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2022.07.05

収入保障保険と所得補償保険の違いをプロが徹底解説

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著者情報 森 逸行 FP歴15年 経験した事を伝え解決に導く『金融パーソナルトレーナー』

インターネットで保険探しをしていると、「収入保障保険や所得補償保険がおすすめです!」と多くのFPや専門家が評論しているのを目にするかと思います。

実際に収入保障保険も所得補償保険も、とても魅力的な保険なので活用次第では非常におすすめです。

ただ、この2つの保険は名前が似ているだけで、実はまったく異なる保険です。 したがって、収入保障保険と所得補償保険の3つの違いを解説したうえで、具体的な活用法までお伝えしていきますので、皆様の保険選びの参考にしていただければと思います。  

1.収入保障保険と所得補償保険の3つの違い

【違い①】保障内容が違う 収入保障保険のメインは死亡保障(生命保険)、所得補償保険のメインは働けなくなったときの補償(損害保険)  

【違い②】支払う保険料が違う 収入保障保険は保険期間中の保険料は一定、所得補償は原則1年ごとに更新して保険料が変わる。

【違い③】保険金の受け取り方が違う 収入保障保険は保険金を分割で受け取ることも一括受け取ることもできる保険会社が多く、所得補償保険は保険金を一括受け取りできない。

また、収入保障保険は基本的に一度保険金が出ればずっと保険金が出る、所得補償保険はその都度保険金の支払事由に該当するかの査定がある。 この3つの違いに関して詳細に解説していきます。

1-1:保障内容が違う

収入保障保険のメインは死亡保障(生命保険)、所得補償保険のメインは働けなくなったときの保障(損害保険)です。

まずは収入保障保険の説明からしていきます。

【収入保障保険】 収入保障保険のメイン保障は、死亡保障です。 病気・けがなどの原因を問わず、死亡した場合に保険金がおります。

一般的な定期保険では一定期間同じ保険金額が一括で支払われますが、収入保障保険では、保険期間の満了まで決められた保険金が毎月あるいは毎年、年金形式で支給されます。

したがって、保険金額は年月が経つにつれて減っていきます。  

【契約例】 30歳男性/年金月額:10万円/保険期間・保険料払込期間:65歳まで メリットは保険料を抑えられることだけでなく、ライフプランに合わせて必要な分だけ保障を確保できる点です。

例えば、住宅ローンを組んだ場合は、時間の経過と共にローンが減っていきますので、その残債に合せて死亡保障設定できる収入保障保険を活用することもあります。

他にも、お子さんが小さいうちは小学校~大学までの費用に加えて日々の生活費が将来にかけてかかってきますが、お子さんが大学を卒業すれば、お子さんを育てる養育費用はほとんどかからなくなりますので、このようにライフサイクルの中で時間の経過と共に必要な保障額が減っていく場合にも収入保障保険を活用できます。

もしも、保険をかけている方が亡くなってしまっても、保険金を受け取る家族のために収入を保障できる保険です。

例えるならば、亡くなってしまった方が、天国から家族に毎月収入を振り込んで、遺族を見守れるような保険です。  

【所得補償保険】 所得補償保険のメインは働けなくなったときの補償(損保)です。 病気・けがなどの原因を問わず、働けなくなった場合に保険金がおります。

死亡では保険金は給付されませんので、注意は必要です。  

所得補償保険は、被保険者が病気やケガで入院や通院、自宅療養を行うことで働くことができなくなった場合に、設定した保険金額(年収の60%程度までを上限として設定)が補償されます。

一定期間ごとに更新し(毎年更新する商品が多い)、60歳程度まで、毎月一定の金額を受け取ることができます。  

【契約例】 保険金月額:10万円/保険期間・保険料払込期間:65歳まで(毎年更新) 所得補償保険の注意点は、以下3点です。

①医師の診断などが必要となるため、働けなくなっただけでは保険給付はでない。

②免責期間が設定されているケースもあるため、すぐに保険金が給付されない。

③精神疾患は特約などでカバーしなければ給付されない。地震などの災害や妊娠、法律違反などに関わる事由での就労不能では保険金は給付されない。  

1-2:支払う保険料が違う

収入保障保険は保険期間中の保険料は一定、所得補償は原則1年ごとに更新して保険料が変わります。 上図の例を用いて説明をすると、収入保障保険は当初契約する契約期間中の保険料は変わりませんので、30歳で60歳までの保険期間で契約した場合は、60歳の満了時までずっと毎月5000円程度の負担です。

一方で、所得補償保険の場合は1年更新であることが多いため、同じように30歳で契約をして60歳までの保険期間を設定しても、保険料は30歳では毎月3500円程度の保険料負担ですが、同じ保険料水準であれば50歳では毎月8400円の保険料負担になってしまいます。(1年更新なので、将来の保険料はそのとき算出した保険料になります。)

1-3:保険金の受け取り方が違う

収入保障保険は保険金を分割で受け取ることも一括受け取ることもできる保険会社が多く、所得補償保険は保険金を一括受け取りできません。

また、収入保障保険は基本的に一度保険金が出ればずっと保険金が出ますが、所得補償保険はその都度保険金の支払事由に該当するかの査定があります。

加えて、保険金にかかる税金も異なります。

収入保障保険は、契約者=被保険者・保険金受取人=被保険者の家族で、保険金を年金形式で受け取る場合は、相続税+所得税(雑所得)になります。

保険金を一括受取する場合は、相続税のみの課税です。

収入保障保険の保険金にかかる税金に関しては、保険金の年金受給権に関わる課税として考えますので、こちらを参考にしてください。  

所得補償保険の保険金にかかる税金は、被保険者=受取人であれば、医療保険のような第三分野保険に分類されますので、保険金は非課税となります。

所得補償保険の保険金にかかる税金に関しては、こちらをご参考にしてください。  

2.収入保障保険と所得補償保険の具体的な活用方法

ここからは実際にどのように収入保障保険と所得補償保険を活用するかをお伝えしていきます。

2-1:小さなお子様が社会人になるまでの保険として活用

仮に親が28歳で現在0歳の赤ちゃんがいる家庭があるとします。

このケースでは、この赤ちゃんが社会人になるまでは22年かかりますので、親は22年後には28歳+22年=50歳までの保障があると、親が亡くなってしまう、あるいは働けなくなってしまったときでも、お子様が大学を卒業するまでの生活資金を確保することができます。

ここで、「第二子も考えている」「子供には大学院までいかせてあげたい」などのお客様の要望があれば、保険期間をさらに数年間伸ばして加入することもできます。

親が亡くなってしまった場合には、会社員であれば厚生年金、自営業者であれば国民年金から遺族年金が給付されます。

特にお子さんが18歳になるまでは子の加算があり手厚く遺族年金が支給されます。 遺族年金は一般的なサラリーマンでお子さんが1人いれば、毎月14万円程度支給されます。

したがって、収入保障保険の保険金額を毎月10万円で設定すれば公的年金と合せて24万円程度になりますので、生活に必要な最低限の資金は確保できたと考えることもできます。

お客様の生活水準が毎月40万円程度を維持したいということであれば、収入保障保険の保険金額を25~30万円ほどで調整することも可能です。

ここまでは、死亡した場合の保障ですが、本当に困ってしまうのは、働けなくなったときです。 働けなくなったときは、家族の生活費、お子さんの教育費に加えて、ご自身の治療費や生活費もかかってしまいます。 加えて、公的制度も働けなくなったときの保障はありません。

働けないことを通り越して、障害認定をされなければ年金はおりないのです。

会社員であれば有給休暇を取得して、その後に健康保険の中の傷病手当金で1年6か月ほどは給与の3分の2程度は支給されますが、それ以降の保障は会社で制度を整えていない限りありません。

したがって、所得補償保険は収入保障保険よりも大きな保険金額を設定するケースが多いです。

所得補償保険は、直近年収の6割程度が加入できる保険金の上限ですので、月30万円程の収入があるかたであれば、20万円程度の保険金を設定することができます。

所得補償保険の注意点は、すでに会社の福利厚生で掛けてくれている場合は、個人で所得補償保険に加入しても、補償が重複してしまいます。

損害保険の場合は、補償が重複している場合は実損填補金額が上限を超えない限りは、どちらかからしか保険金は給付されません。

したがって、個人で加入をしても掛け損になってしまいますので、会社に福利厚生で所得補償保険に加入していないか確認をしてから検討したほうが、保険料を無駄に払うこともなくなります。

2-2:事業の借り入れ金対策として加入

収入保障保険も所得補償保険も法人や個人事業主の方に加入いただくケースは非常に多いです。特に借入金の対策として活用いただくケースが多くなっています。

法人あるいは個人事業で銀行から借り入れを行う場合は、十中八九は家族を保証人として借り入れを行います。

したがって、法人の代表者、あるいは個人事業主が借り入れが残った状態で亡くなってしまう、あるいは働けなくなってしまった場合は、借入金の返済が困難になってしまいます。

この借入金は家族が保証人として返済をしていかなければならなくなりますので、残された遺族は非常に不安な想いを抱きながら生活をしていかなければならなくなってしまいます。

このようなことの内容に、死亡しても、働けなくなっても借入金の返済が行えるように、借入金の残債に合せて収入保障保険と所得補償保険に加入します。

収入保障保険は残債に合わせて保険金を調整できるので、保険料のコストも抑えることができます。

家族が一括返済できるようにする場合には、年金形式で保険金額を設定するのではなく、保険金を一括受取して返済できるように、一括受け取り時の保険金額と残債の金額を合わせて保険に加入します。  

ここで収入保障保険を選ぶにあたってのポイントは3点です。

①残債はスケジュールどおりに返済できないことも想定されるため、保険金額を下げないように定期保険に変更できる(変換・コンバージョンできる)収入保障保険を選ぶこと

②借入金を追加で行うことや、返済のリスケジュールに伴って金利負担が増えることも想定して、少し大き目の保険金額で加入しておく。

③所得補償保険は毎年更新のため、金額や期間の調節がしにくい場合は、収入保障保険の特約で就労不能で保険金が出る商品を選ぶ   収入保障保険や所得補償保険で借り入れ対策を行う場合は、借り入れ返済時に給付された保険金では足りなかったというようなことが起こらないように、保険金額は大きめに設定をして、可能であれば柔軟に保険の形を変えることのできる保険(変換・コンバージョンのできる保険)を選ぶことをおすすめします。 特に、法人で加入する場合は、保険料は支払保険料として損金算入できる一方で、保険金は益金計上されて、法人税をとられてしまいますので、税金をとられてしまうことも想定した上で保険金額を設定しておきましょう。

まとめ

今回は収入保障保険と所得補償保険の違いとその活用方法に関して解説しました。

名前はよく似ていますが、保険金の給付事由も給付条件もまったく異なる保険です。

ただし、その違いを抑えた上で、上手に活用すれば、非常に有効に活用することができますので、これから保険選びをする方は是非この記事を参考にしていただければと思います。

また、収入保障保険も所得補償保険も、多くの保険会社が販売していますが、それぞれ特徴が異なります。

所得補償保険ではプランニングしにくい場合では、同じような機能を生命保険分野でカバーできる『就労不能保険』を活用してプランニングを行うことも可能です。

お客様の要望や状況に沿って、ベストな保険商品が変わりますので、専門家によく相談をして納得のいく保険選びを行うことをおすすめします。

 

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