結婚後に家族や子供を守る為の加入した方が良い保険や将来に備える為のおすすめ保険などを専門家が回答!
結婚や出産は人生において大きな分岐点です。このような、人生における重要な分岐点で保険の見直しを考える人は多いのではないでしょうか。今回の記事では、このような時に保険を見直すポイントについて、質問に対する回答を通じて解説していきます。
目次
質問:結婚したあとに家族を守れるような保険を知りたいです
お付き合いをしていた方にプロポーズしました。今度家族を守っていく使命を感じており、自分の身に何かあった時に家族の生活を守れるような保険に加入したいと考えています。
お恥ずかしながら貯蓄が多くあるわけではないので、万一のことがあって病気やケガで仕事ができなくなった場合にも妻や子どもの生活費・教育費をまかなえるようにしたいです。
死亡保険や医療保険は入りたいと思っているのですが、最適な保険を教えてください。
回答|生命保険を見直したり、未加入の人であれば、加入を検討したりする人は非常に多い
結婚をきっかけとして、これまで加入していた生命保険を見直したり、未加入の人であれば、生命保険への加入を検討したりする人は非常に多いです。
保障について考えるうえで、結婚前であれば自分に万が一のことがあった場合、自分自身のことだけを意識すればよかったですが、結婚後となると自分に万が一のことがあった場合、パートナーの将来やいずれ生まれてくる子供のことも考えなければなりません。
以上のことを念頭において、結婚をきっかけとして検討するべきおすすめの保険を4種類紹介します。
- 死亡保険
死亡保険は被保険者に万が一のことがあった場合、保険金を受け取るものです。残された家族の残りの人生を思えば、なによりも優先して検討すべき生命保険といえます。死亡保険には定期保険と終身保険の2種類があり、ともに被保険者の死亡時に保険金が支払われるという点で共通しています。
定期保険は保険期間のみ保障を受けられるのに対し、終身保険は文字通り終身(一生涯)の保障を得られます。定期保険は、一般的に保険料が安く、解約返戻金は発生しません。対して終身保険は、保険料は比較的高いものの、解約返戻金があるので、貯蓄としての側面もあります。
- がん保険
がん保険は、その名の通りがん治療に特化した保険です。がんによる入院通院時の給付金や先進医療の保障だけでなく、がんと診断確定した段階で一時金を受け取れる点が特徴的です。がんは日本人の2人に1人がなるといわれていて、治療に要する期間も長期にわたります。治療の長期化に比例して医療費も高額になります。リスクについて考えるうえで、決して無視できないものです。
- 医療保険
がんを含めた病気やケガに備えて保障する保険です。病気やケガによる入院や手術の際に給付金を受け取ることができます。また、特約を付帯することで、たとえば3大疾病り患の際に保障を手厚くすることもできる、比較的自由度の高い保険です。保障ニーズにあわせて検討するようにしましょう。
- 就業不能保険
就業不能保険は、病気やけがで働けなくなってしまった場合の、生活費を保障する保険です。万が一働けなくなってしまった場合、会社員等であれば、加入している健康保険で傷病手当金を申請することができます。
【参考サイト:協会けんぽ 傷病手当金】
傷病手当金 | こんな時に健保 | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
ただ、傷病手当金は受給額の面でけっして十分な額とはいえず、また永久にもらえるものでもありません。就業不能保険で不足額をカバーするような付保の仕方が合理的です。
結婚のタイミングで検討するべき保険は主に上記の4種類となります。自分に万が一のことがあったと仮定して、残されたパートナーはどのような点で困るのか、を想像して検討するようにしましょう。
最後に補足として、上記4種類よりは優先順位は劣るものの、余裕があれば検討しておきたい保険を紹介します。
番外編:個人年金保険
老後の生活について考えた際、公的年金制度だけでは不安に感じるという方は多いのではないでしょうか。老後の生活をより豊かにするためにも、iDeCoやNISAと同様に個人年金保険についても、公的年金制度の上乗せとして検討の余地はあります。
質問:今度子どもが生まれる予定です。どのような保険に入った方がいいですか?
来年の春に子どもが産まれる予定です。
社会人になると同時に加入した生命保険と医療保険は今まで見直しをしたことがないため、子どもが生まれて忙しくなる前に見直しをしたいと考えています。
子どもが産まれた後に私自身が病気やケガで働けなくなった時にも子どもの生活費や教育費に苦労しないようにしておきたいです。
世間一般的に皆さんどのような保険に入っているのか、自分にどんな保険が最適なのか知りたいです。
回答|病気やケガ等やお子さんの生活費、教育費に備えるには就業不能保険が最適です。
新たな家族ができると保険に入らなくては、と多くの方が考えると思います。しかし、多くの方が具体的にどんな保険に加入すべきかわからないのではないでしょうか。
結論を最初に言うと、病気やケガ等で働けなくなった場合の、お子さんの生活費、教育費に備えるには就業不能保険が最適です。就業不能保険というと、あまり聞きなれない方も多いことと思います。そこで、以下に就業不能保険について、その特徴を4つのポイントで解説します。
- 病気、ケガ等で働けない時の収入減をカバー
就業不能保険は、その名の通り、就業が不能な状態を保障する保険です。病気やケガで働くことができず、収入が得られなくなったときに、給付金を受け取ることができます。給付金の額は、月額いくらと定額を決めるものもあれば、現在の収入額の〇〇パーセントといった形で定めるものもあります。
- 免責期間に注意
就業不能保険の特徴として、保険金の支払い対象とならない期間(免責期間)があります。保険会社によって取り扱いは異なりますが、免責期間はおおむね60日から180日の設定が一般的です。免責期間には、会社員であれば有給休暇を充当することもできますが、フリーランスの方は有給休暇というものはありません。この間の保障がない点に注意が必要です。
- 医療保険との違い
病気やケガになったときの保障という意味で、就業不能保険と医療保険はよく似ています。しかし医療保険と就業不能保険ではそもそもの保障の対象が異なります。医療保険は病気やケガによって入院や手術をした際に給付金が支払われるものです。言い方を変えると、入院や手術をしないと保険金は支払われません。それに対して就業不能保険は、入院や手術の有無にかかわらず、約款所定の就業不能状態に該当すれば、保険金を受け取ることができるのです。それぞれに保障の目的が異なりますので、入院中の医療費は医療保険でカバーし、退院後の就業不能状態は就業不能保険でカバーする、といったように効果的に付保することが大事です。
- 関連する公的医療保険制度
会社員であれば、病気やけがで働けなくなった場合、加入している健康保険で傷病手当金を申請することができます。受給できる額はおおむね給与の3分の2で、支給される期間は最長で1年6か月となります。
【参考サイト:協会けんぽ 傷病手当金】
傷病手当金 | こんな時に健保 | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
傷病手当金の受給額は給与の3分の2まで減少してしまうので、足りない部分を就業不能保険でカバーすると効果的です。
このように就業不能保険は、働けなくなった場合の家族の生活費の減少をカバーするのに最適です。ただ、就業不能保険だけでリスクをカバーするのではなく、公的医療保険の給付内容を吟味したり、ご加入中の民間の医療保険の保障内容も踏まえて、総合的に検討することをおすすめします。
質問:将来過ごしていくお金が不安です。備えられる保険はありますか?
お互いフルタイムで妻と2人暮らしです。夫婦でゆとりある老後を過ごすには2000万貯金が必要とニュースでも取り上げられているかと思います。
今はいませんが今後子どもが生まれる可能性もありますし、今のうちに老後に向けて備えておきたいと考えています。
持株会や投資などもありますがリスクが少なく、必要になった時に引き出せるようなものがあると理想なのですが、最適な保険はありますでしょうか。
回答|資産形成ができ、必要な時に引き出せて、かつ保障も兼ね備えたものという観点で考えると、終身保険が最適
2019年に金融庁が発表した「老後2,000万円問題」によって、老後に対する関心、不安が高まったという方は多いのではないでしょうか。老後の備えと聞くとまず多くの方がiDeCoやNISA、個人年金保険を思い浮かべることと思います。たしかに老後の資産形成を考えると、どれも良いものです。しかし老後に向けての資産形成ができ、必要な時に引き出せて、かつ保障も兼ね備えたものという観点で考えると、終身保険が最適です。
終身保険の契約方法として、保険料の払い込み期間を短期間します。そのようにすることで、保険料の払い込みを終えた後も保障を残すことができます。解約しない限り一定の利率で解約返戻金が増えていくので、資産形成をすることができます。必要になったら契約者貸し付けや部分解約をすることで、引き出すこともできます。
このような理由から、老後の資産形成と保障を備えるのには終身保険が最適です。ぜひ検討してみてください。
質問:がん家計なのですが保険に問題なく入れますか?
社会人になった時に医療保険に加入しましたが、最近医療保険だけでは癌はカバーできないということを知りました。
癌になった場合、通院や抗がん剤治療などで多額のお金がかかると聞いたことがあるため、癌保険のオプションがあれば今からでも加入しておこうと思ったのですが、叔父が胃がんで亡くなっており所謂癌家系と言われています。
問題なく癌保険には加入できますでしょうか。何か条件がつくようでしたら教えてください。
回答|がん家系だからという理由で加入に制限がかかるということはありません。
がん保険の加入に関し、がん家系だからという理由で加入に制限がかかるということはありません。保険会社によりますが、おおむね下記のような告知内容で運営されています。
【参考サイト:オリックス生命 がん保険Believe〔ビリーヴ〕の告知内容】
上記オリックス生命の例で言えば、「今までに、がんまたは上皮内新生物にかかったことはありますか」といった質問事項に1つでも該当すれば、引き受けができないということになります。契約の検討の段階で自分が加入できるかがわかるので、気になる保険会社の商品等がありましたら、WEBサイト等で告知事項を確認してみるのをお勧めします。
がん家系かどうかを質問事項にしている保険会社はありませんので、ご安心ください。
質問:過去に子宮筋腫と診断されたことがあります。女性専用の保険に加入できますか?
現在は医療保険のみに加入しており、未婚ですが今後の結婚妊娠出産のライフイベントを見据えて女性専用の保険に加入したいと考えています。
周りの友達からも保険を見直す際にオプションをつけたという話も聞きますが、女性専用の病気以外も補償してくれる保険はありますか。
また過去に子宮筋腫にかかっているので保険には加入できないのではと不安もあります。何か条件がつく形になりますか。
回答|引き受け基準緩和型の医療保険であれば加入しやすい
結婚、妊娠、出産といった将来想定されるライフイベントを思い浮かべると、現在加入している保障内容でどこまでカバーできるか不安になりますよね。
質問者様は現在医療保険にご加入中ということで、女性ならではの病気を含めた病気全般を保障範囲としています。女性専用保険は、通常の医療保険でカバーされる保障に加えて、乳房・子宮・卵巣に関わるような、女性特有の病気の場合にさらに保障が手厚くなるような仕組みです。たとえば入院給付金5,000円の契約の場合、病気やケガ等で入院した場合は、入院1日あたり5,000円の給付金を受け取ることができます。それが女性特有の病気で入院した場合、1日あたりさらに5,000円が上乗せされる等、手厚い保障を受けることができたりします。女性特有の病気での入院となると、プライバシー保護の観点から個室を希望することが多い傾向にあるので、このような手厚い保障は大きな助けとなります。
質問者様は過去に子宮筋腫の罹患歴があるとのことですが、そのような方でも引き受け基準緩和型の医療保険であれば加入しやすいです。普通の医療保険でも加入できる可能性はあるものの、無条件で加入するためには、最後の治療を受けてから5年以上経過している等といった要件を満たす必要があります。5年以内に治療歴がある場合は、部位不担保等や保険金削減といった条件がつく可能性が高いです(部位不担保とは、保険会社が特定の部位や疾病を保障の対象から除く条件のことをいいます)。
引き受け基準緩和型は、少ない告知で申し込むことができますが、保険料が高めの設定なので、まずは普通の医療保険で申し込んでみることをおすすめします。