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2024.03.24

自賠責保険の補償内容は?任意保険とは?他人の車で事故を起こしたら? 専門家が回答!

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著者情報 森 逸行 FP歴15年 経験した事を伝え解決に導く『金融パーソナルトレーナー』

自賠責保険の補償内容は?任意保険とはどのようなものがある?他人の車で事故を起こしたらどうなる? 専門家が回答!

自動車を持っている方は皆、強制保険である自賠責保険に加入することになります。しかし多くの方が、自賠責保険の補償内容をしっかり理解せず、強制保険だから仕方なく加入しているというのが現実ではないでしょうか。

今回の記事では自賠責保険の補償内容に触れつつ、任意の自動車保険との補償内容の違いについて説明していきたいと思います。

質問:自賠責保険とはどのような補償内容ですか?

最近運転免許を取得し、車を買いました。これから車に乗っていくにあたり、保険のことが全く分かりません。

車には絶対入らなければいけない自賠責保険というものがあることを知りました。その自賠責保険というものはどこまで補償してくれるのでしょうか。

また、いくらまで補償して貰えるのでしょうか。補償内容によってはその他の保険にも加入しようかなと思っています。

回答:すべての自動車に加入が義務付けられた強制保険です。

自賠責保険(正式名称:自動車損害賠償責任保険)は、交通事故による被害者を救済するため、法律に基づき、すべての自動車に加入が義務付けられた強制保険です。

自賠責保険で補償されるのは、被害者救済という観点から、交通事故で死傷させたり、ケガをさせたりした場合の「人身事故」で、相手に対する損害賠償に限られます。

運転者自身のケガや自動車の修理費は補償対象外となるのです。

保険金の支払限度額は下記となります。

 

・死亡:3,000万円

・ケガ:120万円

・後遺障害:後遺障害の程度に応じて75万円~4,000万円

 

なお、前述のとおり自賠責保険は被害者救済を根本理念とした、社会保障的な性格をもった保険であり、保険料に利益は含まれておりません。

最後に大切なことを付け加えます。実際に自動車事故を発生させてしまうと、相手のケガに対する賠償責任だけでなく、運転者ご自身のケガ、自動車の修理費用等、様々な損害が併発します。

自賠責保険で相手のケガに対する賠償責任はカバーできると言っても、決して十分な補償ではありません。

自賠責保険の補償範囲を超えた部分も含め、運転者自身のケガの補償や自動車の修理費等、広く補償をカバーする意味でも、必ず任意の自動車保険にも加入しましょう。

 

質問:車の任意保険に加入しようと思っています。おすすめの保険はありますか?

自賠責保険について軽く調べてみたところ、自賠責保険の補償の対象は対人賠償に限られているということを知りました。

やはりその補償だけだと単独事故などを起こした時にとても不安です。なので任意保険にも加入しようという考えになりました。

任意保険も色々あるらしく、全部に入るわけにもいかないので2つくらいには絞りたいと思っています。

みんなが入っているような任意保険や、おすすめの保険などがあれば知りたいです。

回答:自賠責保険の補償範囲を超えて広く補償をカバーさせるのに任意保険に加入するのはとても重要です。

質問者様がおっしゃる通り、自賠責保険の補償は対人賠償に限られ、その補償金額も決して充分なものとは言えません。

自賠責保険の補償範囲を超えて広く補償をカバーさせるのに任意保険に加入するのはとても重要です。

ここで、任意の自動車保険の仕組みを簡単に説明します。

個人の方向けの任意の自動車保険は、「対人賠償責任保険」、「対物賠償責任保険」、「人身傷害保険」、「車両保険」がセットになっていて、そこに特約を付保するという仕組みになっています。補償内容は下記となります。

対人賠償責任保険

・対人賠償責任保険・・・相手をケガさせてしまった場合に補償します。

※自賠責保険の補償範囲を超えた部分を補償します。

対物賠償責任保険

・対物賠償責任保険・・・相手のモノを壊したり、といった物損事故の場合に補償します。

人身傷害保険

・人身傷害保険・・・運転者ご自身や同乗者のケガを補償します。

車両保険

・車両保険・・・ご自身の自動車の事故による修理費用を補償します。

 

上記の基本補償に特約を付保して補償範囲を広げるというのが任意の自動車保険のおおまかな仕組みです。

各保険会社の提供する任意の自動車保険では、「対人賠償責任保険」、「対物賠償責任保険」、「人身傷害保険」の加入を必須要件としているところが大半です。

「車両保険」については、保険料負担を抑えるために、あえて付保しないという方もなかにはいます。

おすすめの付保の仕方としては、「対人賠償責任保険」、「対物賠償責任保険」を無制限の補償として設定し、「人身傷害保険」は最低でも5,000万円の保険金額を設定します。

特約は弁護士費用特約、個人賠償責任補償特約は必須で付保し、余裕があれば「車両保険」を付保するという設計です。

同じ補償条件で設計を組んでも、保険会社ごとに保険料に差異は出ます。また、付帯サービスも保険会社ごとに特色があります。

ご自身の保険料予算と補償に対する考え方を加味した上で、ぜひ検討してみてください。

 

質問:車の任意保険は必要なのでしょうか。

対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害保険に加入しています。慎重な性格もあってか、今のところ事故を起こしたこともなく、任意保険は本当に必要なのかと悩んでいます。数年加入していますが、毎月掛け金を支払うばかりなので、毎月の掛け金は大したことがなくとも合計で考えるともったいないかなぁと思っています。任意保険はどのくらいの人が加入しているのでしょうか。任意保険はあまり必要ではないのでしょうか。

 

回答:自動車を運転する以上、任意保険には必ず加入するべきです。

結論を先に言いますと、自動車を運転する以上、任意保険には必ず加入するべきです。

どのくらいの人が加入しているかを表す数値として、損害保険料率算出機構が出している資料によると、自動車所有者の概ね80%が任意保険に加入していることになります。

 

2022年度_自動車保険の概況 (giroj.or.jp)(損害保険料率算出機構 自動車保険の概況より)

 

ただ、80%の加入率という数値が多いか少ないかということは問題ではありません。

自動車を運転する以上、運転者がいくら注意をして運転していても、事故が起こってしまう可能性は常に隣り合わせであるということを意識するべきです。

制限速度を守って安全運転していても、スピード違反して荒っぽい運転をする自動車に遭遇し、事故に巻き込まれてしまえば、自動車の損害であったりご自身もケガをしてしまう可能性があるのです。

さらにいうと、走行している自動車同士の事故の場合、過失割合で0(自分):100(相手)となることは非常にまれです。

つまり、もらい事故であるにも関わらず、自分の費用負担が発生してしまうのです。

このような場合に備える意味でも任意の自動車保険をかけておくと非常に安心です(強制保険の自賠責保険では、最低限の対人賠償しか補償しません)。

自動車に乗るうえでの必要経費として任意の自動車保険はかけておきましょう。

 

質問:他の人の車で事故を起こしたらどうなりますか。

免許はありますが車を買うお金がなく、今のところ車が必要な時は親や友達、恋人に車を借りています。

そこでふと思ったのですが、もし友達や恋人の車を借りている時に事故を起こしたらどうなるのでしょうか。

親の車ならもし事故を起こしても家族なのでなんとかなると思っていますが、友人や恋人となるとそういうわけにはいかないと思います。

もし事故を起こして関係が悪くなるのは嫌なので、しっかり知っておきたいと思いました。

回答:万が一事故を起こしても、その保険でカバーすることができます。

親や友達、恋人から借りた自動車の任意保険に、運転者を限定するような特約が付帯されていなければ、万が一事故を起こしても、その保険でカバーすることができます。

ただ、保険を使えば等級に影響が出て、次年度の保険料が高くなってしまいます。

このような任意の自動車保険特有の仕組みを考えると、できることなら自動車を貸してくれた方の任意保険は使いたくないですよね。そこでおすすめなのがドライバー保険です。

ドライバー保険は、マイカーを保有していない方が他人の自動車を運転した際の事故を補償する保険です。

一般的に自動車保険は自動車に付保するものですが、ドライバー保険は「人」に紐づいた契約なのです。補償内容も「対人賠償責任保険」、「対物賠償責任保険」、「人身傷害保険」と、一般的な自動車保険と遜色なく充実しています。ただ、残念ながら「車両保険」がドライバー保険にはないという点には注意が必要です。

免許を取得済みで自動車を保有していないが、ときどき自動車を借りて運転する機会があるという方は、ドライバー保険でしっかり備えておきましょう。

質問:事故を起こした人間とそうでない人間では保険の掛け金は変わる?

先月事故を起こしました。まさか自分が事故を起こすなんて思わなかったので、今まで一度も車の保険についてしっかり考えることがなく、自賠責保険に入っているから大丈夫だろうと思っていました。

しかし今回の事故は物損事故で、自賠責保険が適用されてませんせした。

また事故を起こしたら…と思うととても怖いので、その時の事を考えて任意保険に加入しようと思います。

加入する場合、事故を起こしたことのある人間とそうでない人間とでは、毎月の掛け金が変わってきたりするのでしょうか。

 

回答:初めて加入する場合は、事故を起こしたことのある人でもそうでない人でも保険料に差はありません。

任意の自動車保険に初めて加入する場合は、事故を起こしたことのある人でもそうでない人でも保険料に差はありません。

任意の自動車保険は、いわゆる等級制度を採用しています。1年間の保険期間内を無事故で過ごせたら、次回の更新時に等級が良くなり、同じ補償条件であれば保険料も安くなります。

逆に事故を起こしたら次回の更新時の等級は悪くなり、保険料も割高になります。

※厳密にいえば、事故を起こしても保険を使わずに損害額の全額を自己負担すれば等級は悪くなりません。

 

【参考:日本損害保険協会 損害保険Q&Aより】

日本損害保険協会 – 損害保険Q&A – くるまの保険 – 問23 任意の自動車保険 (sonpo.or.jp)

 

任意保険は自賠責保険でカバーできないリスクをカバーするものです。自身が気を付けて安全運転していても、自動車を運転する以上、事故に巻き込まれてしまう可能性は常に隣り合わせです。

それはつまり、自賠責保険の補償範囲を超えた賠償責任を負ってしまうリスクがあるということなのです。

質問者様おっしゃる通り、また事故を起こしたら、といった場合に備えて任意保険にもしっかり加入しておきましょう。

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