自転車事故が急増中!個人賠償事故での個人賠償責任保険金支払い実例11例を一挙公開!
日常生活を営んでいると、たとえ平穏な生活を心がけていたとしても、時として様々なトラブルに巻き込まれます。
たとえば自転車で移動中、通行人にぶつかってしまったり、ショッピング中、ペットボトルのドリンクをうっかりこぼして店の商品を汚してしまったりと、様々な事例が考えられます。
今回の記事では、このような日常生活における第三者に対する賠償責任を負った場合に頼りになる、個人賠償責任保険について解説します。
損害保険の現場に身を置いている筆者が、実際に処理した事故事例もいくつか紹介したいと思います。
目次
- 1 個人賠償責任保険・自転車保険とは?
- 2 損害事例を紹介
- 2.1 事故事例①:排水ホースが外れて階下に水漏れ損害を与えてしまう事故
- 2.2 事故事例②:飼い犬が散歩中に通行人に噛みつきケガをさせてしまう。
- 2.3 事故事例③:小学生が民家の窓ガラスを割ってしまった。
- 2.4 事故事例④:自転車で通行人に激突してしまい後遺障害を負わせてしまう。
- 2.5 事故事例⑤:骨董市で商品を誤って破損させてしまう。
- 2.6 事故事例⑥:立食パーティー中にワインを落としてしまい、隣の人のドレスを汚してしまう。
- 2.7 事故事例⑦:友人宅のテレビに誤って液晶画面に損害を与えてしまう。
- 2.8 事故事例⑧:スキーをしていたところ、誤って他人に激突し後遺障害を負わせてしまう。
- 2.9 事故事例⑨:近所をランニング中に通行人と激突し、転倒させてしまう。
- 2.10 事故事例⑨:トイレに異物を流し、階下に水濡れ損害を与えてしまう。
- 2.11 事故事例⑪:ドックランで飼い犬が他人の犬をかじり大けがになる。
- 3 個人賠償保険の注意点
- 4 まとめ
個人賠償責任保険・自転車保険とは?
そもそも個人賠償責任保険とはどういった保険なのでしょうか。
某大手損害保険会社では、その補償内容を下記のように規定しています。
日常生活において、自身の過失から他人にケガをさせてしまった場合や他人のモノを壊してしまった場合、民事上の損害賠償の責任が生じることがあります。
このようなときの賠償金の支払いに備えられる保険が、個人賠償責任保険です。
近年、自転車による賠償事例が多発しており、全国的に注意喚起がなされています。
自治体によっては、自転車保険への加入を原則義務化しているところもあるくらいです。
ここでいう自転車保険は、個人賠償責任保険の補償内容に、契約者自身のケガの補償がプラスされたものと考えて差し支えありません。
自分の補償は不要だけれども、せめて他人に対する賠償責任だけは備えておきたいといった方は、個人賠償責任保険を付保しておきましょう。
損害事例を紹介
ここで、筆者が実際に対応した個人賠償責任保険の損害事例をいくつか紹介したいと思います。
自転車事故に限らず、様々な事例が個人賠償事故に該当します。
こんな事故も個人賠償責任保険で対応できるんだ!といった新たな気づきがあると思います。参考にしてください。
事故事例①:排水ホースが外れて階下に水漏れ損害を与えてしまう事故
事故日:2019年8月
事故内容・詳細
マンションで洗濯機の排水ホースが外れて階下に水漏れ損害を与えてしまう。
保険金支払額
保険金支払額:88,600円
事故事例②:飼い犬が散歩中に通行人に噛みつきケガをさせてしまう。
事故日:2019年8月
事故内容・詳細
飼い犬のピットブルが散歩中、通行人に噛みつきケガをさせてしまう。
保険金支払額
保険金支払額:89,000円
事故事例③:小学生が民家の窓ガラスを割ってしまった。
事故日:2017年7月
事故内容・詳細
小学生の児童が空き地でボール遊びをしていたところ、遠くへ飛ばしてしまい、民家の窓ガラスを割ってしまった。
保険金支払額
保険金支払額:33,800円
事故事例④:自転車で通行人に激突してしまい後遺障害を負わせてしまう。
事故日:2021年7月
事故内容・詳細
自転車で移動中、通行人に激突。スピードを出していたこともあり、後遺障害を負わせてしまう。
保険金支払額
保険金支払額:53,000,000円
事故事例⑤:骨董市で商品を誤って破損させてしまう。
事故日:2019年10月
事故内容・詳細
骨董市で商品を物色、誤って商品を落としてしまい、破損させてしまう。
保険金支払額
保険金支払額:3,840,000円
事故事例⑥:立食パーティー中にワインを落としてしまい、隣の人のドレスを汚してしまう。
事故日:2019年10月
事故内容・詳細
結婚式の二次会の立食パーティー中、料理やワインを落としてしまい、隣の人のドレスを汚してしまう。
保険金支払額
保険金支払額:140,000円
事故事例⑦:友人宅のテレビに誤って液晶画面に損害を与えてしまう。
事故日:2023年8月
事故内容・詳細
子どもが友人宅で遊んでいたところ、友人宅のテレビに誤って激突してしまい、液晶画面に損害を与えてしまう。
保険金支払額
保険金支払額:99,000円
事故事例⑧:スキーをしていたところ、誤って他人に激突し後遺障害を負わせてしまう。
事故日:2023年8月
事故内容・詳細
スキーをしていたところ、誤って他人に激突し、後遺障害を負わせてしまう。
保険金支払額
保険金支払額:34,000,000円
事故事例⑨:近所をランニング中に通行人と激突し、転倒させてしまう。
事故日:2018年9月
事故内容・詳細
近所をランニング中、交差点で出てきた通行人と激突し、転倒させてしまう。右手首を骨折してしまった。
保険金支払額
保険金支払額:76,000円
事故事例⑨:トイレに異物を流し、階下に水濡れ損害を与えてしまう。
事故日:2018年9月
事故内容・詳細
マンション個室内において、トイレに異物を流し、階下に水濡れ損害を与えてしまう。
階下の住人の家電製品を含む家財道具多数に損害を与えてしまう。
保険金支払額
保険金支払額:488,000円
事故事例⑪:ドックランで飼い犬が他人の犬をかじり大けがになる。
事故日:2024年7月
事故内容・詳細
ドックランで飼い犬を放し飼いで遊ばせている中で、他人の犬がじゃれてき、タイミング悪く後ろから覆いかぶさりびっくりしてか噛んでしまう。
保険金支払額
保険金支払額:90,000円
上記の中には数千万円を超える賠償事例もあります。
後遺障害になるような大けがを負わせてしまうと、賠償額は高額になります。
日常生活を平穏に営むにあたり、トラブルに巻き込まれないよう気を付けて過ごしていても、高額の賠償事故の加害者になってしまう危険性は常に隣り合わせなのです。
個人賠償保険の注意点
個人賠償責任保険は火災保険や自動車保険、傷害保険といった損害保険に特約として付保することが一般的です。
自分でも気が付かないうちに実は加入していたなんてこともあります。
ここで一点注意点です。たとえば自動車保険、火災保険でそれぞれ個人賠償責任補償特約を付保していたとします。
そのような方がうっかり第三者に100万円の損害を与えてしまい、個人賠償責任補償特約で100万円全額の認定が得られたとしても、自動車保険、火災保険それぞれから100万円を受け取れるわけではないのです。
このようにどちらか一方は補償の重複、いわゆる保険料の無駄払いになります。
しかし、これは筆者の個人的な見解ですが、個人賠償責任補償特約に関する限り、補償の重複はあまり気にする必要はないのではないでしょうか。
個人賠償責任補償特約の保険料はそれほど高いものではありません。
せいぜい月額100円程度のものです。
うっかり主契約の更新漏れで補償がなくなってしまうリスクを考えたら、重複していても気にする必要はありません。
あくまで参考程度にしてください。
保険金が支払われない場合
個人賠償責任保険で補償対象となるのは、あくまで補償対象者の「過失」であることが原則です。
つまり故意に他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまっても、個人賠償責任保険で補償することはできません。
このようなことがまかり通ってしまうと、世の中に犯罪が蔓延ってしまうことにもなります。
また、同居の親族に対する賠償責任についても、個人賠償責任保険では補償対象外となることも押さえておきましょう。
個人賠償責任保険は、あくまで他人に対する賠償責任を補償するものなのです。
まとめ
今回の記事では個人賠償責任保険について、補償内容の概要を解説し、実際の損害事例についても紹介しました。
どんな人でも、いくら注意深く平穏な生活を心がけていても、高額の賠償責任を負ってしまうリスクがあります。
個人賠償責任保険では、運悪く加害者になってしまった場合の、経済的なリスクを補償します。
今一度、ご自身の加入している損害保険で個人賠償責任補償特約が付保されているか確認してみましょう。
いくつかの保険で重複して加入していても、あまり気にする必要はありません。
付保漏れになってしまうよりは、しっかりと補償されている安心感をもつことが大事です。