ワランティ延長保証保険で保証期間を延ばす!仕組みや企業のメリットを解説します。
家電製品を購入すると、保証期間が設定されているのが一般的です。
たいていは1年間の保証期間になるでしょうが、その期間内であれば、購入した製品に発生した不具合について修理対応等のサービスが受けられます(故意に壊した場合は別ですが)。
もしこの保証期間を延長できるとしたら、エンドユーザーとしてはとても嬉しいことです。
一方でメーカー側、家電量販店側にとっても、保証期間の延長は様々なメリットがあります。
今回の記事では、延長保証について、その仕組みやエンドユーザー・企業側のメリットを解説し、導入する上での注意点についても触れていきたいと思います。
目次
延長保証とは
延長保証とは、メーカーの保証期間が終了した後も、一定期間において発生した製品の不具合・故障等に対して、規定に基づき製品の修理を無償で提供するサービスをいいます。
メーカーの保証期間終了後は、損害保険会社が保証を引き受け、エンドユーザーは延長保証サービスを得るために、一定の保証料(保険料)を支払うという仕組みになります。
このサービスは主に家電製品の購入時によく利用されていたものでした。
しかしここ最近では、使い捨てから、良いものを長く利用するというエコな取り組みが尊重されてきています。
この時代背景のもと、延長保証サービスは家電製品だけでなく住宅関連設備、家財道具、自転車等の生活関連商品にまで拡大していっています。
延長保証の保証内容
ここで、延長保証の具体的な保証内容について説明します。
保証を提供する損害保険会社の保険商品にもよりますが、概ね下記の基本保証を軸に、契約者(企業側)の保証ニーズに応じて保証範囲の拡大を設定できる仕組みになっています。
基本保証:自然故障
自然故障とは、購入した製品を取扱説明書や注意書に従って適切に使用していたのにも関わらず、製品に発生した故障であり、かつ、製品の製造メーカーの保証規定の中で保証対象との定めがあるものをいいます。
通常1年間とされる一般的なメーカー保証と同じ保証内容であり、保証期間内に複数回の自然故障が発生したとしても、何度でも無償にて修理を受けることができます。
なお、主に自然故障とされるのは下記のような事例となります。
対象製品 | 自然故障の状態 | 対応方法 |
---|---|---|
テレビ | モニターの映像が映らない。 | 基盤の交換修理。 |
テレビ | リモコンが効かない。 | リモコンの交換。 |
エアコン | 冷風(温風)が出てこない。 | 室外機の交換修理。 |
インターホン | 呼び出し音が鳴らない、会話ができない。 | 機器内部の配線修理工事。 |
冷蔵庫 | 氷が作れない。 | 自動製氷機そのものの交換。 |
保証範囲の拡大:物損保証
基本保証の自然故障にプラスして、突発的なアクシデント・偶然の事故に起因して発生した不具合を保証するものです。
具体的には「破損」、「破裂」、「異常電圧」、「水濡れ」等といった出来事が対象となります。
なお物損保証の場合、メーカー保証開始日からの経過年数に応じて保証限度額は逓減されていく仕組みとなっていることが一般的です。下記に物損保証の事例についても紹介します。
対象製品 | 自然故障の状態 | 対応方法 |
---|---|---|
タブレット | 持ち運び中に誤って床に落下させてしまい、液晶画面が割れてしまった。 | 液晶パネルの交換。 |
ノートパソコン | タブレットをデスクの上に置いた状態で離席していたところ、エアコンからの水濡れによって故障してしまった。 | キーボードの交換。 |
テレビ | 設置箇所を変える為に移動中、柱にぶつけてしまい、画面が割れてしまった。 | 液晶パネルの交換。 |
洗濯機 | 家の鍵を誤って洗濯機に入れた状態で洗濯機を回してしまい、洗濯槽を破損してしまった。 | 洗濯槽の交換。 |
掃除機 | 室内移動中、床に置いてあった掃除機の先端ブラシ部分を踏んでしまい破損させた。 | パワーブラシの交換。 |
延長保証を付帯することのメリット
延長保証は製品を使用するエンドユーザーと企業側のそれぞれにメリットがあるものです。
ここではそれぞれどのようなメリットがあるのかについて触れていきたいと思います。
エンドユーザーにとってのメリット
1.故障や破損に対して無償の修理が受けられる
何と言っても故障や不具合に対して、保証期間内であれば無料で修理してもらえるのが一番のメリットです。製品を安心して使用することができます。
2.製品に対して愛着がわく
故障しても無償の修理が得られることで、製品を長く使うことにつながり、結果的に製品に対する愛着がわいてきます。
3.費用負担の面でお得
製品が故障する度に買い替えてを繰り返すより、同じ製品を無償の修理を受けて使い続けることができるので、費用負担の面でメリットを享受することができるようになります。
企業側のメリット
1.同業他社との差別化が図れる
一般的な製品の保証期間は1年間か、長くても2年間で設定されています。ただ、エンドユーザーの多くがこの保証期間では不十分と感じています。それに対して長期間の保証サービスを提供できることで、同業他社との競争力は大きく増大します。この長期保証サービスが、エンドユーザーにとって購入を決定づける要因になることは往々にしてあるのです。また長期保証を付帯することで、商品自体の付加価値をも向上させることにもつながります。
2.ブランドイメージの向上
製品そのものの質と、アフターサービスを加味した総合的な品質面で同業他社よりも優位に立つことができ、ブランドイメージの向上につながります。結果的に顧客満足度の向上も期待でき、自社との継続的な接点を作ることで同業他社への流出を防ぐことができます。
3.製品の品質向上
延長保証を導入することで、どのような理由で故障や不具合が発生したのかといったデータを収集することができます。このことは新商品の開発において貴重な情報になることは言うまでもありません。結果的に品質の向上させることができます。
延長保証における注意点
延長保証はエンドユーザー・企業側双方にメリットのある、win-winの仕組みであると言えます。
しかしそのような延長保証にも注意すべき点があります。
ここでは企業側において、延長保証サービスを導入する上での注意点について解説します。
延長保証サービスの対象製品の選別
たとえば低価格の製品に対する延長保証サービスは、必ずしも需要があるとは言えません。
いざ製品の自然故障が発生して修理しても、保証料の方が修理費用を上回ってしまうと、エンドユーザーにとっては保証を買うメリットがないためです。
また、短期間での買い替えが想定される、いわゆる消耗品についても延長保証サービスのニーズはあまりないでしょう。
このように、延長保証サービスを付帯する製品の選定は、気を付けたい点です。
延長保証サービスの内容を明確に開示する
延長保証サービスの保証内容を、エンドユーザーにわかりやすく理解してもらうことが重要です。
説明が不十分のままだと、いざ不具合が生じてサービスの利用の申し出を受けたものの、実際には保証対象外の事案であったりすると、かえってエンドユーザーに不信感を与えてしまいかねません。
エンドユーザーの視点に立って、保証内容をわかりやすく説明する等、しっかり理解してもらう工夫をすることは重要です。
以上が延長保証における注意すべき点です。
上記の注意点をしっかり理解した上で、延長保証の導入を進めることで、顧客満足やブランドイメージの向上に役立てましょう。
まとめ
今回の記事では、延長保証サービスについて解説してきました。延長保証サービスはエンドユーザー・企業側双方にとって様々なメリットがある仕組みです。
良いものを長く利用することにもつながり、エコな取り組みとして評価されるべき制度であるとも言えます。ただ、対象製品の選別や、保証内容をしっかり理解してもらう工夫をする等、導入する上で注意すべき点があるのも事実です。
企業側としては、保証を提供する損害保険会社に確認する等、保証内容をしっかり理解し、適切な活用を心がけましょう。
- インスタ用●
①延長保証とは、メーカーの基本保証期間終了後も一定期間保証を延長できるサービスです。
②延長保証の保証内容は、自然故障を基本保証とし、物損にまで保証を拡大することができます。
※損害保険会社の取り扱い保険商品によります。
③エンドユーザーにとって、保証期間内は無償の修理を受けることができる等、メリットがあります。
④企業側にとっても、同業他社との差別化、ブランドイメージの向上、製品の品質向上等のメリットがあります。
⑤延長保証の注意点もあります。
サービス対象製品の選別
保証内容をエンドユーザーにしっかり理解してもらう
以上のことはしっかりおさえるべきです。
⑥延長保証のメリット・デメリットをしっかりおさえたうえで、企業の発展に役立てましょう。