車両保険や安い自動車保険ってどんな種類?自動車保険に詳しいFPが回答を行います!
任意の自動車保険はリスク細分型と呼ばれています。ドライバーの年齢や事故歴、自動車の車種、使用目的など、様々な要素を加味して保険料を決める仕組みになっています。
合理的な仕組みではありますが、非常に難解でわかりにくい仕組みでもあります。
今回の記事では、質問への回答を通じて、任意の自動車保険の保険料の仕組みを掘り下げていきたいと思います。
目次
質問:両親や家族も乗る場合の車の保険の違いはどの程度?
20代なのですが車を購入して保険に入ろうかと思っていますが、両親もたまに乗る事を想定した保険に入りたいと思います。
家族も運転するとなると保険料は上がるのでしょうか?自分だけで入る保険との支払う金額の違いなどを教えてほしいです。
逆に家族に入ってもらって自分も加入した方が良いとかもあればお願い致します。
回答|運転者を限定する特約をうまく活用することで保険料を安く抑えることができます。
運転者を限定する特約をうまく活用することで保険料を安く抑えることができます。
自動車保険には、補償対象となる運転者の範囲を限定する特約が用意されています。
保険会社にもよりますが、おおむね下記4つの区分に分けることができます。それぞれについて解説していきます。
運転者限定なし
補償される運転者を限定しません。誰が運転しても補償対象となります。
運転者家族限定
補償される運転者を家族に限定します。具体的には下記の方が運転中の事故が補償対象となります。
- 本人
- 1の配偶者
- 1または2と同居の親族
- 1または2と別居している未婚の子
運転者夫婦限定
補償される運転者を夫婦に限定します。具体的には具体的には下記の方が運転中の事故が補償対象となります。
- 本人
- 1の配偶者
運転者本人限定
補償される運転者を本人に限定します。
保険料については、限定条件のない①が高く、補償範囲の狭い④が安くなります。
質問者様はご家族も運転される可能性が高いということなので、②家族限定にするのが最も合理的といえます。
ただし、補償範囲外の方が運転中の事故は保険金の支払い対象となりませんので、十分に注意しましょう。
質問:ベンツなどの高級車などにより保険料は違いますか?
ベンツなどの高級車の購入を検討していますが、車の保険の場合は例えば軽自動車とベンツなどで、保険の金額が違うのでしょうか?
保険の金額は重量?排気量などに金額は大きく左右されるのでしょうか?
現在は30代の男性です。保険金額を見てから買う車も決めていきたいと考えております。
回答|自動車保険の保険料は、対象とする自動車によって大きく差が出ます。
自動車保険の保険料は、対象とする自動車によって大きく差が出ます。
下記のサイトで対象とする型式別の料率クラスが検索できますので、参考にしてください。
【参考サイト:損害保険料率算出機構 型式別料率クラス検索】
型式別料率クラス検索|損害保険料率算出機構 (giroj.or.jp)
このサイトによると軽自動車と高級車で料率に大きな差が出ることがわかります。
【軽自動車】
メーカー:スズキ
車名:ワゴンR
料率クラス
対人賠償責任保険:1
対物賠償責任保険:1
人身傷害保険:1
車両保険:1
【高級車】
メーカー:メルセデスベンツ
車名:メルセデスベンツA
料率クラス
対人賠償責任保険:7
対物賠償責任保険:3
人身傷害保険:9
車両保険:6
※料率クラスとは、それぞれの補償に対する保険料の計算要素の一つとして適用されます。数値に比例して保険料は高くなります。
上記はあくまで参考ですが、軽自動車に比較して高級車は料率クラスが高いことがわかります。
さらに保険料に大きな影響の出る要素として、車両保険が挙げられます。
軽自動車と高級車とでは車両保険金額の設定額に大きな差が出ます。
結果的に、料率の違いと設定金額の違いとで、保険料の大きな差異が生まれます。
保険会社のホームページや見積もり比較サイトを利用して、概算でも見積もりをとったうえで加入を検討することをおすすめします。
【参考サイト:価格.com 自動車保険 比較・見積もり】
自動車保険 比較・見積もり|ネットで保険料をもっと安く – 価格.com (kakaku.com)
質問:国内とアメリカやオーストラリアの保険でおすすめは?
国内意外にも海外の保険会社はどちら方が車保険はお得ですか?
アメリカやオーストラリアの保険を良く見かけますが実際には国内との大差はあるのでしょうか?
また、事故などが発生した場合でも海外の保険会社はスムーズに対応してくれるのでしょうか?
メリットやデメリットもあればそれも教えて欲しいです。
回答|日本には多くの海外資本の企業が進出してきています。
日本には多くの海外資本の企業が進出してきています。それは自動車保険に関しても例外ではありません。
たとえばアクサダイレクトやチューリッヒといった企業は外資系の企業です。
CMなので目にする機会も多く、なじみのある保険会社なのではないでしょうか。ここでは、こういった外資系企業の自動車保険の特徴について解説します。
【参考サイト:アクサ損害保険株式会社】
企業概要|任意保険のアクサダイレクト (axa-direct.co.jp)
【参考サイト:チューリッヒ保険会社】
会社概要|チューリッヒ保険会社 (zurich.co.jp)
特徴①:ダイレクト型
外資系企業の自動車保険というと、インターネットで手続きができる、いわゆるダイレクト型を想起する人は多いのではないでしょうか。
たしかに日本で最初にダイレクト型の自動車保険を販売したのは外資系の保険会社だったので、そういったイメージは強いかもしれません。
しかし現在では、国内の企業も非常に多くダイレクト型の自動車保険を取り扱っています。
ダイレクト型=外資系の保険会社 といったイメージは薄れてきているかもしれません。
特徴②:保険料水準が安い
外資系企業の自動車保険では、手続きをすべてインターネット上で完結できる仕組みをとることで(ダイレクト型という形態をとることで)、人件費の削減につながり、保険料をリーズナブルな水準に設定することに成功しました。
ただ、この点についても特徴①と同様、国内の企業も同様の傾向にありますので、外資系との差はなくなってきています。
外資系企業の自動車保険は、以上のような特徴をもっていますが、結論としては、海外資本の会社と国内の会社とで、自動車保険の補償内容や保険料水準に大きな違いはありません。
事故時の対応についても、外資系業だからといって日本語が通じないということもなく、書類のやりとりも当然日本語のものを使用します。
最終的に加入を決めるのは補償内容と保険料のバランスを考慮した上での判断でよいでしょう。
質問:車の保険に入った場合には原付やバイクなどの保険は?
車の保険に入った場合には原付やバイクなどの保険も自動的に加入されるのでしょうか?
個別で保険に入る必要がありますか?車にも乗りますしバイクにも乗りたいと思っています。
現在は車の保険だけ入っていますが、バイクを購入した場合にバイクは別途加入する必要があるのでしょうか?
または合わせた乗り物保険的なのが存在するのでしょうか?
回答|125cc以下の原付バイクであれば、自動車保険に特約を付加することで補償対象に…
125cc以下の原付バイクであれば、自動車保険に特約を付加することで補償対象とすることができます。
別途原付バイクのために自動車保険に加入する必要はありません。
その特約を、ファミリーバイク特約といいます。以下、ファミリーバイク特約について解説します。
ファミリーバイク特約は、任意の自動車保険の補償範囲を広げる特約のひとつです。
主に契約自動車を運転する人(記名被保険者といいます)とその家族が、125cc以下のバイクを運転中に起こした事故が原因で、相手方にケガを負わせたり、相手の物を壊したり、運転者自身がケガを負ったりした場合に保険金が支払われます。
ファミリーバイク特約の補償内容は保険会社によって異なりますが、おおむね、「自損傷害型」と「人身傷害型」の2種類になります。
どちらも相手方に対する補償である対人賠償と対物賠償はカバーしていますが、自損事故で自分自身がケガをした場合の補償に違いがあります。
「人身傷害型」は事故で自分がケガをした場合でも補償対象となりますが、「自損傷害型」の場合、自損事故で自分自身がケガをしても補償はありません。
以上のような特徴を持ったファミリーバイク特約は、バイクを持っている方、これから購入しようと考えている方は、まず特約の付保の可否を検討すべきです。
バイクの保険に単独で加入するよりもファミリーバイク特約を付保する方が多くの場合で保険料のメリットがあります。
さらに、万が一事故を起こして保険を使うような場合でも、ファミリーバイク特約であれば更新時の等級に影響が出ないというのも大きなメリットです。ぜひ参考にしてください。
質問:2台目に加入する場合は1台目と同様に保険料が掛かるのでしょうか?
現在は家庭内で車が1台ですが家族用に追加で購入を検討しています。
1台目の保険は加入していますが、2台目に加入する場合は1台目と同様に保険料が掛かるのでしょうか?
2台だから割引き的な保険金額になるのでしょうか?それとも単純に2倍が必要なのでしょうか?上手な加入方法などあれば教えてください。
回答|2台目以降の自動車保険に割引が適用されるセカンドカー割引
自動車を2台以上所有すると、2台目以降の自動車保険に割引が適用される制度があります。
通称、セカンドカー割引といいます。以下、セカンドカー割引について、その概要を説明します。
セカンドカー割引の概要
セカンドカー割引とは、すでに自動車を所有していて、その自動車で自動車保険に加入している人が、2台目以降の自動車で新たに自動車保険に加入する際に、保険料が安くなる割引制度です。
通常、自動車保険に新規に加入すると、ノンフリート等級は6等級からスタートします。それが、セカンドカー割引の要件を満たすと、7等級からスタートすることができるのです。
※ノンフリート等級が高ければ高いほど、保険料の割引率も大きくなります。
【参考サイト:ソニー損保 等級制度の基礎知識】
自動車保険のノンフリート等級制度とは?等級ごとの割引率を解説 | ソニー損保 (sonysonpo.co.jp)
セカンドカー割引の適用の条件
このように、保険料面でとても優遇されたセカンドカー割引ですが、適用するためには条件があります。その条件とは、以下のようなものになります。
・2台目の自動車が今回はじめて自動車保険に加入すること
・1台目の自動車保険のノンフリート等級が11等級以上であること
・1台目の自動車の用途車種が「自家用8車種(※)」であること
(※)自家用8車種とは、「自家用普通乗用車」「自家用小型乗用車」「自家用軽四輪乗用車」「自家用小型貨物車」「自家用軽四輪貨物車」「自家用普通貨物車」「自家用普通貨物車」「特殊用途貨物車」を指します。
・2台目以降の自動車保険契約の記名被保険者、車両所有者が個人であること
なお、適用の条件は保険会社によって若干異なります。
セカンドカー割引の注意点
2台目以降の自動車にセカンドカー割引を使用する場合、1台目の自動車の保険契約との補償の重複に注意する必要があります。
補償の重複は保険料の無駄払いにつながります。以下に重複の起こりやすい特約について紹介します。
個人賠償責任保険
これは、日常生活の中で起きた偶然な事故により他人に対して法律上の損害賠償責任をカバーするためのものです。
これは自動車保険に限らず、火災保険や傷害保険にも特約として付保することができます。どれかに付保されていれば事足りますので、今一度確認してみましょう。
ファミリーバイク特約
これは、125cc以下のバイクに運転中に起こした事故の補償をカバーするための特約です。
1台目の自動車の保険契約に付保されていれば、2台目以降の保険契約に付保する必要はありません。
弁護士費用特約
自動車事故によるケガや物損害について、事故の相手方との交渉や訴訟で必要となる弁護士費用・訴訟費用を補償する特約です。
契約自動車に関係なく補償されるものなので、1台目に付保されていれば、2台目以降に付保する必要はありません。
セカンドカー割引は複数台の自動車を所有している方にとっては非常にメリットのある制度です。
2台以上持っている方、これから購入を検討する方は、セカンドカー割引の適用の可否をまず確認してみましょう。
他にも保険会社によっては、自動車保険を同じ保険会社でまとめることで、このセカンドカー割引のほかにも様々な特典がある場合もありますので、保険会社に問い合わせる等、確認を怠らないようにしましょう。