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投稿日2026.07.14/更新日2026.07.14

雇われ社長にD&O保険は必要?経営判断で個人に損害賠償請求されるリスクをFPが解説

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著者情報 ファイナンシャルプランナー 森 逸行 AFP(日本FP協会認定)/2級FP技能士/証券外務員二種(IFA)/住宅ローンアドバイザー
住宅購入・資産運用・保険・相続まで幅広く対応。実務経験に基づいた、現実的で分かりやすいアドバイスを提供している。

雇われ社長にD&O保険は必要?経営判断で個人に損害賠償請求されるリスクをFPが解説
近年、中小企業でも代表取締役や役員個人が損害賠償請求を受けるケースが増えています。

特に、オーナー企業で代表交代が行われた場合や、事業承継によって新たな代表取締役へ就任した場合は、経営判断に伴う責任やリスクを十分に理解しておくことが重要です。

実際に私も、

・新たに代表取締役へ就任した
・雇われ社長として会社経営を任された
・D&O保険を勧められたが必要性が分からない

というご相談を数多くいただいています。

D&O保険(会社役員賠償責任保険)は、

会社を守る保険ではなく、

役員個人を守るための保険です。

本記事では、

・D&O保険とは何か
・雇われ社長になぜ必要なのか
・実際の相談事例
・補償内容
・注意点
・よくある質問

について、FPの視点から分かりやすく解説します。

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相談事例|オーナー社長から代表交代した会社

今回ご相談いただいたのは、

創業10年、売上約10億円まで成長した企業です。

創業社長は100%株主であり代表取締役として会社を経営していました。

事業は順調に成長していましたが、

コンプライアンス上の問題が発生し、

株主総会で代表取締役を退任することになりました。

新たに選任されたのは、

オーナーではない、

いわゆる「雇われ社長」です。

代表就任後、

真っ先に相談された内容が

「自分自身を守る保険に入りたい」

というものでした。

会社を守る保険には加入していましたが、

役員個人を守る保険には加入していなかったのです。

D&O保険とは?

D&O保険とは、

正式名称を

会社役員賠償責任保険(Directors & Officers Liability Insurance)

といいます。

会社役員が、

業務上の判断や職務執行について責任を問われ、

損害賠償請求を受けた際、

役員個人を補償する保険です。

雇われ社長にD&O保険が必要な理由

代表取締役になると、

会社の経営判断を行う立場になります。

その結果、

会社へ損害が発生した場合、

役員個人が責任を問われることがあります。

つまり、

会社が責任を負うだけではなく、

社長個人が訴えられる可能性

があるのです。

誰から訴えられる可能性があるのか

役員が責任追及される相手は、

株主だけではありません。

例えば、

・株主
・会社
・新しい代表取締役
・他の役員
・取引先
・債権者
・従業員

などから損害賠償請求を受ける可能性があります。

特に株主代表訴訟では、

会社の損害について役員個人へ責任追及されるケースがあります。

今回加入した主な補償①株主代表訴訟担保特約

株主から

「役員の判断で会社へ損害が発生した」

として提訴された際、

・損害賠償金
・和解金
・弁護士費用

などを補償します。

弁護士費用の前払い

D&O保険では、

裁判終了後ではなく、

訴訟中から必要となる弁護士費用を前払いできる商品があります。

長期間の訴訟では非常に重要な補償です。

退任後の補償

役員は退任したあとでも、

在任中の経営判断について訴えられることがあります。

今回も、

退任後の補償期間を延長する特約を付帯しました。

会社補償特約

役員が訴えられ、

会社が弁護士費用などを立て替えた場合、

その費用を保険会社が会社へ支払います。

会社と役員双方を守る重要な特約です。

D&O保険で補償される主な内容

商品によって異なりますが、

一般的には、

・損害賠償金
・和解金
・弁護士費用
・争訟費用
・初期対応費用
・社内調査費用
・第三者委員会費用
・株主代表訴訟費用

などが補償対象になります。

退任後や死亡後も安心とは限らない

意外と知られていませんが、

役員本人が亡くなった後でも、

在任中の経営判断について、

法定相続人が責任追及を受ける場合があります。

そのため、

退任後補償や法定相続人補償があるかどうかも重要な確認ポイントです。

D&O保険でも補償されないケース

D&O保険は万能ではありません。

一般的には、

・故意の違法行為
・犯罪行為
・私的利益の取得
・不正利益
・身体障害
・財物損壊

などは補償対象外となります。

加入前に補償内容を確認することが重要です。

FPから見たD&O保険の必要性

今回ご相談いただいた新代表は、

「会社だけでなく、自分自身や家族も守りたい」

という思いから加入を決断されました。

実際に法人向け保険のご相談を受ける中で感じるのは、

会社の火災保険や賠償責任保険には加入していても、

役員個人を守るD&O保険まで準備できている企業はまだ多くありません。

特に、

・代表交代
・事業承継
・M&A
・IPO準備
・売上拡大

などのタイミングでは、

役員個人のリスクも大きくなります。

経営者が安心して意思決定を行うためにも、

D&O保険は重要な経営リスク対策の一つといえるでしょう。

質問: 雇われ社長でも加入できますか?

はい。役員としての責任を負う立場であれば加入を検討する価値があります。

質問:中小企業でも必要ですか?

はい。近年は中小企業でも株主代表訴訟や役員責任が問われるケースが増えています。

質問:弁護士費用だけでも補償されますか?

商品によりますが、多くのD&O保険では争訟費用や弁護士費用も補償対象です。

質問:退任後も補償されますか?

退任後補償(発見期間延長特約)が付帯されている商品であれば、一定期間は補償されます。

まとめ

D&O保険は、

会社を守る保険ではなく、

経営判断を行う役員個人を守る保険です。

特に、

・雇われ社長
・代表交代
・事業承継
・IPO準備
・成長企業

では必要性が高まります。

今回の相談事例でも、

新たな代表取締役は、自身だけでなく家族を守るためにD&O保険への加入を決断されました。

経営には常にリスクが伴います。

だからこそ、「万が一」に備えた準備が、安心して経営に専念できる環境づくりにつながります。

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