額を考える上で注意が必要な点があります。どんな治療も自己負担が3割になるわけではないという点です。下記のような公的医療保険適用外の費用は、全額が自己負担となります。
・先進医療(特定の大学病院などで研究・開発され、実施されている医療技術のうち、厚生労働大臣の承認を受けたもの。将来的に公的医療保険の適用の可能性があるが、現時点では対象外であるもの)
・自由診療(厚生労働省が未承認の治療や薬を使う場合)
・差額ベッド代(入院の際、個室や4床以下の部屋を希望する場合に発生する費用)
・文書料(診断書の作成費用など)
その他、治療費のほかにも、病院までの交通費、宿泊費などといった、治療に付随する費用も無視できないものとなります。
質問:ガンの治療費の自己負担額はどの程度になるか教えてください。
ガンの治療費の自己負担額はどの程度になるか教えてください。
回答|ガンの治療費の自己負担額ということで、治療費にしぼって説明します。
がんは日本人の二人に一人が罹患するといわれています。また長期間、日本人の死因第一位の病気に君臨しています。
医療技術は進歩しているとはいえ、費用負担の面では患者にとって大きな問題を投げかけています。
ガンの治療費の自己負担額ということで、治療費にしぼって説明していきます。
公益社団法人全日本病院協会が、HP上でがん治療費を考える上で、とても有益な情報を出しています。
【参考サイト 全日本病院協会の「医療費(重症度別)2022年度年間集計】
↓↓
2022all_outcome_acute_09a.pdf (ajha.or.jp)
たとえば、直腸がんステージ2との診断された場合、1入院あたりの医療費の平均は1,650,830円で、1日単価にすると平均92,200円になります。
なお、この数値は医療費の総額になりますので、公的医療保険が適用されたり、高額療養費制度を利用すれば、自己負担はさらに減額されます。
【参考サイト 協会けんぽ 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)】
↓↓
高額な医療費を支払ったとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
このように治療費に関しては、日本の公的医療保険制度は非常に整備されていて、自己負担額がネックにならない仕組みになっています。
しかし、がん治療の費用負担を考えるうえで、忘れてはならないことがあります。
病院までの交通費、通院のために仕事を休んだりした場合の収入減など、治療に付随する費用についてもしっかり考えておく必要があります。
こういった事態に備えるためにも、がん保険をしっかり準備しておくことをおすすめします。
質問:自費治療とそれ以外の治療の違いは何ですか?
ガンの治療によっても治療費は代わりますか?自費で受けられる治療と国民健康保険で賄える治療があるということですが具体的にどのような治療方法があるのでしょうか。
また、癌になったときの治療費に備える医療保険や保険があるとしたらどのようなものを備えておけばいいでしょうか?
回答|自費診療は医療機関が保険外の診療を行うことを指し、保険外診療ともいいます。
公的医療保険が適用される診療を保険診療といいます。
通常私たちが医療機関で受診する診察代や手術代等を指し、治療費の自己負担額の軽減対象となるものです。
これに対し、自費診療は医療機関が保険外の診療を行うことを指し、保険外診療ともいいます。
自費診療では、医療費の全額が自己負担となります。
保険診療ではカバーされない特定の治療や手術、高度な医療技術を受けたいという患者ニーズにこたえるというのが自費診療の背景にあります。
自費診療の例として、下記のようなものがあります。
自費診療の例
化学療法(抗がん剤治療)
重粒子線治療・陽子線治療
先進医療
化学療法(抗がん剤治療)
がんの治療によく用いられる治療法のひとつです。
一般的に、まずは保険診療の適用となる抗がん剤治療が行われるが、効果が芳しくない場合に、保険適用外の薬剤を使うこともあるのです。
重粒子線治療・陽子線治療
抗がん剤治療同様、がんの治療によく用いられます。
がんの部位によっては保険診療の適用となりますが、保険診療の適用とならない部位への治療に用いる場合は自費診療となります。
先進医療
厚生労働省が認めた高度な医療技術のことで、がんや難病に対する新しい治療法や手術、検査などが含まれます。先進医療は公的医療保険の対象にするかどうかを検討している段階であり、あくまで現段階で技術料は全額自己負担となります。
回答|がんになった場合に備える保険としては、がん保険で備えることをおすすめします。
がんになった場合に備える保険としては、がん保険で備えることをおすすめします。
たしかに医療保険でも特約を付帯することでがんに備えることはできます。
しかし医療保険はがんを含む病気やケガに「浅く・広く」カバーするものです。
一方で、がん保険はがんに特化して「深く・狭く」カバーされています。
がんに備えるという意味では、医療保険と比較した場合、がん保険の方がより保障は充実しています。
ぜひ検討してみてください。
加入検討する前に、まずは事前に専門家の意見を聞いてみたい、すでに加入している保険との比較をしたいなど、個別に相談したいこともあるのではないでしょうか。
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