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2024.04.28

がん治療費を医療保険でカバーできる?保険料の目安はいくら?がんと闘った経験を持つFPが解説

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著者情報 森 逸行 FP歴15年 経験した事を伝え解決に導く『金融パーソナルトレーナー』

がん治療費を医療保険でカバーできる?

 がんは遺伝すると言われています。親戚や祖先ががんで亡くなったような人は、とても不安を感じていることでしょう。

医療技術は日進月歩で進んでいるものの、それでもがんは1981年以来、日本人の死因第一位の病気であり、対策の重要性の高い病気です。

今回の記事では、がんに関する費用について、がん保険と医療保険の比較を交えて解説していきます。 

質問:がんになった時にどの程度の治療費がかかるのか?

私の家系は癌家系ということもありがんになりやすい家系になります。

将来的にがんになった時にどの程度の治療費がかかるのか?仕事ができない事での収入減や金銭面に不安があります。

その不安を解消するためにも医療保険などのがん保険を加入検討しています。一般的に医療保険と言われるものはどのような保険の仕組みになるのでしょうか? 

回答|治療費や収入減等、金銭面の不安も大きいものとなります。

がんに罹患すると、治療に対する不安もさることながら、治療費や収入減等、金銭面の不安も大きいものとなります。

下記に、がんの治療費の目安、金銭面の不安を助けてくれる医療保険の仕組みについて、それぞれ説明します。 

がん治療費の目安:総額で200万円弱

がん治療にかかる費用は、罹患した部位、進行具合(0~4の計5段階のステージで分類されます)によって異なります。

下記のサイトで、部位・進行度合別に概算の治療費がまとめられています。 

【参考サイト がん治療費.com
↓↓
がんの治療費 | がん治療費ドットコム (ganchiryohi.com)

 日本対がん協会の統計によると、部位別でみた死亡数が多いのは肺がんとなります。

【参考サイト 公益財団法人 日本対がん協会】
↓↓
がんの部位別統計 – 日本対がん協会 (jcancer.jp)

 がん治療費ドットコムの調査によれば、肺がんの概算の治療費はステージ0、手術による治療の場合、総額で200万円弱となります。

当然、がんの進行が進めば、概算の治療費も比例して高くなります。 

医療保険の仕組み

前述の通り、医療保険はがん治療における金銭面で大きな助けとなるものです。

健康保険等の公的医療保険でカバーできない自己負担部分を、補うために活用します。主な給付金は以下の通りです。 

●入院給付金
●手術給付金
●がん診断給付金
●その他の給付金

入院給付金

がんを含む、病気やケガで入院した際に受け取ることのできる給付金です。

入院日数に応じて、契約時に設定した入院日額を受け取ることができます。 

手術給付金

手術の時に受け取ることのできる給付金です。

給付金額は、契約時に設定した入院給付金日額に倍率を掛けて算出するのが一般的です。 

がん診断給付金

がんと診断された際に受け取ることのできる給付金です。

保険会社によっては、上皮内がんは対象外としているところもあるので注意が必要です。 

その他の給付金

その他、通院給付金や先進医療特約、生活習慣病入院給付金等、保険会社によって様々な給付内容の取扱いがあります。 

民間の医療保険の給付内容は、大まかには上記となります。

がん治療という点でいえば、上記③の診断給付金を手厚く設定することをおすすめします。

がんの診断確定を条件に受け取ることができるので、給付金の使い道は限定されておらず、自由度の高い保障だからです。治療による収入減や、通院にかかる交通費に充てることもできます。

ぜひ参考にしてみてください。 

治療費

質問:がん保険と医療保険は別々の保険なのでしょうか?

がん保険と医療保険は別々の保険なのでしょうか?加入の方法などを教えてください。

また、月々の保険料やお得な加入方法も教えてください。 

回答|医療保険とがん保険は別物です。

結論を先に言うと、医療保険とがん保険は別物です。

医療保険は、がんを含む病気や怪我による入院や手術、場合によっては通院等、広く・浅く保障します。

一方でがん保険は、がんに特化して、治療に要する様々な費用を狭く・深く保障します。それぞれの特徴を詳しくみていきたいと思います。 

医療保険とは?

冒頭でも触れましたが、医療保険はがんを含む病気や怪我による入院、手術等の医療費をカバーします。

特約を付加することで通院保障を付保したり、がんを含む三大疾病に罹患した場合の、一時金の保障を付保することもできます。

保障内容を広げる余地がたくさんあるのが特徴です。ただ、入院給付金の保障の面で注意点があります。

一般的に、医療保険では1入院あたりの日数と通算日数に制限があるという点です(保険会社によっては、特約を付加することで日数無制限にできるところもあります)。

保険料の参考として、三井住友海上あいおい生命の医療保険で試算したものを記載します

【参考サイト:30歳の男性として計算しております】
↓↓

 &LIFE 医療保険Aセレクトの保障内容・保険料シミュレーション|三井住友海上あいおい生命の資料請求サイト (kiramekilife-direct.jp)

 各保険会社のHP上でこのように保険料シミュレーションできるようになってますので、気になる保険会社がありましたら、HPを確認することをおすすめします。 

がん保険とは?

がん保険はがんに特化して、保障を手厚くなっているのが特徴です。

医療保険と比較すると特約を付加することによる保障内容の拡大の余地は少ないです(がん通院保障を追加等、あくまでがんの治療に限定しています)。

しかし、がんに対する保障は充実しています。

入院給付金の面で、一般的にがん保険は1入院あたりや通算での入院日数に制限はありません。がんに特化した、狭い・深い保障といえます。

ただ、保障の開始時期の点で注意が必要です。

がんに対する保障は、①契約の申し込み②告知・診査③第一回保険料の払い込み のすべてが完了してから90日が経過してから開始となります。

①契約の申し込み
②告知・診査
③第一回保険料の払い込み 

①②③すべてが完了してから90日が経過してから開始となります。

この取り扱いは全社共通で、医療保険におけるがん保障も同じとなります。

保険料の参考として、同じく三井住友海上あいおい生命のがん保険で試算しました。

【参考サイト:30歳の男性として計算しております】
↓↓

&LIFE ガン保険Sセレクトの保険料シミュレーション|三井住友海上あいおい生命の資料請求サイト (kiramekilife-direct.jp)

 保険種類が異なるので保障内容を統一することができず、単純な保険料比較はできませんが、参考にしてみてください。 

質問:がんにかかった場合に治療費以外に発生する費用はありますか?

私や家族ががんにかかった場合に治療費やそれ以外に発生する費用、その他考えておくべきことを教えてください。

身の回りでがんで苦労している友人や親族がいるので、今からある程度備えておきたいです。 

回答|治療費以外で考えておくべき費用について説明します。

がんは日本人の2人に1人がかかると言われている、長年日本人の死因の1位を占めている病気です。

がんの怖いところは、初期症状がほとんどないというところです。

違和感を感じて病院に診てもらう頃には、すでに進行してしまっている、ということも少なくありません。

このような特徴を持ったがんとうまく付き合っていくには、どのような費用が想定されるのか、しっかり理解しておく必要があります。

下記に治療費以外で考えておくべき費用について説明していきます。 

●差額ベッド代
●交通費・宿泊費
●抗がん剤治療の副作用による脱毛時のウイッグ(カツラ)代
●収入減

差額ベッド代

入院の際に個室を利用したときにかかる費用です。

がんを宣告され入院するとなった場合、多くの方が大きなショックを受けます。そのような状態で、他の患者さんと一緒の大部屋で入院中の生活を送るのは耐えられない、と思う方は多いのではないでしょうか。

その意味で、差額ベッド代は想定しておくべき費用です。差額ベッド代は病院や地域によって価格に差があります。

厚生労働省の統計結果によると、1人部屋の差額ベッド代1日あたりの金額は全国平均で7,837円となっています。 

交通費・宿泊費

自宅近くの病院への通院治療ができるのであれば、交通費の負担も重いものにはならないでしょう。

しかし最新技術を駆使した治療を希望する場合、自宅近くの病院にそのような技術があるとは限りません。

長時間の自動車移動に伴うガソリン代、宿泊費は治療の長期化とともに、費用面で重くのしかかってきます。 

抗がん剤治療の副作用による脱毛時のウイッグ(カツラ)代

抗がん剤治療には副作用があります。

ドアノブを非常に冷たく感じてしまったり、吐き気、精神不安等、がんに罹患した部位、抗がん剤の強度、患者さんの体質等によって様々です。

なかでも代表的な副作用が脱毛です。

頭髪の脱毛は、特に女性にとっては大きなダメージとなります。多くのカツラメーカーが医療用ウイッグを販売しています。

価格は安いもので1万円以下から高いもので数十万円と、かなり幅があります。このような費用も想定しておくべきです。 

収入減

治療のために仕事を調整することで、収入が減ってしまうこともしっかり考えておかなければなりません。

在職中の方であれば、会社の就業規則で休職・休業中にどのような保障があるのかを確認し、不安な面は所得補償保険等で備えておくことも考えておきましょう。 

質問:医療保険でがん治療もカバーできますか?

医療保険に加入しています。まだ20代ですが、がん家系ということもあり、がんになったときのことが心配です。

医療保険でがん治療もカバーできますか?それともがん保険にも加入したほうが良いのでしょうか?アドバイスをください。 

回答|がん保障の面だけで考えると、がん保険の方が保障内容は充実します。

医療保険とがん保険、どちらが大事でどちらが不要ということは一概に言えませんが、医療保険だけでがん治療の費用をカバーするのは難しいです。

医療保険はがんを含む病気や怪我による入院、手術等の医療費を広くカバーするのに対し、がん保険はがんに特化して、入院、手術等の費用を保障するものです。

一見すると医療保険の方が優れているように見えますが、がん保障の面だけで考えると、がん保険の方が保障内容は充実しているのです。

たとえば、入院給付金の面で、一般的に医療保険は入院日数に制限がありますが、がん保険は1入院あたりや通算での入院日数に制限はありません。

冒頭に申し上げたように、医療保険とがん保険とで、優劣をつけるのは難しいです。

医療保険で病気やケガによる入院・手術等広くカバーし、がんの保障を手厚くするためにがん保険に加入するという掛け方をおすすめします。

がんは一般的に治療が長期にわたり、費用も大きなものとなります。

医療保険だけではなかなかカバーしきれない部分を、がん保険でカバーするという方法をとるべきです。ぜひ参考にしてみてください。

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