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2025.08.06

自動車保険3年の長期契約が取り扱い中止!背景にある3つの要因と3年の長期契約のメリット

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著者情報 ファイナンシャルプランナー森 逸行 FP2級・住宅ローンアドバイザー。住宅購入、投資、相続など自身の経験を活かし、実践的かつ現実的なアドバイスを提供。公的保障から資産形成まで、人生とお金をトータルサポート

自動車保険3年の長期契約が取り扱い中止!背景にある3つの要因.

自動車を所有している限り、強制保険である自賠責保険とは別に、任意の自動車保険についても、ほとんど必ず加入する必要があるといえます。

そのような任意の自動車保険ですが、保険期間は一般的に1年ごとに更新するというのが通例です。

しかし最近では「3年契約」などの長期契約が注目を集めています。

なぜわざわざ3年もまとめて契約する必要があるのでしょうか?また、3年契約を結ぶことのメリットはどこにあるのでしょう?

今回の記事では、自動車保険を3年契約にすることで得られる主なメリットについて詳しく紹介し、自動車保険3年契約を取り巻く現状についても解説したいと思います。

自動車保険3年の長期契約が取り扱い中止!

目次

自動車保険 3年契約にすることのメリットとは?

ここでは、自動車保険を3年契約にすることのメリットを、5つのポイントに分けて解説していきます。

ポイント①:保険料が原則固定され、将来の値上げリスクを回避できるという安心感が得られる

自動車保険を3年契約にする最大の魅力の一つは、契約期間中の保険料が原則として固定される点にあります。

これは、予測しづらい将来の保険料上昇リスクを回避できる、大きなメリットです。

自動車保険料はなぜ変動するのか?

まず前提として、自動車保険の保険料は毎年一定とは限りません。いくつかの要因によって、毎年の契約更新時に保険料が変動することがあります。

保険料変動の主な理由は以下のとおりです。

・ノンフリート等級の変動(事故の有無により、契約更改後の保険料が上下する)
・保険料率の改定(保険会社や業界全体の統計データに基づく見直し)
・自然災害などの影響による保険金支払い増加(台風・地震・豪雨など)
・自動車部品の価格高騰やそれにともなう修理費の上昇
・事故率の変化(高齢化・自転車や歩行者との事故増加など)

こうした外部要因は、個人の事故歴や運転スキルとは関係なく発生します。

たとえ保険期間の1年間を無事故で運転していても、社会全体の損害保険支払額が増えていれば、契約更改後のノンフリート等級が上がっているのに、保険料も上がっているという現象は珍しくありません。

(通常、ノンフリート等級の上昇に反比例するかたちで、保険料は下がります)

3年契約で「保険料が変わらない」ということの意味

3年契約にすると、原則としてその3年間は契約時点の保険料が据え置かれる形になります。

つまり契約から3年間は、たとえ保険会社が保険料率を改定しても、契約者には影響しないということになるのです。

このことは、特に将来的に保険料の値上げが予測される時期において、経済的な面で有効な「防御策」となります。

現在の日本では高齢化社会が進み、事故率や医療費の上昇傾向が続いているため、保険料率の見直し(=実質的な値上げ)が行われる可能性は決して低くありません。

例えば、2022年〜2024年にかけて一部の損害保険会社では、事故件数や修理費の増加を理由に任意保険の料率を段階的に引き上げてきました。

こうしたタイミングで3年契約を選んだ場合、契約期間中はその値上げの影響を受けずに済むのです。

将来設計における「支出の固定化」は大きな安心材料

保険料が固定されるということは、家計の支出計画を立てやすくなるということでもあります。自動車を保有している以上、自動車保険は「必須経費」ですが、その額が不確定であると、年間の家計の予算を考える上で不安要素が残ります。

一方、3年契約で保険料が確定していれば、3年先までの保険コストが読みやすくなり、ライフプランの見通しも明確になります。

特に、育児や住宅ローン、教育費などといった「将来的な支出」が大きくなる世帯にとって、支出の固定化は非常に有益なポイントとなります。

中長期的な物価上昇にも備えられる

もう一つ見逃せないのが、物価の上昇による間接的な保険料値上げリスクです。

修理部品の輸入価格上昇や人件費の高騰が続けば、それはやがて保険料にも転嫁されます。つまり、契約時点では予想できなかった値上げが、1年ごとの契約更新において「じわじわ」と反映されてしまうのです。

そうした背景を考えたとき、3年契約で将来的なインフレの影響から保険料を守ることは、実質的な節約効果を持つ選択でもあるのです。

 

以上解説したように、保険料が固定されるというのは、単に金額が変わらないというだけでなく、将来の予測不能なリスクをコントロールできるということに他なりません。

経済情勢や社会環境が変化し続ける中で、3年契約という選択は、安心・安定・合理性を兼ね備えた手段ということができます。

「この先、どれだけ保険料が上がるか分からない」という不安を抱え続けるよりも、3年間だけでも保険料を固定してしまうという発想は、非常に理にかなっているのです。

ポイント②:毎年の更新手続きが不要で、手間が減る。 ~満期管理の煩雑さから解放される!~

自動車保険の契約は、多くの人にとって「1年更新」が当たり前になっています。

しかし、この毎年というサイクルには、意外と多くの手間と気遣いが伴います。

3年契約を選択することで、そうした手間から解放され、よりスマートに保険を管理することが可能になります。

毎年の保険契約の更改は、実は「やること」が多い

1年契約の保険では、更新時期が近づくと保険会社から通知が届きます。

そのタイミングで、契約者は以下のような確認・手続きを行う必要があります。

・保険証券や案内資料の確認
・補償内容の見直し(免責金額、車両保険の有無など)
・他社との保険料比較や見積もり取得
・支払い方法の選択・変更(口座振替、クレジットカードなど)
・インターネットまたは郵送による契約の更改手続き
・納付書等による期日内の保険料支払い確認

このような一連の作業を、毎年欠かさずに行うのは意外と面倒なものです。

とくに仕事や家事・育児で忙しい人にとって、たかが保険契約の更改といっても、時間や気力を取られます。しかも、この更改手続きをうっかり忘れてしまうと、「保険が切れている期間」が生まれてしまうという、重大なリスクに繋がる恐れもあり、とても神経を消耗するものでもあります。

3年契約なら「一度の手続き」で3年間有効

3年契約を選択することで、面倒な契約更改の作業は3年間に一度で済みます。契約手続きさえ完了してしまえば、次に何かアクションを起こすのは3年後となります。

契約期間の途中で特別な変更がない限り、3年間は自動的に補償が継続されます。

このことは、実は非常に大きなメリットであり、とくに次のような方には大きな恩恵があります。

・保険の仕組みについて難しくて苦手な意識を持っている方
・忙しくて書類確認や更新作業を後回しにしがちな方
・家族の保険管理も一手に引き受けている方
・離れて暮らす高齢の両親の保険を代理で管理している方

このように、「1回の手続きで3年分の安心」が手に入るのは、日々の生活を少しでも効率的・快適にしたい現代人にとって、見逃せないメリットです。

「更改手続き忘れ」のリスクも回避できる

毎年の更新が必要な契約では、忙しい日常の中にあっては契約更改手続き自体を忘れてしまうというケースが少なくありません。万が一、手続き漏れで保険が切れている間に事故を起こしてしまった場合、補償を受けられないという重大なリスクが発生します。特に注意が必要なのが、「自動車税は払ってるけど保険は切れていた」というようなケースです。こうした事態は、単なるうっかりミスで済まされず、金銭的にも法的にも深刻な影響を及ぼします。

3年契約であれば、そのような手続き忘れによる無保険状態を防ぐことができます。

契約者自身はもちろん、家族や同乗者を守るという意味でも、「保険が途切れない状態を確保する」ことは非常に大切です。

管理コストの削減と精神的なゆとりが得られる

実は、毎年の保険契約の更改作業には「目に見えない管理コスト」もかかっています。

たとえば、下記のような状況を想像してみてください。

・契約関連書類を探す手間
・補償条件や保険金額を比較検討するストレス
・決断を迫られる心理的負担

このように、「考える」「判断する」「行動する」という一連のプロセスには、実は精神的なエネルギーを消耗させる側面があります。

その点、3年契約にすることで、その負担が単純計算で3分の1になります。日常生活の中で少しでも「考えること」を減らし、大事な判断は本当に必要なときだけに集中させたいと考える人にとって、これは非常に合理的な選択肢です。

 

自動車保険は、事故が起きたときに助けになるだけではなく、日々の生活の中でも安心を与えてくれる存在です。

その保険をより快適に、ストレスなく運用する手段として、3年契約という選択肢は非常に有効です。

煩雑な更新手続きから解放され、うっかり手続き漏れリスクも減らせる。しかも、必要な補償はずっと継続されている。

このような「手間なく、抜け目のない安心」を手に入れるために、3年契約という選択肢は大いに検討する価値があるといえます。

ポイント③:割引が適用される場合がある ― 長期契約で得られる「目に見える経済的メリット」

自動車保険を3年契約にすることによって得られるメリットの中でも、実際に「金額が安くなる」という経済的なメリットは、多くの人が最も気になるポイントではないでしょうか。

実は、多くの損害保険会社では、一定の条件を満たす長期契約者に対して、「長期契約割引」と呼ばれる優遇措置を用意しており、これが「保険料が安くなる仕組み」の核となっています。

「長期契約割引」とは?

長期契約割引とは、一定期間(たとえば3年)をまとめて契約することで、総額の保険料に対して割引が適用される制度です。

これは1年契約を3回更新した場合と比較して、トータルの保険料総額が安くなるように設計されています。

保険会社から見れば、長期契約者という存在は、契約が満期を迎えるたびに保険を他社に乗り換えたり、解約されたりするリスクが低く、安定した契約者ということができます。

そのため、保険会社にとっても経営上のメリットがあることから、コストの一部を契約者に還元するという形で割引が提供されているのです。

どのくらいの割引があるのか?

割引率は保険会社や契約条件によって異なりますが、割引の考え方としては、おおむね以下のような傾向があります。

・3年契約で3%〜5%程度の保険料割引
・車両保険・対人・対物の全てに対して一律割引が適用されるケースもある
・同一車両・契約者で長期にわたって無事故なら、さらに優遇される場合も

たとえば、年間の保険料が8万円の契約者が3年契約にした場合、1年ごとの契約では総額24万円かかるところ、長期契約割引によって23万円台前半に抑えられるといったケースもありえます。

数千円~1万円以上の差が出ることもあり、これは単なる「契約更改手続きの手間の省略」以上に明確な経済的メリットといえるでしょう。

割引は「実質的な保険料の値上げ対策」でもある

保険料の割引は、そのまま将来的なコスト圧縮につながります。

たとえば、1年更新で保険料が毎年じわじわと上昇していくケースと比較して、3年契約で割引が効いていれば、実質的に将来の値上げを抑える効果を持ちます。

このように、「固定」+「割引」というダブルのメリットによって、長期契約は非常に合理的な選択となり得ます。

その他の優遇制度と併用可能なことも

また、保険会社によっては、以下のような割引制度と併用できる場合もあります。

・無事故割引(等級による保険料優遇)
・インターネット申込割引
・ゴールド免許割引
・新車割引
・セカンドカー割引
・盗難防止装置割引

このような割引と併用することで、保険料を10%以上安く抑えることが可能になるケースもあります。

3年契約という枠組みを活かして、これらの制度を上手に組み合わせることで、さらに賢く保険料を抑えることができるのです。

割引だけではなく「特典付き」の場合も

一部の保険会社では、3年契約者に向けて特別な特典やサービスを用意していることもあります。たとえば下記のようなものです。

・契約期間中のロードサービス回数の上限アップ
・契約期間中の無料メンテナンス(提携整備工場など)
・契約者限定のポイントサービス、ギフト券プレゼント
・災害発生時の優先対応・簡易受付システム

このような、実質的な「プラスα」があることで、3年契約のコストパフォーマンスはさらに高まります。

割引に加え、利便性や安心感の面でも「長期契約してよかった」と感じられるでしょう。

ポイント④:等級や事故有係数の進行も維持される ~長期契約でも「保険の評価」はちゃんと進む~

自動車保険を選ぶうえで、「保険料がどのくらいかかるか」は誰しもが気になるポイントです。

その保険料額を左右する最大の要素が、いわゆる「等級制度」です。

実はこの等級制度、3年契約を選んでもきちんと適用・進行するように設計されているのです。

ここでは、その仕組みと、3年契約における等級の扱いについて詳しく解説します。

そもそも「等級制度」とは?

自動車保険の等級とは、契約者が過去にどのくらい事故を起こしてきたか(保険金を請求してきたか)をもとに、保険料を上下させる仕組みです。

初めて任意保険に加入する人は「6等級」からスタートし、1年ごとに無事故であれば(保険金請求がなければ)1等級ずつ上昇していき、最高で「20等級」まで到達できます。

・等級が上がるほど保険料は安くなる(最大約60%割引)
・事故を起こすと等級が下がり、保険料が上がる(割引が減るか、割増になる)
(事故を起こしても保険金請求しなければ、等級に影響はありません)
・等級の変動は1年に1回だけ適用される

つまり、等級は「安全運転をしているか」について保険会社が下す評価のようなものであり、長く無事故でいればいるほど、保険料が安くなるという仕組みなのです。

3年契約でも等級は1年ごとに進む

長期契約だからといって、「等級が止まる」わけではありません。3年契約においても、等級は1年ごとに自動的に進行するのです。たとえば、契約時に「12等級」だった人が3年間無事故であれば、契約満了時には「15等級」になっています。保険会社は契約時点で将来の等級を予測し、年ごとの等級に応じた保険料を3年間分あらかじめ算出してくれるケースが一般的です。つまり、「長期契約だから損する」「等級が上がらないから得がない」といった心配は無用です。長期契約であっても、安全運転・無事故の評価はきちんと反映されるのです。

万が一、事故を起こしても契約期間中は保険料は上がらない

3年契約のもう一つの安心材料がここです。通常の1年契約で事故を起こすと、翌年の契約更新時に等級が下がり、保険料が値上がりします。これに対して、3年契約では事故を起こしたとしても、契約期間中は保険料が変わらず据え置きになります。これは、「事故有係数適用期間」という制度の考え方によるものです。事故を起こした場合、保険会社は一定期間(通常は3年程度)にわたって「事故を起こした人」としての割増率を適用します。しかし3年契約であれば、事故を起こしても契約更新のタイミングが3年後になるため、次の更新まではその割増が反映されないのです。この点は、保険料の急激な上昇を避けるうえでも非常に有利な要素といえます。精神的にも、家計的にも大きな支えとなります。

保険料を「急に上げたくない人」に最適な選択

自動車事故は誰にでも起こり得ます。いくら安全運転を心がけていても、公道を走る以上、事故に巻き込まれてしまう(もらい事故)可能性までをもゼロに排除することはできないからです。しかし、事故を起こしたあとにすぐさま保険料が何万円も跳ね上がるというのは、家計にとって大きな打撃になります。3年契約は、そうした「突発的な保険料上昇」を時間的に先延ばしにできるという意味で、非常に実務的で賢い契約方法です。

もちろん、事故が起きて保険金請求をすれば(もらい事故だったとしても)、次の契約更改時にはその影響はしっかり反映されますが、「いま」の保険料を守ることができるという意味では、計画的に家計を立てたい人にとってありがたい選択肢となります。

ポイント⑤:長期間の安心感 ~途切れのない補償がもたらす心のゆとり~

自動車保険は、「いざというとき」に自分や家族、相手方を守るための大切な備えです。だからこそ、保険そのものが常に「有効である」という状態は、何よりも重要です。3年契約を選ぶことで得られる最大の価値のひとつが、この「補償が途切れないことによる安心感」です。

事故のリスクや自然災害の増加が叫ばれる現代社会において、日々の運転生活の中で「保険がちゃんと継続しているか」を意識し続けるのは、意外とストレスがかかるものです。ここでは、長期契約がもたらす「心のゆとり」と、生活全体への良い影響について詳しく解説します。

いつ起こるかわからない事故に、確実な備えを

交通事故は、どれほど気をつけていても完全に防ぐことができるというものではありません。また、自分が加害者になるだけでなく、巻き込まれるケース(被害者になる場合)もあります。さらに、自然災害による被害や駐車中の車両の破損、いたずら、盗難といった、想定外のリスクも存在します。

そうした不測の事態にともなう経済的な損失に備えるために保険は存在するのですが、更新手続きの遅れや保険期間の切れ目が生じてしまうと、その肝心な時に補償が適用されないという最悪のケースが起こり得ます。

3年契約であれば、一度契約してしまえば、3年間ずっとそのリスクから守られている状態が続きます。補償が常にバックにあるというだけで、運転中や外出時の心構えもぐっと落ち着いたものになるのです。

家族の安心にもつながる

自動車保険の補償範囲は、契約者本人だけでなく、配偶者や家族が運転した場合にも適用される内容が一般的です。つまり、自分の運転だけでなく、家族の運転による事故にも対応するため、保険の有効性は「家族全体の安心」に直結しています。

たとえば、次のようなケースを想像してみてください。

 

・子どもが運転免許を取得し、親の車を借りて運転する
・高齢の親がマイカーを持っており、子どもがその保険管理をしている
・夫婦で共用している自動車に乗る機会がお互いにある

 

このようなケースでは、「保険がちゃんと続いているかどうか」を本人だけでなく家族全体で管理しなければならず、契約の更新の度に確認や調整が必要になります。

3年契約にしておけば、こうした管理負担を最小限に抑えつつ、家族全員にとっての安心が持続されます。とくに高齢の親が運転している場合など、「契約更新手続き忘れによる無保険状態」を回避する意味でも、長期契約は非常に有効です。

多忙な生活の中でも「心の片隅にある不安」を取り除ける

現代人は、多くの情報・選択・手続きに追われながら生活しています。仕事、育児、介護、家計管理、災害への備えなど、1年365日、何かしらに「気を配る」場面が存在します。

そんな中、自動車保険のことにまで気にし続けるのは、精神的にも負担です。「そろそろ更新時期だったかな?」「保険料の支払い済ませたっけ?」「補償内容見直さないとダメかな?」といった小さな不安が、日常の心のどこかに常にあるのは、決して快適とは言えません。

3年契約にすれば、「あと何年かは何もしなくて大丈夫」と思えることで、頭の片隅から一つ心配ごとが消えることになります。これは、生活に余裕をもたらす上で、非常に大きな効果があります。

「いつでも補償されている」という心理的安定

人は、「補償されている」「守られている」と感じるだけで、行動にゆとりが生まれます。3年契約で補償の空白がない状態が続くことで、運転時の気の持ち方や判断にも影響が出ます。たとえば、

 

・無意識に焦ることが少なくなり、安全運転の意識が高まる
・事故やトラブル時に、保険の有無を心配する余計な不安がない
・自然災害や盗難などが発生しても「とりあえず保険に連絡しよう」と落ち着いて行動できる

 

このように、行動の質にも影響を与える「安心のベース」が確保されていることは、実際に事故が起こるか否かにかかわらず、大きな価値があります。

自動車保険を3年契約にするということは、単なる手間の削減でも、割引の獲得でもありません。もっと本質的には、「補償が常に継続しているということによる、心のゆとり」こそが、最大のメリットです。契約したその瞬間から3年間は、保険について考える必要がほぼなくなり、いつでも万が一に備えて守られている状態になります。これは、言い換えれば「保険のことを考えなくていいという自由」を得るということです。

多忙な現代社会において、少しでも「気にしなくてもよい領域」を増やすことは、大きな意味を持ちます。保険に求めるのは、事故時の補償のもちろんのこと、それだけではなく、「それまでの安心」も必要です。この考え方に立てば、自動車保険の3年契約は、非常に優れた選択肢となります。

自動車保険3年契約はこんな人におすすめ!

3年契約の自動車保険は、次のような方に特におすすめです。

・長期間同じ車に乗り続ける予定がある人
・毎年の保険見直しや更新が面倒だと感じている人
・保険料の値上げに備え、コストを安定させたい人
・家族や高齢の親などの車両管理を一元化したい人

ご自身のカーライフを振り返ってみて、上記に当てはまる方はぜひ3年契約を検討してみましょう。

3年契約において注意すべき点

もちろん、3年契約には注意すべき点もあります。たとえば、契約途中で自動車を買い替えたり、補償の内容を変更したくなった場合、中途解約や再契約の手続きが必要になることがあります。また、保険料を一括で支払う場合は初期負担が大きくなる可能性もあります。そのため、自動車保険を3年契約にする際には、自分自身のライフプランやカーライフの見通しをしっかりと立てた上で判断することが大切です。

自動車保険の3年契約には、多くのメリットがあります。保険料の安定化、更新手続きの簡素化、割引適用の可能性、長期間の安心感の醸成など、長期的な視点で見ると非常に合理的な選択肢と言うことができます。保険選びは「いざという時」のための大切な備えです。だからこそ、短期的なコストだけでなく、将来の安心と効率性を重視した保険選びをおすすめします。自分のライフスタイルに合った契約方法を検討しましょう。

3年などの長期契約を取り巻く現状

最期に、自動車保険の、とりわけ3年契約といった長期契約を取り巻く現状について触れたいと思います。実は2025年に入り、損害保険業界では自動車保険における「3年契約」の新規受付を終了・見直す動きが広がっています。これまで長期契約の安定性や割安な保険料を評価して利用してきた契約者にとっては、大きな転換点となるニュースです。

3年などの長期契約が取り扱い中止!背景にある3つの要因

では、なぜ各保険会社がこの長期契約を取り扱わなくなっているのでしょうか。主な理由として、以下の通り3つの要因が考えられます。

①損害率の変動が大きくなってきた

近年、自然災害や高額な保険金請求事故の増加、先進技術搭載車の修理費高騰などにより、保険会社が予測していたよりも保険金支払額が増加しています。これにより、長期固定型の契約ではリスクを適切に反映した保険料設定が難しくなってきました。

②制度・料率改定への柔軟性が不足

1年契約であれば、保険会社は市場動向や法制度の変化に応じて毎年見直しができます。しかし3年契約では、途中での料率改定が困難で、保険会社にとって不利な契約が続くこともあるため、経営上の負担となっていました。

③契約者のリスク変化への対応が難しい

契約者の年齢、事故歴、自動車の使用状況の変化などに合わせて補償内容を最適化するには、年単位での見直しが理想です。長期契約ではこうした調整がしづらく、保険の柔軟性が失われやすいという課題も浮上していました。

実際に、2024年後半から2025年初頭にかけて、これまで自動車保険の3年契約を取り扱っていた保険会社は軒並み新規引き受けを停止しています。

実際に取り扱いを中止した保険会社の例

2024年後半から2025年初頭にかけて、自動車保険3年契約に対して損害保険会社各社は以下のような動きが確認されています。

保険会社名取り扱い状況(2025年8月時点)
A損害保険会社新規の3年契約の受付を終了(更新は当面継続)
B損害保険会社一部代理店での長期契約の新規受付を停止
C損害保険会社一部商品を除き、長期契約の新規取り扱いを縮小
D損害保険会社長期契約商品を段階的に廃止の方針

※ 上記は2025年8月時点の情報であり、今後変更される可能性があります。

契約者への影響は?更改・切替時の注意点

現在3年契約中の人については、契約期間中は補償が継続されます。

ただし、満期を迎えると自動的に1年契約へ移行する場合が多く、再契約時の条件が変わる可能性があるため注意が必要です。

特に以下の点についてはしっかり確認しておくことが重要です。

・満期日以降の保険料が上がる可能性がある
・割引率や特約の内容が変更される場合がある
・長期契約の割引が適用されなくなる

今後は「補償を毎年見直す時代」へ

今後は、契約者にとっても自動車保険を毎年見直すことが当たり前になる時代になると考えられます。

特に以下のような点に注目して自動車保険選びをすることが求められます。

・毎年の事故歴・等級変化に応じた最適な保険会社の選定
・自分のライフスタイル・カーライフの変化に応じた補償内容の見直し
・複数の保険会社を比較するための見積もりツールの活用

また、近年はインターネット型(ダイレクト型)保険会社のサービスが進化しており、保険料の比較や契約の手続きが容易になっているため、柔軟に乗り換えることも十分可能です。

まとめ:安定志向から柔軟性志向へ

今回の記事では、自動車保険3年契約で得られるメリットを紹介し、自動車保険3年契約を取り巻く現状についても解説しました。

自動車保険の3年契約は、多くの契約者にとって「手間のかからない安心の選択肢」でした。しかし、社会環境や保険制度の変化により、その安定性が保険会社側にとってのリスクとなり、取り扱いの中止という流れが加速しています。

保険会社によっては3年契約の既契約者については3年契約の継続が認められるところもありますが、原則としてこれからは、1年ごとの見直しを前提に、「自分に合った保険を自ら選ぶ姿勢」がますます重要になる時代となります。

これを機に、自動車保険との付き合い方を一度見直してみてはいかがでしょうか。

自分にとって何が最適なプランなのか判断できない場合は、一人で悩んだりせず、保険の専門家(保険会社や保険代理店の営業担当者)に気軽に相談してみましょう。

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