地震で起きた火災は火災保険の補償対象なの?地震保険で補償される?されない?悩みや質問に専門家が回答!
近年、日本全国で地震が頻発しています。地震は火災や津波なども誘発し、その被害は甚大なものとなります。
苦労して購入したマイホームも、ひとたびこのような災害に巻き込まれたらひとたまりもありません。
一生で一番の高い買い物といわれるマイホームを、自然災害からどのように守るべきか不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では苦労して購入したマイホームを守る火災保険はどのようにかけるのが最適か、地震保険の補償内容の確認とからめて解説していきます。
目次
質問:地震が起きた時の火災は火災保険で保障はされますか?
近々マンションを購入する予定でいます。不動産屋から保険の紹介などを受けていますが、地震が起きた際の火災による損害は火災保険で補償されるのでしょうか。
比較的古い一軒家が密集している地帯のため、地震の際は火災による被害が心配です。
ただ、マンション購入にあたり出費が多くあるため、地震保険と火災保険で保障内容が重複する場合は最低限の保険契約にしたいと考えています。
地震保険にも加入した方が良いでしょうか。
回答|地震が起きた時の火災は火災保険では補償されません。
地震が起きた時の火災が原因でお住まいに損害が出ても、火災保険では補償されません。
火災が生じたという事実について、その原因がたとえば放火やたばこの不始末などであれば、火災保険で補償されます。
一方で火災の原因が地震にあるならば、火災保険では補償されず、地震保険の補償範囲となるのです。地震保険と火災保険とでは補償内容が重複するわけではありません。
地震保険に加入するべきか、という点については、加入することを強くお勧めします。
2024年の初頭に石川県を震源とする地震が発生しました。非常に甚大な被害が発生し、住民は現在も不自由な生活を強いられています。
ここ数年、日本全国で大きな地震が頻発しています。
また地震保険料率も上昇傾向にあり、さらにはお住まいの地域によっては引き受けを制限される可能性もないとは言い切れません。
地震保険は生活立て直しのための大切な資金面の備えとなります。加入できるときに加入しておくべきでしょう。
質問:地震が起きた際に家のものが壊れた際にも地震保険で補償されますか?火災保険も適応でしょうか?
地震保険を契約しています。今後関東で大きな地震が来る可能性があると常日頃ニュースでも取り上げられているため家でも家具を固定したり対策をしていますが、震度6以上の地震の際は家具や家電がほとんど壊れてしまうのではと心配です。
地震が起きた際の家具や家財の破損には地震保険で補償されますか。
それとも火災保険の範囲になりますか。また家財のどの範囲が対象になるのか教えてください。
回答|地震が原因で建物や家財に損害が生じた場合は地震保険の適用となります。
地震が原因で建物や家財に損害が生じた場合は地震保険の適用となります。火災保険は適用されません。
たとえば火災によって建物や家財に損害が生じたとしても、そもそもの火災の原因が地震によるものであるならば、地震保険の補償範囲となるのです(火災保険は適用されません)。
家財の定義については、地震保険と火災保険とでその定義は同じです。家財とは、保険会社ごとにその定義に若干の違いはあるものの、おおむね下記のようなものと考えて問題ないでしょう。
保険の対象となる家財とは、日本国内に所在する保険証券記載の建物に収容されている被保険者が所有する家財をいいます(損保ジャパン社 個人用火災総合保険 約款より抜粋)。
おそらく上記の定義だとなかなかイメージがつきづらいかと思いますので、保険会社が出している火災保険のパンフレットで確認することをおすすめします。
ソファ、テーブル、タンス等、広く一般的に家財道具として認知されているものよりも保険会社の定義する家財の範囲は広いです。
子供のおもちゃ、衣類ゲーム機類なども家財に該当します。なにか損害があった場合にはまず保険会社に相談してみるのも良いかもしれません。
質問:マンションで万が一火災保険に加入していない方から出火した場合、自身で負担する必要があるのでしょうか。
家族が増え手狭になったので家の購入を予定しています。
我が家は不動産屋から紹介のあった保険に加入予定ではありますが、万が一火災保険に加入していない家から出火して周囲の家が被害にあった場合、自身で負担する必要があるのでしょうか。
もしくは火災保険の中にそこまで補償してくれるものがあるのでしょうか。
近くに空き家が何軒かあるのですが、身を守るためにも自身の保険でカバーできないかと考えています。
回答|自宅は自分で守るべく、しっかりとした補償内容の火災保険を付帯しておくことを強くおすすめします。
隣家からのもらい火によって自宅に損害が生じた場合、その火災の原因が過失によるものである場合は、隣家に賠償請求することはできません(ただし重大な過失の場合は除く)。
これは明治32年に定められた失火責任法(正式名称:失火の責任に関する法律)が根拠となります。
日本は昔から木造平屋建て建物が多く、ひとたび火災が発生すると被害は広範囲におよび、当然損害額も甚大なものとなります。
その責任を火元の人が全部背負うことになると、火元の人の生活を脅かすことになります。それを抑止しようとの考えが失火法成立の背景にあるようです。
質問者様も指摘されていますが、自分の自宅は自分で守るべく、しっかりとした補償内容の火災保険を付帯しておくことを強くおすすめします。
また火災は、もらい火だけでなく、自身が火元となって隣家に損害を及ぼすこともありえます。
その火災が過失によるものであれば失火法が適用され、隣家への賠償義務は発生しませんが、近隣との関係を良好に保つためにも何とかしてあげたいと思うでしょう。
火災保険にはそのような場合にも適用される特約を各社で用意していますので、そういった意味でも火災保険をしっかり付保しておきましょう。
質問:ハザードマップを見ると河川氾濫時に危険区域になっています。どの保険に入るべきですか?
家を購入し契約を済ませたところです。
家の条件も良く購入を決めましたが、両親からハザードマップを見ると河川氾濫時に危険区域になっていることを指摘されました。
台風での河川氾濫もニュースで見ることも増えたため、万が一の水害リスクに備えるために保険でカバーしたいと考えています。
火災保険の契約で天災時の浸水は補償されますでしょうか。もしくはその他最適な保険があれば教えてください。
回答|火災保険の補償範囲の設定によっては天災時の浸水損害を補償することは可能です。
火災保険の補償範囲の設定によっては天災時の浸水損害を補償することは可能です。
住宅用の火災保険は多くの保険会社で補償範囲を設定することができるようになっています。
水害リスクを補償範囲に含める設定にすれば、たとえば河川の増水やゲリラ豪雨による浸水被害が補償対象となります。
一点補足ですが、水害とはいったん地面についた水による災害を指します。
購入する家がマンションの高層階になるのであれば、ハザードマップで水害危険区域に該当していても、必ずしも水害に備える必要はないかもしれません。
そのような場合は保険料を合理的にする意味でも、敢えて水害補償は外しても良いかもしれません。
マンションの高層階なのであれば、震度の小さい地震でも大きな揺れを感じます。地震保険もひとつの検討材料として考えてみてはいかがでしょうか。
質問:火災で保険証書をなくしてしまったらどうしたら良いですか。
火災保険を契約しています。最近近くで1軒は全焼し数軒に燃え移る火事がありました。
我が家は被害もなく無事でしたが、万が一保険証書が火災で燃えてしまい原本がなくなってしまった場合どう対処したら良いのでしょうか。
正しく補償が受けられるのか心配です。私自身は契約会社は分かりますが証券番号などを書き留めてはおらず保険証書が頼りになっています。
家族は契約会社も把握していない可能性が高いです。
回答|保険会社へ連絡すれば再発行の手続き出来ます。
火災で保険証券を紛失・滅失してしまった場合でも、保険証書の再発行はできます。
保険会社へ連絡すれば再発行の手続きを案内してくれるでしょう。なくしたからといって補償されないなんてことはないのでご安心ください。
ただし、保険会社への連絡は契約者本人がする必要があります。本人確認のため、連絡した際に生年月日等の確認を受ける可能性があることも念頭においておきましょう。
一方、契約した保険会社がわからない場合は、いったん損害保険協会に問い合わせをしてみましょう。
お住まいの地域が火災援助法等に基づく対応要請のあった地域であれば、加入保険会社を調べることができる場合もございます。
なお、この場合でも確認の連絡は契約者本人でする必要がございます。