無職ニートの税金どうしてる?親の仕送り税金種類は?株やFX・仮想通過で収入を得たらいくら税金を払うの?の質問に回答します。
国民の義務ともいわれる納税ですが、一言で納税と言ってもいろいろと種類があります。
この日本に住む限り納税=税金からは逃れられません。
ですが、素朴に疑問に思うことは無職の人やニートの人は税金をどのようにしているのか?
であったり、親から仕送りをもらっている人たちの税金はどうなってるのか?
株や仮想通貨またFXで収入を得たらどれだけ税金を払うのか?
など今回の記事では税金についていただいた質問に回答して行きます。
目次
質問:無職ニートは税金免除を受けられますか?
私の息子は実家暮らし30代のいわゆる子供部屋おじさんです。
親である私と妻で息子の生活費をまかなっていますが、私たちにも老後の生活が待っています。
いつまで耐えられるか耐久戦で正直キツイです。
息子は就職する様子は見受けられません。
少しでもニートの親の負担を軽くする措置があれば知りたいです。無職ニートは税金免除を受けられますか?
回答|職に就いていようが無職であろうが、必ず払わなければならないお金があります。
日本に住んでいる限り、職に就いていようが無職であろうが、必ず払わなければならないお金があります。
それは国民年金、国民健康保険といった社会保険と住民税が該当します。
それぞれについて、その概要と減免制度を解説します。
●国民年金、
●国民健康保険
●住民税
国民年金
日本の年金制度は3階建ての構造とよく言われています。具体的には下記のような仕組みになっています。
1階部分:国民年金。20歳から60歳未満の全国民に加入義務があります。
2階部分:厚生年金保険。会社員や公務員が加入対象となります。自営業者の方は任意で国民年金基金に加入することで、2階部分をつくることができます。
3階部分:私的年金と呼ばれています。個人年金保険やiDeCo、企業年金があります。
加入している階数部分が多いほど、将来受給できる年金額も増えていきます。
1階部分の国民年金は年齢要件を満たした全国民に加入義務があるため、無職になっても国民年金には必ず入らなければならず、保険料は払わなくてはなりません。
ただ、国民年金には保険料の免除制度・納付猶予制度があります。要件は本人や配偶者、世帯主の所得によって決まります。
【参考サイト:日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度】
国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
なお、この制度を利用するには申請が必要です。もし制度の利用を検討する場合は、早めにお近くの年金事務所等に相談してみましょう。
国民健康保険
日本の医療保険制度は国民皆保険制度とも呼ばれ、国民すべてが公的医療保険に加入するという医療保険制度のもと運営されています。
医療保険制度は大きく分けて下記の3つに分類されます。
被用者保険:会社に勤めている人が加入
国民健康保険:非正規雇用者、自営業者、退職した人などが加入
後期高齢者医療制度:75歳以上を全員対象とする
上記いずれかに加入することで、自己負担額は医療費総額の1~3割といった一定割合のみで医療給付を受けることができるのです。
なお、いずれかの公的医療保険に強制的に加入することになりますので、無職の方であれば国民健康保険に加入することになり、当然保険料を支払わなければなりません。
国民健康保険にも国民年金同様、保険料が軽減・減免される制度が用意されています。
国民健康保険料は前年の世帯全体での所得額を根拠として決定され、世帯全体の所得額が一定金額を下回る場合、2~7割が軽減されます。
申請方法については各市町村の窓口で確認することをおすすめします。
【参考サイト:厚生労働省 国民健康保険の保険料・保険税について】
国民健康保険の保険料・保険税について (mhlw.go.jp)
住民税
住民税は教育や福祉、行政サービスの財源として、自治体が徴収している税金です。
支払う税金は前年の所得に応じて決まるという仕組みになっていて、1月1日現在に居住している自治体に納付することになります。
仮に現在無職であったとしても、前年において収入があった場合には納付義務が発生するので注意が必要です。
住民税にも失業や生活保護などで支払いが困難な場合に、その一部または全額が免除になる減免の制度があります。
なお、すべての市町村で減免の制度が実施されているわけではないので、申請の前にお住いの地域でこのような制度があるのかを事前に確認しておきましょう。
参考までに埼玉県草加市の減免制度の概要と申請方法の情報を記載します。
【参考サイト:草加市 令和6年度個人市民税・県民税の定額減税】
令和6年度個人市民税・県民税の定額減税 – 草加市役所 (city.soka.saitama.jp)
以上のように、無職の方のための減免制度は国民年金、国民健康保険、住民税ともに用意されています。
申請が必要なものもありますので、お住まいの自治体に確認するなどして、手続きを進めるようにしましょう。
質問:無職になったら払うべき税金の種類はどれが該当しますか?
数年間会社員として長らく働いていましたが、限界を迎えて無職になりそうです。ストレス過多な職場に耐えられません。
しかし、一方で無職になったらどんな生活が待っているのか想像するとそれもそれで不安です。貯金も収入も少ないので、特に税金まわりが気になります。
無職になったら払うべき税金の種類はどれが該当しますか?
回答|払うべきお金は基本的に給与から天引きされていたことと思います…
質問者様は数年間会社員として働いていたということで、払うべきお金は基本的に給与から天引きされていたことと思います。
自動的に控除されていたので意識できなかったかもしれませんが、無職になると、こういった天引きされていた払うべき税金を自分で払わなくてはなりません。
では、払うべきお金とはどういったものなのでしょうか。ひとつずつ整理していきます。
払うべきお金①:国民健康保険
払うべきお金②:国民年金
払うべきお金③:住民税
払うべきお金①:国民健康保険
会社員であった頃は、勤務先の会社を通じて健康保険に加入していました。保険料は労使折半で、給与から天引きされていました。ところが会社を退職すると、国民健康保険に加入することになり、保険料も全額自己負担となります。保険料額は加入者個人ごとの所得金額が根拠となります。一例として、埼玉県草加市の保険料の計算方法をご紹介します。
【参考サイト:草加市 国民健康保険税の課税・算定・納付方法】
国民健康保険税の課税・算定・納付方法 – 草加市役所 (city.soka.saitama.jp)
※日本は国民皆保険制度のもと、国民全員が必ず公的医療保険制度に加入しなければなりません。
払うべきお金②:国民年金
会社員であれば国民年金第二号被保険者として、厚生年金保険に加入していました。健康保険同様、厚生年金保険料も労使折半で給与天引きされていました。退職すると国民年金第一号被保険者となり、保険料は全額自己負担しなければなりません。なお、国民年金の保険料は所得に関わらず定額で、16,980円/月(令和6年度)です。
【参考サイト:日本年金機構 国民年金保険料】
払うべきお金③:住民税
住民税も会社員であれば給与からの天引き(特別徴収といいます)とされていました。
住民税には労使折半等といった取り扱いはなく、全額が自己負担です。そのため、在職者であっても無職であっても払わなくてはならないお金に変わりはありません。
以上のように、無職になっても上記3点は払わなくてはなりません。それぞれに所得や家族構成等に応じた減免制度がありますので、お住いの自治体等で相談することをおすすめします。
最後に、無職になったらもらえるお金についても触れておきます。
無職になったらもらえるお金:雇用保険
退職までの一定期間、雇用保険に加入していると、給付を受けることができます。
自己都合による退職か、会社都合による退職かで受給までの待期期間や受給期間が異なりますので注意が必要です。
受給できる金額は賃金日額の50~80%が非課税で受給できる仕組みです。退職後は早めに管轄のハローワークで申請するようにしましょう。
【参考サイト:ハローワーク インターネットサービス 基本手当について】
ハローワークインターネットサービス – 基本手当について (mhlw.go.jp)
質問:ニートですがFXで収入を得ました。税金はいくらかかるでしょうか?
恥ずかしながら長年ニートをしている者です。
ニートでありながらFXには興味があるのでひきこもりをしつつ日々情報収集をしていました。
幸いなことにFXで多額の収入を得ることに成功をしました。金銭を得ることでとても安心をしてます。
しかし、多額の金額なので税金としても沢山もっていかれるのだろうなというのは想像しています。
ニートが得たFXによる収入に対して税金はいくらかかるでしょうか?
回答|FXで得た利益は「雑所得」として課税の対象となり、所得税と住民税が課税されます。
不動産収入や株式投資による収入同様、FXで利益を得ても税金が課せられます。
納税は国民の義務でもありますので、FXを行う上で税金に関するある程度の知識は備えておかなくてはなりません。ここでFXに関連する税金について解説します。
FXで得た利益は「雑所得」として課税の対象となり、所得税と住民税が課税されます。
【参考サイト:国税庁 No.1500 雑所得】
課税方式は申告分離課税で、原則として確定申告しなければなりません。
【参考サイト:国税庁 No.2240 申告分離課税制度】
No.2240 申告分離課税制度|国税庁 (nta.go.jp)
納めるべき税金は、下記の計算式によって算出した金額に対して、税率の20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)を乗じます。
課税対象金額 = 為替差益 + スワップポイントによる利益 - 必要経費(※)
(※)セミナー受講料や取引手数料、書籍購入費用が必要経費として認められる可能性があります。
なお、仮にFXで損失が発生した場合には、基本的に確定申告は不要です。
ただし、FXの他にも投資をしているような場合は、損益通算することで課税所得を小さくすることができますので、基本的に確定申告は念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
質問:ニートで親からの仕送りをいくらかもらっています。この場合、納める税金はどの種類に該当しますか。
ニートです。大学生の頃から一人暮らしを始めました。
大学を卒業をしたら就職活動の末に会社員となって働く予定でしたが、就職活動をするにつれて社会に出るのが嫌になってしまいました。
すでに大学を卒業して数年が経過して無職の状態を継続しています。
大学生の頃の延長線で今現在も親からの仕送りをいくらかもらっています。この場合、納める税金はどの種類に該当しますか。
回答|お金などの財産の授受に対しては贈与税がかかる可能性があります。
仕送りとはいえお金などの財産の授受に対しては贈与税がかかる可能性があります。
贈与税は、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金です。
【参考サイト:国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合】
No.4402 贈与税がかかる場合|国税庁 (nta.go.jp)
年間の受取額が110万円を超えると課税の対象となり、税金の申告が必要になります。
【参考サイト:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)】
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁 (nta.go.jp)
質問者様の仕送り額を計算し、年間の受取額が110万円を超えるようなら贈与税について意識しておかなくてはなりません。
ただし仕送りの用途が生活費に該当するのであれば贈与税の対象外となります。
国税庁のホームページにも贈与税がかからない財産として、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と身とみられるもの」との記載がございます。ぜひ参考にしてみてください。
【参考サイト:国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合】
No.4405 贈与税がかからない場合|国税庁 (nta.go.jp)
質問:ニートが仮想通過や株で利益を得た場合の税金の払い方を教えて下さい。
ニートです。趣味程度に仮想通過や株をやっています。
もしもこの仮想通過や株で一発当てることが出来て大金が舞い込んできた場合、全額を手元に置くことは可能なのでしょうか。
税金としていくらか持っていかれてしまうのでしょうか。
過去に会社員をやっていた頃は年末調整で納税をしていましたが、ニートになってからは確定申告もしていません。
ニートが仮想通過や株で利益を得た場合の税金の払い方を教えて下さい。
回答|仮想通貨や株式で得た利益も課税対象になり、納税義務が発生します。
仮想通貨や株式で得た利益も課税対象になり、納税義務が発生します。仮想通貨と株式それぞれについて解説します。
●仮想通貨
●株式投資
仮想通貨
仮想通貨の取引によって利益がでた場合、原則として「雑所得」に分類されます。
所得税の計算方法として総合課税が適用され、他の所得と合算して納めるべき税金を計算します。
所得金額が大きくなればなるほど税率も高くなる仕組みである超過累進税率が適用され、その税率は最大で45%です。
【参考サイト:国税庁 No.2260 所得税の税率】
No.2260 所得税の税率|国税庁 (nta.go.jp)
株式投資
株式投資には2種類の利益があります。
それは株式を売却したときの儲けである譲渡益と、企業が投資家に分配する利益の一部を指す配当金の2種類です。
それぞれについて税金の計算方法が異なります。譲渡益は必ず申告分離課税となり、利益部分に対し20.315%の税率が課せられます。
それに対して配当金については申告分離課税と総合課税のいずれかを選択することができます。
申告分離課税は前述の通りですが、総合課税の場合は所得金額に応じて所得税率が変わります(超過累進税率が適用されます)
さらに総合課税の適用を受けた配当所得の場合、配当控除を受けることができるので、一定以下の所得の人であれば総合課税を選択する方にメリットがあります。
【参考サイト:国税庁 No.1250 配当所得があるとき(配当控除)】
No.1250 配当所得があるとき(配当控除)|国税庁 (nta.go.jp)
以上のように、仮想通貨や株式投資で利益が出るような場合、納税義務が発生します。それぞれに計算方法が異なり、さらに計算方法を納税者自身で選択できる場合もあります。
自分選択でうっかり損をしてしまうのが不安な方は、専門家である税理士に相談することをおすすめします。