火災保険「マンション・自宅事故に関して」補填に関してや見直すタイミングとポイントを専門家が回答!
火災保険の加入率は持ち家世帯で82パーセントといわれています。
その多くの人が、ご自身の加入している保険の補償内容をしっかり把握されていないのではないでしょうか。
これまで様々な突発的事案に遭遇して、補償内容を知らないがために、本来であれば保険金を請求できる事案を見過ごしていたなんてこともあるでしょう。
今回の記事では火災保険の補償内容について、様々な事例を通じて解説していきます。
この記事を読むことで、火災保険に関心を持ち、保険金請求の際の役に立てればと思います。
目次
質問:火災保険で家の中で起きた事故について補償できるって聞いたことがあるけれど本当?
小学生の2人の子供がいます。男の子ということもありやんちゃなので、家の物などを壊す事もしばしばあります。
最近だと家の中で取っ組み合いの喧嘩をしている時にテレビにぶつかり、テレビが床に落ちて液晶が割れてしまいました。
家の中で壊してしまった家電の修理に火災保険が使えるとSNSの投稿で見たことがあるのですが、修繕費用は出るのでしょうか。
ちなみに火災保険は今まで使ったことがありません。
回答|保険会社の商品において補償範囲を設定することができるようになっています。
ご質問の事例の場合、質問者様の加入している火災保険の補償対象に家財が含まれていて、補償するリスク区分をフルパッケージのものに設定されていれば補償対象となるでしょう。
家庭用の火災保険は、ほとんどの保険会社の商品において補償範囲を設定することができるようになっています。
火災保険という名称から、火事の時しか保険は使えないのでは、と思われがちですが、実は火災保険の補償範囲は広く、生活するうえで想定される様々なリスクを補償してくれるのです。
今回の事例であれば、「破損・汚損等」というリスク(保険会社ごとに呼称は異なります)を補償する設定になっていれば、補償対象となるでしょう。
なお、保険金請求の際には壊れたテレビの写真と購入時の領収書が必要になります。
購入時の領収書はすでにない場合も他の資料で代用は可能なので、気軽に保険会社へ相談してみましょう。
質問:上の階からマンションで水漏れがあり、自分の火災保険を使わないといけない?
マンションに住んでいます。先日仕事から帰り在宅していたところ、上の階からぽたぽたと水漏れがありました。
量としては多くないのですがバケツを置いておくと1日で半分くらいは水が溜まります。マンションの管理人の方を経由して上の階の方にもお伝えし、これから修理を依頼するところです。
今まで火災保険は使ったことがありませんが、今回使うことは出来るのでしょうか。
相手の火災保険を使ってもらうことになりますか。
回答|費用を負担すべき人は原因を作った人であり、上の階の方に費用の請求すべき事案です。
水漏れの原因が明らかに上の階にあり、お住まいの天井や家財に損害が生じたのであれば、原則として費用を負担すべき人は原因を作った人であり、上の階の方に費用の請求すべき事案です。ただ、住人同士のトラブルに発展しかねない損害賠償の請求は極力避けたいものですよね。
このような場合でも質問者様ご加入中の火災保険で「水ぬれ」リスクを補償対象としていれば、ご自身の火災保険を使うことができます。
しかし「水ぬれ」が補償対象になっていない場合、上の階の方に請求しなければ、費用の補償は得られません。
無用なトラブルを心配しないで生活していくためにも、ご加入中の火災保険について、いま一度ご契約内容を見直し、しっかりとした補償内容にしておくことをお勧めします。
質問:引越しの際にテレビが壊れてしまいましたが、補償対象になりますか?
夫婦2人暮らしで、先月引っ越しをしました。大手の引越し業者さんにお願いしてスムーズに引っ越しを済ませ日常生活を送っていますが、1ヶ月が経過した先日テレビの液晶に縦に線が入っていることに気付きました。
間違いなく引越しの時にできたものだと思われるのですが、引越し業者さんに連絡をしたところ補償はしていただけないようでした。
この場合は、火災保険の補償対象になりますか。
回答|引っ越し業者による作業中にできたものなのであれば、その業者が補償すべき
テレビの液晶の損害について、間違いなく引っ越し業者による作業中にできたものなのであれば、その業者が補償すべき事案です。残念ながら火災保険では補償対象とはなりません。
引っ越し業者が補償に応じていただけないのであれば、当時のお住まいが賃貸なのであれば大家さんや管理会社へ連絡して、支払に応じてもらえない旨を伝えてみましょう。
そもそも国土交通省の定めた標準引越運送約款の中で、引っ越し業者がその作業中に問題なかったことが証明できない場合、損害賠償責任を負わなければならない旨が規定されています。
標準引越運送約款:引越約款(全文) (mlit.go.jp)
大家さんや管理会社を通しても話が進まない場合は、自治体の相談窓口や国民生活センターに相談するのもひとつの手です。
引っ越し関連のトラブルは受け付けています。泣き寝入りすることはせず、とにかく関係各所に相談してみましょう。
質問:火災保険を見直すタイミングとポイントがわからないので知りたいです
戸建てを購入した際、火災保険に加入しました。
火災保険に加入するのは初めてだったので、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入しました。しかし、5年以上経っているため当時の補償内容はすっかり忘れてしまい、実際に今の私たち家族に合ったものになっているのか不安があります。
何かあってからでは遅いと心配に感じていますが、一般的にどのくらいの頻度で見直しをした方が良いのでしょうか。
回答|契約更新のタイミングで補償内容を見直すのが良いでしょう。
火災保険は有期契約の損害保険です。契約更新のタイミングで補償内容を見直すのが良いでしょう。
ただ担当者に勧められたまま加入したものであれば、関心をもったタイミングで見直すべきです。ましてやマイホームの火災保険なのであればなおさらです。
マイホームは一生で一番高価な買い物です。しっかりとした補償内容を付保することを強くお勧めします。
2024年初頭に発生した石川県の大地震がまだ記憶に新しいですが、地震だけでなく台風等も含む自然災害が毎年のように発生していて、甚大な被害をもたらしています。
それに比例して保険会社各社も保険金の給付額が大きくなっています。
そのような影響もあり、火災保険の保険料率は今後しばらく上昇傾向となるでしょう。保険料負担面で合理的なかけ方としては、火災保険は極力長期間で付保することがお勧めです。
※火災保険は最長で5年間の契約期間の設定が可能です。
質問:台風の時に、外から看板が飛んできて窓ガラスが割れてしまいました。補償の対象になりますか?
家族で戸建てに住んでいます。先日大きな台風が上陸した日の夜、子供と一緒に寝ていたところ外から看板が飛んできて窓が割れるということがありました。
すごい音で目が覚めましたが、怪我はありませんでした。
窓は片面が完全に割れてしまったため修理が必要になりますが、火災保険の保証対象になりますか。
また今回火災保険を使うのは初めてになります。その場合次回更新時の金額は上がってしまうのでしょうか。
回答|火災保険が風災リスクのカバーされたものであれば補償対象となります。
ご質問の事例の場合、質問者様ご加入の火災保険が風災リスクのカバーされたものであれば補償対象となります。
火災保険はどこの保険会社の保険商品でも補償範囲をある程度自由に設定することができるようになっていて、設定する補償範囲と保険金額によって大まかな掛金が決まります。
補償範囲を狭く設定すれば当然保険料も安くなりますが、十分な補償を得られなくなる可能性もあります。
ただ火災保険は、大切なお住まいが自然災害によって損害を被ったときに、復旧費用の面で助けてくれるとても重要なものです。
しっかりとした補償内容を設定することをお勧めします。
なお火災保険の更新時の保険料は、自動車保険とは異なり、保険金請求をしたことが原因で上がることはありません。