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投稿日2026.09.23/更新日2026.09.23

住宅ローンは変動金利と固定金利どっち?金利上昇に備える「差額運用」をFPが解説

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著者情報 ファイナンシャルプランナー 森 逸行 AFP(日本FP協会認定)/2級FP技能士/証券外務員二種/住宅ローンアドバイザー
住宅購入・資産運用・保険・相続まで幅広く対応。実務経験に基づいた、現実的で分かりやすいアドバイスを提供している。

住宅ローン金利比較と運用戦略
「住宅ローンは変動金利と固定金利、どちらを選べばいいですか?」

住宅購入のご相談で、非常によく聞かれる質問です。

変動金利は固定金利より当初の金利が低いことが多く、毎月の返済額を抑えやすい一方、将来の金利上昇リスクがあります。

固定金利は返済額を確定できる安心感がありますが、その分、変動金利より当初の返済額が高くなることがあります。

そこで私が住宅ローン相談でお伝えしている考え方の一つが、

「変動金利を選び、固定金利との差額を使わずに積み立て・運用しておく」

という方法です。

変動金利を選んで毎月の返済額が安くなったからといって、その差額をすべて生活費として使ってしまうのではありません。

将来の金利上昇に備えるための「住宅ローン準備資金」として積み立てておきます。

本記事では、変動金利と固定金利の違いから、金利上昇に備えた「差額運用」という考え方まで、FPの視点から解説します。

変動金利・固定金利で迷っている方へ|住宅ローン相談受付中
ファイナンシャルトレーナーFP事務所では、住宅ローンだけを比較するのではなく、ライフプラン全体から無理のない住宅予算を診断しています。
「変動金利と固定金利のどちらが家計に合っている?」
「金利が2%上昇しても返済できる?」
「固定金利との差額をどのくらい積み立てればいい?」
「住宅を購入しても教育費・老後資金を準備できる?」
このような疑問について、住宅ローン・家計・資産形成をまとめてシミュレーションします。
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変動金利と固定金利の違い

住宅ローンの金利タイプは、大きく「変動金利」と「固定金利」に分けられます。

変動金利は市場金利などの動きによって適用金利が見直されるタイプです。

一方、全期間固定金利は借入時に返済終了までの金利が決まるため、市場金利が上昇しても契約した金利は変わりません。

日本銀行も、利上げ後は市場金利連動型の貸出金利、短期プライムレート、新規の変動型住宅ローン、既存の変動型住宅ローンと、時間差を伴って影響が波及すると説明しています。

つまり、

変動金利=現在の返済負担を抑えやすい代わりに、将来の金利上昇リスクを負う

固定金利=現在の返済負担は高くなりやすい代わりに、将来の金利上昇リスクを抑える

という違いがあります。

変動金利と固定金利、どちらを選ぶべき?

これは「どちらが正解」と一概には言えません。

例えば、

固定金利が向いている方

・将来の返済額を確定させたい
・金利上昇が不安
・教育費など今後の支出が大きい
・住宅ローン返済額が増えると家計が厳しい

といった方には固定金利が選択肢になります。

一方、

変動金利を検討しやすい方

・金利上昇時にも家計に余裕がある
・十分な金融資産がある
・計画的に貯蓄・資産形成できる
・将来、繰上返済できる資金を準備できる

といった方であれば、変動金利を選択肢として検討できます。

重要なのは、

「今の金利がどちらが安いか」だけで決めないことです。

私が提案する「変動金利+差額運用」という考え方

ここからが今回の記事で一番お伝えしたいポイントです。

仮に同じ住宅ローンを組んだ場合、

固定金利なら毎月20万円

変動金利なら毎月16万円

だったとします。

毎月の差額は、

4万円です。

変動金利を選択した場合、この4万円を「住宅ローンが安くなったから使えるお金」と考えないことがポイントです。

毎月4万円を別に積み立てます。

運用益を考慮しなくても、

1年間で48万円

5年間で240万円

10年間で480万円

になります。

つまり、

変動金利で抑えられた返済額の差を、将来の金利上昇に備える資金として準備しておく

という考え方です。

金利が上昇したら積み立てた資金をどうする?

例えば10年間で480万円+運用益の資産ができていたとします。

その後、住宅ローン金利が大きく上昇した場合には、

・そのまま積立・運用を継続する
・毎月返済額の増加分に充てる
・一部繰上返済する
・住宅ローン残高を減らす
・固定金利への借り換えを検討する

など、複数の選択肢を持てます。

これが差額を使ってしまった場合との大きな違いです。

金利が上昇したときに「返済するためのお金がない」という状況をできるだけ避けるため、金利が低いうちから準備しておく。

これが私の考える変動金利との付き合い方です。

「変動金利が安いから借りる」だけでは危険

住宅購入相談をしていて私が心配になるのは、

「変動金利なら毎月○万円だから、この物件を買えます」

という考え方です。

現在の返済額だけを基準に住宅予算を決めてしまうと、将来金利が上昇したときに家計が苦しくなる可能性があります。

例えば現在16万円の返済額だからといって、

「住宅費は月16万円」と考えるのではなく、「固定金利なら月20万円だったので、住宅費として20万円程度まで準備する」

という考え方もできます。

16万円を銀行へ返済し、

残り4万円を自分たちの資産として積み立てる。

こうすると、住宅に充てる毎月の予算そのものは変わりません。

変動金利の「5年ルール」があっても安心とは限らない

変動金利について、

「5年間は返済額が変わらないから大丈夫」

と聞いたことがある方もいるでしょう。

実際、日本銀行も、多くの変動型住宅ローンでは適用金利が変わっても「5年ルール」などにより、毎月返済額の変更がさらに後になると説明しています。

ただし、ここには注意が必要です。

毎月の返済額が変わらなくても、適用金利が上昇すれば、返済額に占める利息の割合が増え、元金の減り方が遅くなる可能性があります。

また、5年ルールやいわゆる125%ルールを採用していない住宅ローンもあります。

「変動金利だから必ず5年間返済額が変わらない」と思い込まず、利用する金融機関の商品内容を確認することが重要です。

ただし「差額をすべて投資」するのはおすすめしません

ここは非常に重要です。

「固定金利との差額を運用する」といっても、全額を株式や投資信託など価格変動の大きい資産へ投資すればよい、という意味ではありません。

例えば、

住宅ローン金利が上昇したタイミングと、

株式市場が大きく下落するタイミングが重なる可能性もあります。

500万円積み立てていたとしても、必要なときに400万円になっていたら、予定どおり繰上返済できないかもしれません。

そこで私は、資金を目的によって分けて考えることをおすすめします。

近い将来使う可能性があるお金

預貯金など、値動きの小さい資産を中心に準備します。

10年以上使わない余裕資金

リスク許容度に応じて、NISAなどを利用した長期・分散投資を検討します。

つまり、

「住宅ローンの金利上昇対策資金」と「長期の資産形成」を完全に同じものとして考えない

ことも大切です。

繰上返済するか、運用を続けるか

これも住宅ローン相談でよく聞かれます。

例えば住宅ローン金利が1%で、運用資産がある場合、

「運用を続けた方が得では?」

と考える方もいるでしょう。

しかし、運用の収益率は確定していません。

一方、繰上返済によって削減できる住宅ローン利息は、条件が確定すれば計算できます。

そのため、

「住宅ローン金利より期待リターンが高いから運用した方が得」

と単純に判断するのはおすすめしません。

・金利水準
・住宅ローン残高
・残りの返済期間
・金融資産
・年齢
・教育費
・老後資金
・住宅ローン控除
・リスク許容度

まで含めて判断する必要があります。

なお、繰上返済によって返済期間を短縮する場合は、住宅ローン控除への影響にも注意が必要です。住宅金融支援機構も、返済期間を短縮した結果、一定の要件を満たさなくなる場合には住宅ローン控除の対象外になることがあると案内しています。

住宅ローンは「借りられる金額」より「金利が上がっても返せる金額」

住宅ローンでは、

「銀行からいくら借りられるか」

に目が向きがちです。

しかしFPとして私が重視しているのは、

「金利が上昇しても返済を続けられる金額か」

です。

住宅購入後には、

・子どもの教育費
・車の買い替え
・住宅の修繕
・老後資金
・病気や休職
・収入の変化

などもあります。

住宅ローンだけを見て人生設計することはできません。

変動金利を選ぶなら「金利上昇シミュレーション」をしておく

変動金利を検討する場合、

現在の金利だけでライフプランを作るのではなく、

例えば、

金利が1%上がった場合

2%上がった場合

3%上がった場合

までシミュレーションしておくことをおすすめします。

そのとき、

「毎月いくら返済額が増えるのか」

「それでも教育費を準備できるのか」

「老後資金の積立を継続できるのか」

を確認します。

ここまで確認して初めて、

自分たちが本当に変動金利を選べる家計なのか

が見えてきます。

よくある質問

Q. 変動金利と固定金利はどちらがおすすめですか?

一律には決められません。家計、金融資産、年齢、借入額、返済期間、今後の教育費などによって適した選択は異なります。

Q. 変動金利と固定金利の差額は全部投資した方がいいですか?

おすすめしません。金利上昇時に使う可能性がある資金は、預貯金なども含めて安全性を重視して準備し、長期間使わない余裕資金とは分けて考えることが重要です。

Q. 金利が上昇したらすぐに繰上返済した方がいいですか?

必ずしもそうではありません。金利、残債、住宅ローン控除、手元資金、今後の教育費や老後資金などを確認して判断します。

Q. 固定金利なら資産形成は必要ありませんか?

固定金利でも教育費や老後資金などの資産形成は必要です。固定金利は住宅ローンの金利上昇リスクを抑える方法であり、ライフプラン全体の資産形成とは別に考える必要があります。

まとめ|変動金利を選ぶなら「差額を使わない」という選択

変動金利には、固定金利より当初の返済額を抑えやすいというメリットがあります。

しかし、

「返済額が安くなった分、生活水準を上げる」

という考え方には注意が必要です。

私が住宅ローン相談でお伝えしているのは、

変動金利と固定金利の返済額の差を、将来の金利上昇に備えて積み立てておく

という方法です。

変動金利を選び、

差額を積み立て・運用する。

そして金利が大きく上昇したときには、積み上げた資産を活用して、繰上返済なども検討する。

こうすることで、

「金利が上がらないことに賭ける住宅ローン」ではなく、「金利が上がった場合にも備えた住宅ローン」

にすることができます。

住宅ローンは35年という長期間にわたることもあります。

現在の金利だけではなく、将来の金利上昇や教育費、老後資金まで考えたうえで選択することが大切です。

変動金利・固定金利で迷っている方へ|住宅ローン相談受付中
ファイナンシャルトレーナーFP事務所では、住宅ローンだけを比較するのではなく、ライフプラン全体から無理のない住宅予算を診断しています。
「変動金利と固定金利のどちらが家計に合っている?」
「金利が2%上昇しても返済できる?」
「固定金利との差額をどのくらい積み立てればいい?」
「住宅を購入しても教育費・老後資金を準備できる?」
このような疑問について、住宅ローン・家計・資産形成をまとめてシミュレーションします。
住宅を購入してから後悔するのではなく、購入する前に「金利が上がっても大丈夫か」を確認しておきませんか。
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